33 / 86
第三章:作戦会議
反保_3-1
しおりを挟む
特務課の自席でパソコンに表示された画面を見ながら、流れ込んでくる情報に反保は気持ち悪くなってきたので天井を見上げて強く目を瞑った。そして、手で目を軽く圧迫するとじんわりと温かくなり、疲れた眼球が休まっているのが解る。
「なにしてるの?」
背後から有栖の声が聞こえたので、目を開いて座ったまま振り返る。強く目を瞑った影響で黒いもやがかかった視界に彼女の映り、それは少しずつ晴れてくる。
「情報収集です」
「SNS?」
「はい。ファイティングプロレスの旗揚げ記念日についてかなり書き込みがありますよ。何か有益な情報があるかな、と思いまして」
「結果は?」
「疲れました。なんか人間の自分勝手な意見の塊を見ているようで」
「そんなもんでしょ。コミュニティツールというよりは自分の意見を発信する場みたいなもんだし」
「そうですね。けど、妙に信憑性の高い情報が書かれているときもありますよね?」
「確かに明らかに業界関係者しか知らないような情報が書かれているときもあるもんね」
「ため込んだ不満をバレないと思って書くんでしょうね」
そんな雑談を交わしていると、特務課のドアが開いた。京と佐倉が手に資料を持って、入ってくる。
「お疲れさま。今、大丈夫かしら?」
「はい」
「雑談していただけなので気にしないでください」
京の問いに反保は真面目に、有栖が笑いながら答える。そして、反保も立ち上がり、有栖と一緒に京達に近づく。
「そう? じゃあ、作戦会議をしましょうか」
京は反保達に微笑みながら、そう言った。
「なにしてるの?」
背後から有栖の声が聞こえたので、目を開いて座ったまま振り返る。強く目を瞑った影響で黒いもやがかかった視界に彼女の映り、それは少しずつ晴れてくる。
「情報収集です」
「SNS?」
「はい。ファイティングプロレスの旗揚げ記念日についてかなり書き込みがありますよ。何か有益な情報があるかな、と思いまして」
「結果は?」
「疲れました。なんか人間の自分勝手な意見の塊を見ているようで」
「そんなもんでしょ。コミュニティツールというよりは自分の意見を発信する場みたいなもんだし」
「そうですね。けど、妙に信憑性の高い情報が書かれているときもありますよね?」
「確かに明らかに業界関係者しか知らないような情報が書かれているときもあるもんね」
「ため込んだ不満をバレないと思って書くんでしょうね」
そんな雑談を交わしていると、特務課のドアが開いた。京と佐倉が手に資料を持って、入ってくる。
「お疲れさま。今、大丈夫かしら?」
「はい」
「雑談していただけなので気にしないでください」
京の問いに反保は真面目に、有栖が笑いながら答える。そして、反保も立ち上がり、有栖と一緒に京達に近づく。
「そう? じゃあ、作戦会議をしましょうか」
京は反保達に微笑みながら、そう言った。
1
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
密室島の輪舞曲
葉羽
ミステリー
夏休み、天才高校生の神藤葉羽は幼なじみの望月彩由美とともに、離島にある古い洋館「月影館」を訪れる。その洋館で連続して起きる不可解な密室殺人事件。被害者たちは、内側から完全に施錠された部屋で首吊り死体として発見される。しかし、葉羽は死体の状況に違和感を覚えていた。
洋館には、著名な実業家や学者たち12名が宿泊しており、彼らは謎めいた「月影会」というグループに所属していた。彼らの間で次々と起こる密室殺人。不可解な現象と怪奇的な出来事が重なり、洋館は恐怖の渦に包まれていく。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
双極の鏡
葉羽
ミステリー
神藤葉羽は、高校2年生にして天才的な頭脳を持つ少年。彼は推理小説を読み漁る日々を送っていたが、ある日、幼馴染の望月彩由美からの突然の依頼を受ける。彼女の友人が密室で発見された死体となり、周囲は不可解な状況に包まれていた。葉羽は、彼女の優しさに惹かれつつも、事件の真相を解明することに心血を注ぐ。
事件の背後には、視覚的な錯覚を利用した巧妙なトリックが隠されており、密室の真実を解き明かすために葉羽は思考を巡らせる。彼と彩由美の絆が深まる中、恐怖と謎が交錯する不気味な空間で、彼は人間の心の闇にも触れることになる。果たして、葉羽は真実を見抜くことができるのか。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
どんでん返し
あいうら
ミステリー
「1話完結」~最後の1行で衝撃が走る短編集~
ようやく子どもに恵まれた主人公は、家族でキャンプに来ていた。そこで偶然遭遇したのは、彼が閑職に追いやったかつての部下だった。なぜかファミリー用のテントに1人で宿泊する部下に違和感を覚えるが…
(「薪」より)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる