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過去との対話_奉日本_4

奉日本_4-2

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 だが、その鬱屈した気持ちを部下達に暴力や暴言で晴らすことはできない。無能扱いされ続けた父は鬱気味になり、体調不良で少しずつ休むようになる。

 病気なら仕方ない

 それを逃げる理由にしたかったのだろう。そして、病院に通うと仕事面で疲れや沈んだ気持ちになる等の悩み相談を医者に告げ、

「少し休んだ方が良いか?」

 と、聞き、

「それも一つの方法ですね」

 と、回答されたことから会社に休業届けを出した。医者に言われたのだから仕方ない――それが彼の大義名分だったのだろう。

 仕事を休んだ父は朝から酒を飲み、ギャンブルをし、煙草を呼吸の様に吸っていた。このような生活が彼に何かを与えるわけでも、考える余裕を与えるわけでもなく、病気で休むことは怠けている人間だ――そう誰でも無く自身がそう責めて、苛み続けた。

 そして、そこから生まれるストレスの矛先には――俺がいた。
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