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クランとしての試練
第106話 疑いを晴らすには
しおりを挟む俺達が悪さをしているって?
そんな訳がない!
という事で俺達の疑惑を払拭すべく、しかも俺達だけで行動すればさらに疑念が深まる可能性があり、中立的な立場から判断すべきと、冒険者ギルドから3名の見届け人が同行する事になった。
一応俺達クランの在籍名簿をフスタさんが持っていくらしい。
万が一失くしてもいいように写しらしいが。失くしたら写しでも困るんだが。
そういう訳で出発の段取りを。
今回はクランメンバー全員で移動する事になった。
戦闘向きじゃないメンバーも含め全員。
拠点に残るのはセバスチャンと、セバスチャンの従魔のみ。
万が一拠点を襲撃されても対応できるように、との考えだ。
可能性として無いとは言い切れないのだが、俺達を誘い出すための罠かもしれない。
ポチが居ればあるいは別の作戦も考えられるのだが、連絡がついてもここに来るのに時間がかかり過ぎる。
そうこうしている間にメンバーが続々とやってくる。
真っ先に来たのはヤーナだ。
「また嫌がらせだって!私達王都の周辺でしか活動していないのに!」
ご立腹のようだ。まあ俺もそうなんだけどな。
「カクカクジカジカで、悪さをしている奴らを、できれば現行犯でしょっ引きたい。」
「カクカクジカジカって便利ね。まあわかったわ。早く行きましょ!」
「まあ待てヤーナ。今回はセバスチャンだけ拠点に残し、後は全員で行く。」
俺はこの時冒険者ギルドがグルだとは、これっぽっちも疑っていなかった。
だから冒険者ギルド内でこんな発言をしてしまったんだが、まさかねえ。
「そういう事であれば・・・・」
ディーデリックには何か考えがあるようだ。
「流石は兄さま。そのようなお考えをお持ちとは。」
何かサスキアと話していたようだ。
この間にニールスにい達は先行していった。
結局現実的に40名近い人間を素早く移動させるには無理があるので、今回はわんこ部隊で陰伏・先行させ、数名を問題のターゲットに近づいてもらう事になった。
そして天馬に俺が作った移動用に車を引かせ、空から一気に移動させる事になった。
結局俺はシロに跨るのではなく、天ちゃんの御者をする事となった。
俺の魔力を天ちゃんに!もう一体はヤーナだ。
ヤーナは俺の次に魔力の総保有量があるらしい。
3番目はフロリーナだそうな。
で、わんこ部隊で先行したメンバー以外の全員が揃ったので、外に出て天ちゃん達を待つ。
セバスチャンが台車を用意してくれていたお陰で既に準備完了。
全員乗車し、天ちゃんとヤーナの天馬と共に移動を開始する。
天馬が空を駆ける時に曳くこの台車、俺達御者の魔力を消費する事で風などの影響をほぼ受けないようにできるらしい。
その分俺とヤーナの負担は大きくなるのだが。
「わ、私、空って初めてです。」
「俺もそうだ。怖いな。」
「急にお腹が痛くなってきちゃいました。」
冒険者ギルドの職員は3人共空は初めてのようだ。
最後の!万が一粗相してもフロリーナがいるから安心だぞ!
こうして俺達は疑いを晴らすために、俺達を語り、悪さをする不届き者を現行犯で捕まえるべく移動を開始した。
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