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外伝 章努の話
章25歳
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あれから随分と時が経ち、章がロンドロッグにやってきてから10年の歳月が流れた。
この間何度も魔王と対峙し、その都度逃げられた。
魔王の本体は既に寿命が近く、その都度別の身体を乗っ取って章達に追われつつ、見つかっては身体を消滅されてしまっていたが、本体は相変わらず安全な場所で健在。
「魔王森信!死ねえ!」
魔王は順平達と共に勇者召喚でやってきた元勇者。
あまりにも素行が悪すぎ、最後は順平に勇者を含めスキルの全てを奪われ国外追放。
その後魔王のいいように振り回され、最後は魔王の容器として使われていた哀れな人物である。
● ●
第4話その他参照
● ●
勇者として召喚された森信 界人はその後魔王の徹底的な隠密的干渉によって魔王の器として魔王が身体に入り込まれるその日まで生かし続けられていた。
既に側近が入り込んでいたふくよかなおばちゃんを妻とし、すっかり身体は魔王にとって都合がよくなっていた。
更に酷い話だが、魔王は万が一の場合に備え、スペアとして森信夫妻に子を得させており、その子も魔王に馴染むよう調整済み。
しかしそこにひとつのイレギュラーが発生する。
章の存在である。
魔王の能力が通用しない。
逃げるしかない。
かつて常山順平にこっぴどくやられてからと言うもの、用心していたがそれでも章の能力はすさまじく、本来の力を取り戻せていない魔王は逃げるしかなかった。
この時既に森信の身体は魔王に乗っ取られていた。
そんなある日・・・・
「章殿、これではいつまでたっても魔王を逃がす事になるだけです。順平殿と会ってはいただけませぬか?」
オイヴィである。
「あ?そいつだったら何とかなるって言うのか?今がチャンスなんだよ!まだあいつはあの身体に馴染んでねえ!」
「いけませんよ章様、オイヴィを困らせては。実際魔王は何時も仕留める事が出来ると思われる寸前で逃げるではありませんか?一度会っておきましょう?」
「嫌だ!俺は野郎になんか会わねえ!!」
「そんな我が儘いけませんわ!私は章様に魔王を仕留めて頂き、国を復興し晴れて伴侶として、国民の皆様に章様を紹介したいのです。」
こう言われチョロイン章はピートロネラの言うがままに常山順平と会う事となった。
そして・・・・
「なあ、何だよこのでっかいわんこ。」
目の前には常山順平がテイムしたフェンリルが待ち構えていた。
【何を言うか若造。我はフェンリルだ。決してわんこではない。】
章にわんことフェンリルの区別はつかなかった。
【あ?こうやって会話すんのか?フェンネルでもフェンシングでも何でもいいや!お前の背に乗れば連れて行ってくれるのか?】
【・・・・頭が湧いているのか?まあいい。早く乗れ。後はこちらで何とでもしてやる故、しがみ付いておればいい。オイヴィ、其方の頼み故こうして乗せるのだ。世話は任せよう。】
「すまない。それとガルム殿は一緒だろうか。」
【ああ、妻も連れて来ておる。】
「では先に私だけを順平殿の元へ連れて行ってはくれまいか?知らせをしておきたい。後はゲートで何とかしたい。」
【その方が良いだろう。】
「そういう訳で皇女様、章殿、この場でお待ち下さいます様。後でゲートを展開しますので・・・・これです。決して私が戻るまで【ゲート】に入る事の無きようお願いいたします。」
結局オイヴィはフェンリルの背に乗り先行していく。
暫くして章は思った。
【ゲート】ってなんだ?
この間何度も魔王と対峙し、その都度逃げられた。
魔王の本体は既に寿命が近く、その都度別の身体を乗っ取って章達に追われつつ、見つかっては身体を消滅されてしまっていたが、本体は相変わらず安全な場所で健在。
「魔王森信!死ねえ!」
魔王は順平達と共に勇者召喚でやってきた元勇者。
あまりにも素行が悪すぎ、最後は順平に勇者を含めスキルの全てを奪われ国外追放。
その後魔王のいいように振り回され、最後は魔王の容器として使われていた哀れな人物である。
● ●
第4話その他参照
● ●
勇者として召喚された森信 界人はその後魔王の徹底的な隠密的干渉によって魔王の器として魔王が身体に入り込まれるその日まで生かし続けられていた。
既に側近が入り込んでいたふくよかなおばちゃんを妻とし、すっかり身体は魔王にとって都合がよくなっていた。
更に酷い話だが、魔王は万が一の場合に備え、スペアとして森信夫妻に子を得させており、その子も魔王に馴染むよう調整済み。
しかしそこにひとつのイレギュラーが発生する。
章の存在である。
魔王の能力が通用しない。
逃げるしかない。
かつて常山順平にこっぴどくやられてからと言うもの、用心していたがそれでも章の能力はすさまじく、本来の力を取り戻せていない魔王は逃げるしかなかった。
この時既に森信の身体は魔王に乗っ取られていた。
そんなある日・・・・
「章殿、これではいつまでたっても魔王を逃がす事になるだけです。順平殿と会ってはいただけませぬか?」
オイヴィである。
「あ?そいつだったら何とかなるって言うのか?今がチャンスなんだよ!まだあいつはあの身体に馴染んでねえ!」
「いけませんよ章様、オイヴィを困らせては。実際魔王は何時も仕留める事が出来ると思われる寸前で逃げるではありませんか?一度会っておきましょう?」
「嫌だ!俺は野郎になんか会わねえ!!」
「そんな我が儘いけませんわ!私は章様に魔王を仕留めて頂き、国を復興し晴れて伴侶として、国民の皆様に章様を紹介したいのです。」
こう言われチョロイン章はピートロネラの言うがままに常山順平と会う事となった。
そして・・・・
「なあ、何だよこのでっかいわんこ。」
目の前には常山順平がテイムしたフェンリルが待ち構えていた。
【何を言うか若造。我はフェンリルだ。決してわんこではない。】
章にわんことフェンリルの区別はつかなかった。
【あ?こうやって会話すんのか?フェンネルでもフェンシングでも何でもいいや!お前の背に乗れば連れて行ってくれるのか?】
【・・・・頭が湧いているのか?まあいい。早く乗れ。後はこちらで何とでもしてやる故、しがみ付いておればいい。オイヴィ、其方の頼み故こうして乗せるのだ。世話は任せよう。】
「すまない。それとガルム殿は一緒だろうか。」
【ああ、妻も連れて来ておる。】
「では先に私だけを順平殿の元へ連れて行ってはくれまいか?知らせをしておきたい。後はゲートで何とかしたい。」
【その方が良いだろう。】
「そういう訳で皇女様、章殿、この場でお待ち下さいます様。後でゲートを展開しますので・・・・これです。決して私が戻るまで【ゲート】に入る事の無きようお願いいたします。」
結局オイヴィはフェンリルの背に乗り先行していく。
暫くして章は思った。
【ゲート】ってなんだ?
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