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外伝  章努の話 

飽きたからと去って行く2人

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 あれから数ヶ月、俺は元神聖騎士2人と模擬戦をしつつ、戦い方を学んだ。
 男の方は・・・・クサンデルだっけか?あんな性格でも騎士だからな、剣術を中心に対人戦を学んだぜ!

 女の方は・・・・誰だっけ?『ヨランデよ!』
 そうだった。

 こっちは戦い方がトッリキー過ぎてなかなか対処しにくかったりする。
 魔法も絡め武器での攻撃。
 武器の扱いは正直今の俺より上手い訳ではないが、効果的な魔法の使い方をするし、特に補助魔法は中々エグい。
 何がエグいって攻撃を当ててもダメージがいかないとか、跳ね返るとか認識が変になるとか、後は幻想だったり、霧を発生させて視界を妨げたり転ばせたり。
 まあ多彩だな。
 魔族・・・・これから俺が戦うのは魔王とその手勢だから魔族と戦う事になり、こういった魔法や術を用いた戦いになるだろうと、考えられる限りの方法で学んでいるんだぜ!

 だが・・・・これも1年程経った頃、
『いい加減飽きたから国に帰るぅ!そういう訳で姫さまぁ、次に会うのはロンドロッグねぇ。』

 女の方が飽きたらしく?兄を促し去って行った。

 その前に男の方は、
『君はまだまだ粗削りだが、光る物はある。後は何度も繰り返す事と、戦って経験を積む事だな。そろそろ魔族の活動が活発になるだろうから、魔族を探して戦うのもいいだろう。そして俺と妹は、ロンドロッグに戻って復興を模索しようと思っている。』
 ロンドロッグの復興。
 つまりピーちゃ・・・・ピートロネラがロンドロッグに戻って国を復興させる、という事だ。

 それには未だ魔王が支配するピートロネラにとって祖国から、魔族を駆逐しないといけない。
そして俺は魔王を討たねばならないらしい。
 まあ見た目で生理的に駄目なら問答無用で殺っちゃうけれどな!

「まあ色々あるが、世話になったな。特に剣術に関しては俺の相手になるような連中が身近にいなかったからさ、かなり助かったぜ!それに・・・・ヨサンデ、あんたのトリッキーな戦い方は今後魔族がこうした想定していない攻撃があり得ると想定して学べたし、あんた以上にイかれた連中がいるかもしれなかいらな、まあそういう訳だ、2人とも助かったぜ!」
 俺は素直な感想を述べたが、
『分かっていればいい。それに俺は君に騎士としての真っ当な戦い方しか敢えて教えなかった。泥臭い戦い方は既に行っているようだから基本を教えたに過ぎない。だが基本は大事だ。基本が出来ていない奴に特殊な技は上手くできない。』
『みんな正直な戦いはしないのよぉ?それとぉ女性にイかれたとか言っちゃあ駄目なんだからねぇ!』

 なんだかんだで俺は2人に感謝している。

 で、去って行きがてら聞こえた2人の会話が酷かった!

【お前以上にイかれた奴がいるとは思わなかったぞ?】
【兄さま私に喧嘩売っているの?死にたいの?イかれているのは兄さまの方よ?】
 俺は至極まっとうな性格のはずなんだが何故イかれ認定なんだ?
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