勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

外伝 章努の話

バイエンス氏の活躍

「おっさん！おっさん！あんたの出番だぜ！」

　俺は街へ戻り、バイエンスのおっさんを呼び出した。

「何ですかなショ・・・・今はフスタ殿でしたな。」
「そんなのどうでもいい！あんた奴隷商だろ！早く来てくれ！」
「ショー殿、【元】奴隷商ですぞ。それに一体何処へ急がそうとしているのですかな？」
「山の麓に坑道があってだな、違法に、つまり無理矢理奴隷にされた奴が沢山いてだなあ、奴隷商は拘束したんだが、一寸問題が発生してな。」
「・・・・一体どの様な手段で奴隷にしたのでしょう？」
「ああ、これだ。」
　俺様首輪を持って帰ってきているからな。早速渡したぜ！
「こ、これは・・・・まさか、いやしかし・・・・未だ隷属の首輪を使用している連中がいたのですな。しかしショー殿、まさかこれをそのまま解除したのではありませんでしょうな？」
　なあノラ、あれ解除してもよかったんだよな？
【今の君だったらその後隷属の首輪は全部外せられるからねとは教えたよ？しかしねえ、僕の想定していない強引過ぎる方法だったからさ、皆暫く動けなくなっているんだよ。】
　俺は隷属の首輪って解除方法を知らないんだ！そんな事になるんだったらきちんとそこまで教えてくれよ！俺の時と同じ方法で取ったじゃないか！
【あ！】

　・・・・今あ！って思っただろう？
【さあ折角お仲間に奴隷商もいる事だし、急いだほうがいいと思うよ？】
「そんな事より早く行くぜ！」
　だが俺の慌てっぷりに急いで駆け付けたピートロネラだが、慌てて駆け付けたはいいが、俺の近くでつまずいてしまった！
「きゃあ！」
　俺は咄嗟に抱きしめてしまった・・・・うわ、柔らけえしいい匂い。
「ショ、ショー・・・・つよむさ・・・・ん、その、ありがとうございます。」
　いや、早く起きろよ。俺は自主的にピートロネラが起き上がるのを待った。
　待ったが何故か起き上がらない。
「これから出掛けるんだ。そろそろ・・・・」
「は！私とした事が、つい・・・・では参りましょう。」
　よくわからん女だ。
　ついってどういう事だ？

　・・・・
　・・・
　・・
　・

「これで宜しいと思いますが、よくもまあこんな強引な方法で外す事が出来たものですなあ。ついでに違法な奴隷商は全てこちらで隷属しておりますから、今後ショー殿のお手を煩わせる事はありませぬ。」
　因みにピートロネラをはじめエルフのねーちゃん達は難民のうち、女性の方へ向かってくれている。
　あの女の子が案内しているはずだ。
　一時はどうなる事かと思ったぜ！

　この後俺とおっさんは、難民が住んでいる場所へ向かったんだぜ！
　因みに奴隷にしてやった奴隷商は勿論徒歩でついてこさせた。
　其の方が楽だしな！

　・・・・
　・・・
　・・
　・


「つとむさん、流石ですわ！これでこそゆうしゃさまなのですわ！」
　本日2度目のハグ。
　正確には最初のってノーカンだよな？
　俺はこの流れだったら、キスもいいんじゃね？とか思ったんだが、あっさり引き離された。
　何でだよ！

　こうしてピートロネラの居た国からやってきた難民達を救った俺達だが、これが氷山の一角とはこの時は思いもしなかったんだぜ！

　俺達は数ヶ月単位で国境沿いからあまり離れていない場所を移動していくんだが、この街をかわ皮切りに、進めば進む程酷くなっていった。
　そして見え隠れする魔王の影。
　どうやら魔王の影響らしい。
　それだけではないと思うが。