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外伝  章努の話 

定期的な拠点の変更?

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 俺達は数ヶ月ごとに拠点を変更し、ロンドロッグの難民が多く集う場所をどうにかすべく奮闘した。

 まあぶっちゃけ限度があるからな。
 俺の身体はひとつしかねえ。
 いや、もうないが2つになっていた事があるんだっけか。
 自分の死体を見たのは事実だ。
 幽体離脱じゃあるまいし、自分の死体を見るってある意味貴重な体験だが、二度としたくはねえ!

「ショー様、ここはもう任せても大丈夫なようです。ここから徒歩で数日の所にも難民だけで身を寄せ合っている集落があるようですのでそちらへ向かいましょう。但し規模は大きいようで、1000人程のようです。」

 ピートロネラがそういう時、既にお付きの女性騎士?が状況を把握、持ち込んでいる物資を全て投げ打った後だ。

 因みに物資の殆どは俺が所持している。

 バイエンス氏も持っているな。

 何だっけ?空間拡張しているストレージみたいのがあってだな、俺の装備にはそれが備わっているが、そもそも高価すぎて普通の人は所持していないとか。
 で、元奴隷商のバイエンスのおっさんは何故か持っている。
 だがそんなに入らないらしい。
 エルフのねーちゃん達は自分の物を仕舞うぐらいだが、能力が備わっているらしく、衣類と簡単な日常生活を送る程度の物資は自前で常に持ち歩いているようだ。
 簡易テントもあるようだが、数人が寝泊まりするのは無理だとか。

 で、ピートロネラが持っているのも、そんなに大容量ではないらしい。
 せいぜい数人程度の物資しか納まらねえとか。
 じゃあ俺が行けばいいじゃねえか?ってなりそうだが、俺は関係ないから断った。

 一度それをすると色々問題があるからだ。

 力がある人はない人を助けるべきだ!と女騎士にすごい剣幕で怒鳴られた事があるが、それは違うと俺は思っている。

 確かに助ける事は出来るだろう。
 だがそのような状況の人々は今現在この地には数え切れないほど居るんだ。

 あっちを助けてくれたのにどうしてこっちは助けてくれないんだ!となる事が目に見えているから敢えて助けない。
 助けた事が逆に俺の立場を悪くするという、なんとも言えない出来事が起こる未来が俺には見える。

 それにもう一つ、これはどうしようもない事だが俺は半ば騙されてこっちに来た。
 来ちまったもんは仕方がねえが、俺は勇者として力を発揮すべきはずなのに、遊者とか言う表示のせいで遊び人認定され、追放された身だ。
 それを後から助けてくれってのは虫が良すぎる。

 それは皇族のせいだ!っていう連中もいるかもしれねえ。
 だがその皇族をあんた達はずっと支えて、そして認めてきたはずだ。
 その皇族がしでかしたんだ。
 ・・・・まあそうは言っても目の前に助けを求めている連中がいればつい助けてしまうんだがな。

 結果的に助かる連中と助からねえ連中がいる訳だが、そこはある意味自己責任という事にした。

 助けを求める?俺はここにいた。
 そこにやってこなければそもそも助けを求めている存在に気が付かねえ。
 それに俺達がここにいるという情報を知り、やってきた連中もいる。

 俺は何か理由が欲しかったんだろう。
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