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外伝  章努の話 

あれから1ヶ月が経過した

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 ピートロネラ達と合流してから1ヶ月程が経過した。
 この頃になると、バイエンスのおっさんがいい場所を見つけてくれ、俺達は小さいながらも食べ物に不自由しない町で生活を送っていた。

 農業中心で1000人程度の人が住んでいると思われる小さな町。
 俺はそう思ったが、この地域では1000人規模の集落ってそれなりに大きいらしい。

 何故か?
 1000人未満の集落は村という区分があるそうで、俺達が今いる地域は町の区分となっている事から、1000人以上住んでいる、という事らしい。

 そして1万人以上の規模となれば街というらしい。
 街と町、一緒のような違うような、それに使い方が違くね?とか思ったが、翻訳機能のせいなのかどうか、こんなものらしい。
 そして5万人を超えると都市と言われ、10万人を超えると大都市なんだとか。
 市じゃないんだな。

 未だこの世界のあれこれ、俺には理解しにくい。

 それにあれだ、この世界はハーレムが存在するらしい。
 何だよそれ!
 バイエンスのおっさんがそうだ。
 あいつは未だエルフのねーちゃん達の想いを受け入れられねえ駄目親父だ。
 エルフのねーちゃんに知れたら大変だが。

「言っておきますがショー殿、奴隷に手を出すなど言語道断ですから。」

 相変わらずだ。

 そしてエルフのねーちゃん達と言えば、超絶美女なんだが未だ顔の表情がわからん。

 あれだ、地球でも寒い地域に住んでいる人々って、表情が乏しいように見えるんだよな。
 寒さであまり顔を動かす事が無いからそうなったとか、そんなんだったと思うが、彼女達もそんなのらしい。
 聞けば教えてくれる。
「これは笑っている顔。」
「悲しい顔。」
「怒っている顔。」
「寂しい顔。」
 全部同じに見える。
 そして未だお手付きしてくれないと嘆くんだが、何故俺に嘆く?
 それにあれだ、ピートロネラだ。
 あれから毎日俺の隣で添い寝をしているんだ。
 何度言っても、
「伴侶ですからこれぐらいは当然ですわ。ただ申し訳ないのは未だ安住の地を見つけていませんからこれ以上はまだ早い、という事なのです。ですからせめて夢で・・・・ね?」
 ・・・・ね?って何だその意味深なのは。
 そしてもう諦めたが、俺は毎晩やらかす。
 朝になればもうあれがあれして毎日浄化の世話になっている。

 殆ど記憶に残らねえが、たまに何となく記憶に残っている気がする時がある。
 ピートロネラが裸で俺に抱き着いてくるんだ。決まって隣にはベッドがある。
 その後もうあんな事やこんな事を!
 きっと朝の粗相はこの夢のせいだな。
 そして夢だとわかると、意味もなく虚しさを覚えるぜ!
 それにあれだ、ボーイッシュなボクっ娘がたまに現れ、やっぱり裸であれこれを!
 未だ正体がわからんし、見た事がねえんだよなあ。俺の理想が夢に出て来るのか?
 でもあれが俺の理想?
 別に女が自分を僕って言っても気にしねえが。
【今では女性が僕って言ってもおかしくないからね。】
 なあ野良神よ、あんたの名前ってどう呼べばいいんだ?
【そうだったね、基本名前は無いんだが、せめて夢と思っている出来事の中では・・・・ノラとでも呼んでくれないかい?】
 相変わらず訳の分からん事を言ってくるが、まああんた野良神だし、ノラでもおかしくはないな。
 ノラって有名人もいたしな。
【じゃあこれから僕はノラと名乗らせてもらうよ。】
 何か違和感があったが、何が違和感と思ったんだ?
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