勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ

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外伝  章努の話 

魔法で綺麗にできるんだった?

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 俺は股間から流れた後の湿ったズボンと、追い打ちをかける様に血まみれの姿で汚れていた。
 うわ、これどうすんだと改めて思う。

 そして少し考えるとそういえば俺が血で汚れたのを、城にいたおじさんが魔法で綺麗にしてくれたっけな。
 魔法か。あれって俺にも使えるのか?
 試しに身体に手をかざし、

「浄化!」
「綺麗になれ!」
「我清潔なるを望む!」

 等々考えられそうな事を言いながら、イメージしながらやってみたけど駄目だった。
 こんちくしょお!俺は魔法が使えないのかよ!ちょっと期待してしまった分、がっくり度は大きいぞ?

 そして、あのおじさんとの違いを考えた。
 そして気が付いた。おじさんの言葉で魔法を唱えればいいんじゃね?

 そう思うと早速スマホを取り出し、おじさんの動画を確認する。

 ふむふむ・・・・どうなんだ?

『ケゾノリト ヲ レガケ ノ ノモノコ』

 あ?これが呪文か!
 よくある無詠唱は無理なのか?頭の中でイメージして魔法を発動とか。
 まあ俺もこの言葉を言いながら手をかざせばできるのか?
 俺はまねをしてみる。

『ケゾノリト ヲ レガケ ノ ノモノコ』

 するとどうだろう、俺の汚い姿がみるみる綺麗に・・・・なる事はなく、そのままだった。ガックシ。

 何が駄目なんだ?
 もしかしてこの呪文に何か秘密が?

 俺は少ない脳みそをフル回転させて考えた。
 するとこの呪文、何か違和感を覚えたので、別の動画を再生する。

『セタイ クフイカ ヲ ガケ ノ ノモノコ』

 最後のほうが同じだな?
 そして俺は考える。
 考えるが・・・・俺には難しすぎたようだ。

【おや?魔法を使いたいのかい?惜しいけれどそれじゃあ魔法は使えないね?実行しようと頑張っても今唱えた魔法の言葉では、他人にしか魔法は使えないよ?最後の言葉を少し変えるといい。】

【なんだよ知っているなら最初から言えよ!】

【まあ僕には僕なりの都合があるんだよ?いいかい、最後の言葉『ノモノコ』だけどね、『レワ』と変えれば使えるよ?】

 お?マジすか?そりゃあ有り難い!俺は早速そう言い換えて使ってみる。

『ケゾノリト ヲ レガケ ノ レワ』

 するとどうだろう?
 血で汚れていた装備は綺麗になり、粗相の後もすっかり綺麗になった。おお!すげえ!
 何だよこれ!魔法ってすげえじゃねえか!
 俺は感動するあまり興奮してしまって、舞い上がっていると突然目の前が真っ暗になり、倒れた。
 え?何?何が起こった?
【ああいきなりそんなに沢山浄化しちゃあ駄目だよ!魔力切れだね?魔法の訓練をした事もないのにいきなり使えばそうなるさ。まあ後に何処かで訓練をする事だね?】

【なあ、もっと早く言ってくれよ?俺は今いる世界の事を全く知らないからさ、この世界じゃ常識の事柄も、俺からしたらとんでもない事ばかりなんだからさ。】
【ああわかったよ。気が向いたら色々ね。】
 何だよまあいいや。俺も魔法ってのが使える事がわかっただけでも儲けものだな!
 これで俺の無双伝説が始まるぜ!
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