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召喚から15年が経った

第623話 魔力を込めると開くとか

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あれから色々試すも撃沈。

オイヴィも果敢に挑むもやはり沈没。

こうなると魔族である早起が試せば、と思うのだけど、

「飽きちゃったあ・・・・」

あろう事か階段を枕に寝ている!
いや、首痛くならない?

「ちゃんとクッションしてるから大丈夫よお。ささ、早く開けて?」

「それなんだけどさ、人間である僕やオイヴィ・・・・オイヴィって人間なの?エルフだったりしない?」

オイヴィは出会った時から歳をとっていないのではと思う程、姿が変わらない。

なので長寿なのでは、と思ったんだけど、さらにはあの美貌。
「純粋な人と言えるかはわからぬ。はるか昔に私の祖先にエルフがいたと聞く。」

ああやはりそうなんだね。

だけど僅かでもエルフの血が入っているオイヴィでも駄目。

「さあ早起、今度は君がやってみて。」
「えーやだよお。」
「やだって・・・・ここまで来た意味がなくなるかもしれないし、さあ頼むよ。」

「仕方ないわねえ。」

早起はしぶしぶ起き上がり、順平が示す壁に手を触れる。
待つ事暫し・・・・

「ねえ、どうするのお?」
早起は今までの話を殆ど聞いていなかったようだ。

「魔力を込めて。間違っても魔法を発現させないで、たんに魔力を込めるだけ。」

「難しい事を言うのねえ・・・・あらあ?あいたわねえ。」

早起が少し魔力を手に込めると、呆気なく壁が動いた。

「さあ行くわよお。」

躊躇なく進んでいく早起。

急いで後を追いかけるとそこには・・・・

「あれえ?お嬢?お嬢生きてたのかい?」
どうやら知り合いがいたようです。

「あらあ?ここってもしかしてえ、おじちゃんのおうちい?」

「あれ?お嬢は知らないのかい?」

「知らないよお。興味なかったしい。」
「そうかそうか。ここはなあ、いやそうじゃないな。地上の街並みこそが偽装でなあ。こっちが本命さ。それよりお嬢、お嬢の連れってまさかと思うが・・・・」

「人間よお。でもお父様を殺したやつとは違うわよお。でもお父様と戦って勝ったらしいけれどねえ。」

「ああ、こいつですかい、魔王様がえらく執心してた身体って。」

おいコラちょっと待て!
本気で切れそうになった!
今のだと魔王は僕の身体をいたく気に入り・・・・
想像したくない。
いやそれより僕のこの身体を執心?

「魔王様は次の身体を探していたのはお嬢も知っているはず。そんな中いくつか候補があってねえ。そのうちのひとりって奴だな。なああんた、魔王様はあんたに色々置き土産してったろ?」

「いくつか罠を仕掛けられ、見事に引っかかったよ。」
「だが残念だった。結局魔王様は消えたからな。」

所で貴方は何者なんですか?
そう聞きたいと思ったけれど、暫く様子を見よう。
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