勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

異世界にやってきてから１０年

第５０２話 ロンドロッグでの勇者召喚

10年前、順平達が召喚される少し前に魔王の脅威にさらされていたロンドロッグは、ピートロネラ皇女が勇者召喚を行う事で、魔王の脅威に対抗しようとしていた。

既に周囲の国々は魔王によって滅ぼされており、次はロンドロッグだろうとされていた折である。

ロンドロッグ
より大国である隣国ですら、魔王の脅威になすすべもなく滅ぼされた。
いくら魔王の天敵とされる神聖騎士500名を要率ているとはいえ、恐らく魔王の流れを断ち切るのは難しい。

なので勇者召喚、なのだがここで思わぬ出来事が。

ピートロネラ
をよく思っていないペトロネラ姫と呼ばれる姉の存在。

よりにもよって勇者召喚が行われている最中に、隠れて干渉をしたのである。
この時に時空がゆがみ、何故かピートロネラとペトロネラそれぞれの所に同一人物が召喚されてしまったのだ。

焦ったペトロネラは用意していたカードを与え、部下に命じ馬車に乗せ、捨てさせたのだ。

そしてこの召喚された人物は魔物の群れの近くに無理やり降ろされ、一人取り残され・・・・魔物に襲われ奮戦むなしく死亡。


そして肝心の勇者召喚を行ったピートロネラの方だが、召喚時の場所が悪かったのか、どうも入浴中だったようで、召喚時に入っていた風呂の湯を全身にかぶってしまい、その後体調不良に。

しかもこの時用意していたカードがなく、急ぎ作ったのだが、異世界の言葉とこちらの言葉の違いがあり、翻訳？変換に齟齬があり、カードの表記がおかしくなり、職業が【勇者】ではなく、【游者】となっていたのだ。

ロンドロッグでは遊び人は禁忌とされており、忌み嫌われる存在。
なので今回の召喚はまさかの失敗とみなされ、気を失ったピートロネラの知らぬまま勇者召喚に応じてこの地にやってきた少年・章努はそのまま捕縛され、簀巻きにされ馬車に乗せられ街道を移動中、振動で馬車から落下してしまう。

そして落下した先が偶然なのか必然なのか、先に馬車に乗せられていたもう一人の召喚者。

章はそこで朽ち果てた死体を発見するが、それが自分？であるとわかる。

その後何とか隣の町にたどり着き、そこで出会った奴隷商人の協力の下、国外脱出を図る。

その数日後、目を覚まし体長が元に戻ったピートロネラは、章の後を追い国外へ向かう。

そしてピートロネラ
がロンドロッグを出た直後、魔王がロンドロッグを襲い、たまたま任務でこの場を離れていた神聖騎士の中でも一番の実力者兄妹を除き500名がほぼ全滅。
生き残ったのは僅か5名ほど。

その後も魔王の追手により数名が死亡した。
生き残った神聖騎士の一人がオイヴィ。
彼女は他の神聖騎士の下敷きになって助かった・・・・


この報を聞き慌てたのはグビッシュ王国。
ロンドロッグが勇者召喚を行う事は聞いていたのである意味安心していた。
過去の召喚ではすべて成功していたからである。

しかし今回なんと失敗・・・・その後魔王の襲撃により皇族は全て死に絶え、ロンドロッグは滅んだ。

次のターゲットは恐らくグビッシュ王国。
急ぎ勇者召喚を行う運びとなったが、ロンドロッグの勇者召喚は皇族による特別な能力。

そのような能力を持ち合わせていないグビッシュ王国は、王族の血を結集し、その犠牲の元召喚を行う必要があった。

こうして召喚が行われ、順平達はこの地に召喚の巻沿いで転移させられたのだ。