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召喚から5年が経過

第389話 オイヴィとの会話

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僕は悩みました。

このロンパースが意味する所、つまりは僕達とは別にこの地にやってきた転移者、もしくは召喚者がいるという事。
そしてオイヴィが調べたいと思っている。
つまりオイヴィは、このロンパースを持ち込んだ人物が、神聖帝国ロンドロッグのピートロネラ皇女が召喚した勇者だと考えているのだろう。

そしてこの人物が、現在行方不明の皇女の居場所を知っているかもしれないと。

「順平殿、今更虫の良い話だと思うだろうが、調査をさせてはくれぬか。」

オイヴィは自分の国が滅んだ後、僕のうわさを聞きこの地にやってきたと、確かそう言っていたと思うけれど彼女はいつも多くを語らない。

もしかして、いやもしかしなくても僕が皇女が召喚した人物と同じような召喚でこの地にやってきたので、何かかかわりがあるかも、と思って確認するという考えもあったのだろうと。

「オイヴィ、幾つかいいかい?」
僕は確認したい事があったので、オイヴィに確認します。

「うむ。今更順平殿に隠し事はせぬ。何でも聞いてくれ。」

僕はオイヴィの目をじっと見つめます。

オイヴィも僕の目を見ています。

オイヴィには何の迷いもないように感じます。
それにどう説明すればいいのか難しいですが、オイヴィからは誠実、信頼、愛情といったオイヴィの心情とでもいうのか、そのような感情が伝わってきます。

そしてオイヴィは、この地にやってきて僕と出会い、そして僕の妻となってからは常に僕の近くで僕を見守ってくれていた。

「皇女を見つけたら、オイヴィはどうするつもりだい?」

もしかしたら国を再興させたいとか、皇女と行動を共にするとか、僕から離れる選択をするかもしれないと思い、思わず聞いてしまった。

「会ってみぬ事にはわからぬ。現在皇女様がどのような環境で過ごされておられるのか、それ以前に生死も分からぬしな。だが言える事は、皇女様を無事発見したとしてそして皇女様が国を再興したいとのお考えであろうと、我は順平殿からは離れぬ。」

オイヴィがそう言うなら、きっとそうするだろう。

ああ、それにこの勇者として召喚された人物、僕は名前や年来等々、全く知らないんだよね。
この辺りはどうなのかな。

「召喚された人物ってどういう人か知ってる?」
これに関してオイヴィの返事は素早かった。

「いや全く知らぬ。勇者召喚が行われていた時我々神聖騎士は基本城から少し離れた場所にいたうえに、召喚が行われた後すぐに勇者は行方不明になったのだ。詳しい事を聞こうにも、召喚を行った皇女様には召喚後は一度も会っておらぬのだ。そもそも皇女様と我は親しかったわけではない故、皇女様が我の事を知っておるとは思えん。そして勇者に関しては召喚直後、何か間違いがあったのか城から追放されてしまったのだ。それと前後し皇女様は意識を失い、数日寝たきりだったのだ。その後勇者召喚でやってきた人物を、兵士が追っていったようだが、結局この人物は国外へ脱出をした、と聞いてはいるが、そこまでしか知らぬ。それに皇女様だが、意識が戻られたすぐに、わずかな供を従え、この召喚者を追って国を出た、とまでしか聞いてはおらぬ。何せ皇女様が国外へ向かった直後に魔王の襲撃があったのでな。」

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