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召喚から5年が経過

第380話 ピートロネラ・フェリシア・ファン・ディーレン

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ピートロネラは数日意識が戻らず、意識が戻った時には既に自身が召喚した人物は死んだと伝えられ、ショックを受ける。
しかし皇女は違和感を感じる。
何故なら自身が召喚した人物とは何らかの絆があり、その絆が今も感じているから違和感を感じる。
死んでも絆を感じるのはおかしい。
きっと生きている。

皇女は信頼できる数人の供のみを従え王都を出、召喚者が死んだとされる場所へ向かう。

だがそこには何もなく、道の先にある町に死体と共に乗り物の残骸があると聞き、急ぎその町に向かう。

だがそこで確認できたのは、国が所有する乗り物の残骸と、兵士の装備一式のみ。

ギルドマスターに話を聞くと、死体は既に教会へ送られた、と。

確認の為教会へ向かうが、残念ながら死体は既に火葬された後。

兵士と御者の死体はその特徴から間違いないと判断。
そして残る召喚者だが、これは死体の損傷が激しくカードを確認し、召喚者本人のカードと確認。
ここで死亡が確認された。

「皇女様、まさかこのような事になろうとは。」

ビートロネラを護衛している女性騎士がそう言葉をかけるが、ピートロネラは納得がいかない。

「いえ、これは何かの間違いですわ。未だゆうしゃ様との絆を感じます。私はその絆を追います。」

こうして皇女は僅かな供だけを従え、召喚者を探す旅に出る。

こうして探しに出るが、召喚者は既に国外に出た模様。

皇女は供の制止を振り切り、国外へと向かっていく。

そしてその数日後、魔王による神聖帝国への侵攻が開始される事になる。一気に急襲をかけ、神聖騎士を壊滅させることに成功、その勢いのまま一気に帝都を陥落させ、帝都にいた皇族全員を殺害する事に成功する。

魔王は知らなかったが、唯一ピートロネラのみが国外にいたため襲撃を免れるという、想定外の出来事が起こっていた。


たった一人の姉による嫉妬のせいで、一夜にして神聖帝国ロンドロッグは滅んでしまった。

そしてこの報はグビッシュ王国へともたらされ、緊急会議が行われ、急ぎ勇者召喚を執り行う運びとなった。

「急げ!恐らく次は我が王国が狙われるだろう。それまでに何としても勇者召喚を成功させねばならぬ!」


アロイジウス国王はそう言い放ち、取り急ぎ勇者召喚を行う事を決意する。

しかし準備の時間が圧倒的に足りず、どう見繕っても間に合わない。

「致し方あるまい。こうなればこのまま行うしかあるまい。」

悲壮な決意。
本来勇者召喚は長い時間をかけ準備を行う。
時間をかけて準備を行う事により、安全に召喚が行われるのだ。
しかし今はそんな悠長な事を言っている時間がなく、悲壮な覚悟を持って召喚を行う事を決意する国王。
【皆、すまん。皆の命をくれ。】
この日、王都にいる王族は全員城へ集まった。
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