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常山公爵
313話 勝負あり
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どかっ!どごっ!
男の力で押さえつけられて身動きがとれていませんので、僕のやりたい放題。
身長差もありますし。オイヴィさんは背が低いのです。
そして一瞬僕と目が合ったオイヴィさん。だけどそこからの次の行動は僕の予測を超えたもの。
口の中を切ったのか、口の中も血だらけのようで、僕の顔に血を吐き出してきました。
僕のヘルメットのフェイスガードが、真っ赤になります。
うわ、真っ赤になって見えません。
その一瞬僕の気がそれたので、オイヴィさんは僕の拘束から何とか逃れます。
ですが僕の頭突きで顔中血だらけで、フラフラなオイヴィさん。
僕は盾をオイヴィさんに投げつけます。
これも予想外の行動だったのでしょう。
剣で弾こうとしてますが、盾はそこそこ重いんです。
しかも硬い。
オイヴィさんは盾に剣を当てたまではよかったですが、盾の勢いを殺せず、剣を手放してしまいました。
「しまった!」
その間に僕はスキルで気配を消し、さらには隠密でオイヴィさんの背後に回ります。
「む!どこへ行った!気配がない!」
察したようですがもう遅いです。
僕は再びオイヴィさんの足首を持ち、そのまま転倒させます。
頭をかばおうと手で何とか防いだようですが、見事にすっ転んだので、僕はそのままオイヴィさんの背に乗り、両手をつかみ、手を背に交差させ、拘束させます。
足をバタバタさせてますが、僕に届きません。
「オイヴィさん、僕の勝ちですよね?」
「まだ勝負はついていない!」
どうするか・・・・エリクサーがあれば、多少の怪我はあっという間に治ります。
僕は右手でオイヴィさんの両手を拘束し、左手でショートソードを取り出します。
仕方ありません。
僕は背後からオイヴィさんの右肩に剣を突き刺します。
「ぎゃあ!」
もう一本を取り出し、左肩にも。
床に縫い付けるように刺したので、腕はもう使えないでしょう。
多分腕を動かす事ができなくなったはず。
上体を起こす事もできないでしょう。
もうオイヴィさんは自力では剣を抜くことができないはずですから。
「ぐ・・・・動けぬ!」
どうやら僕の突き刺した剣で身動きが取れなくなったという事実に、途中から動くのをやめたようです。そりゃあ痛みもすごいでしょうから。
僕は再びオイヴィさんに声を掛けます。
「僕の勝ち・・・・ですよね?」
「ああ・・・・我の負けだ・・・・殺せ。もはや舌をかみ切ることすらできぬ。」
いやいや、死なれては困ります。
そして僕はやっと余裕ができたのですが・・・・いつの間にか大勢の人の気配がします。
ええとその、ザーラ以外の妻がそろい踏みでした。ザーラは赤ちゃんがいるから来なかったんですね。
しかしなぜここに集まっているの?
「ええとオイヴィさん、今から回復を。そして話をしましょう?」
「今更話す事などない!」
「いえ、僕にはあります。僕はこの世界に来てから数か月経ったようですが、その間に数か月意識がない状態だった事もあり、さほど時間が経ってないのですよ?オイヴィさんの祖国の事は並行世界で知りえる機会がなかったので、オイヴィさんの常識は僕、全く知らないんですよ。それにオイヴィさんの祖国自体も全然どういった国か知らないですから。」
この間に僕は剣を抜きます。
もう負けを認めたのか、オイヴィさんは動きません。
「僕はオイヴィさんの事、そしてオイヴィさんの祖国の事を知りたいです・・・・」
「知ってどうする?」
「わかりません。僕がオイヴィさんに求婚した、それはオイヴィさんにとっては事実なのでしょう。僕はこの世界の常識をまだこの国以外は理解できていません。その、できれば教えてもらえませんか?」
「知ってどうする?」
「オイヴィさんが許してくれるなら・・・・再びきちんと求婚をしたいと、そう思っています。」
その瞬間、周りの空気が凍った事に気が付きました。あ、むろん本当に凍ったわけではないですよ?
「常山公爵殿・・・・周りの空気が変わってしまっているようですが?」
「17人目ですか・・・・」
誰かのつぶやきが聞こえた気がしますが、聞こえなかった事にしましょう。
男の力で押さえつけられて身動きがとれていませんので、僕のやりたい放題。
身長差もありますし。オイヴィさんは背が低いのです。
そして一瞬僕と目が合ったオイヴィさん。だけどそこからの次の行動は僕の予測を超えたもの。
口の中を切ったのか、口の中も血だらけのようで、僕の顔に血を吐き出してきました。
僕のヘルメットのフェイスガードが、真っ赤になります。
うわ、真っ赤になって見えません。
その一瞬僕の気がそれたので、オイヴィさんは僕の拘束から何とか逃れます。
ですが僕の頭突きで顔中血だらけで、フラフラなオイヴィさん。
僕は盾をオイヴィさんに投げつけます。
これも予想外の行動だったのでしょう。
剣で弾こうとしてますが、盾はそこそこ重いんです。
しかも硬い。
オイヴィさんは盾に剣を当てたまではよかったですが、盾の勢いを殺せず、剣を手放してしまいました。
「しまった!」
その間に僕はスキルで気配を消し、さらには隠密でオイヴィさんの背後に回ります。
「む!どこへ行った!気配がない!」
察したようですがもう遅いです。
僕は再びオイヴィさんの足首を持ち、そのまま転倒させます。
頭をかばおうと手で何とか防いだようですが、見事にすっ転んだので、僕はそのままオイヴィさんの背に乗り、両手をつかみ、手を背に交差させ、拘束させます。
足をバタバタさせてますが、僕に届きません。
「オイヴィさん、僕の勝ちですよね?」
「まだ勝負はついていない!」
どうするか・・・・エリクサーがあれば、多少の怪我はあっという間に治ります。
僕は右手でオイヴィさんの両手を拘束し、左手でショートソードを取り出します。
仕方ありません。
僕は背後からオイヴィさんの右肩に剣を突き刺します。
「ぎゃあ!」
もう一本を取り出し、左肩にも。
床に縫い付けるように刺したので、腕はもう使えないでしょう。
多分腕を動かす事ができなくなったはず。
上体を起こす事もできないでしょう。
もうオイヴィさんは自力では剣を抜くことができないはずですから。
「ぐ・・・・動けぬ!」
どうやら僕の突き刺した剣で身動きが取れなくなったという事実に、途中から動くのをやめたようです。そりゃあ痛みもすごいでしょうから。
僕は再びオイヴィさんに声を掛けます。
「僕の勝ち・・・・ですよね?」
「ああ・・・・我の負けだ・・・・殺せ。もはや舌をかみ切ることすらできぬ。」
いやいや、死なれては困ります。
そして僕はやっと余裕ができたのですが・・・・いつの間にか大勢の人の気配がします。
ええとその、ザーラ以外の妻がそろい踏みでした。ザーラは赤ちゃんがいるから来なかったんですね。
しかしなぜここに集まっているの?
「ええとオイヴィさん、今から回復を。そして話をしましょう?」
「今更話す事などない!」
「いえ、僕にはあります。僕はこの世界に来てから数か月経ったようですが、その間に数か月意識がない状態だった事もあり、さほど時間が経ってないのですよ?オイヴィさんの祖国の事は並行世界で知りえる機会がなかったので、オイヴィさんの常識は僕、全く知らないんですよ。それにオイヴィさんの祖国自体も全然どういった国か知らないですから。」
この間に僕は剣を抜きます。
もう負けを認めたのか、オイヴィさんは動きません。
「僕はオイヴィさんの事、そしてオイヴィさんの祖国の事を知りたいです・・・・」
「知ってどうする?」
「わかりません。僕がオイヴィさんに求婚した、それはオイヴィさんにとっては事実なのでしょう。僕はこの世界の常識をまだこの国以外は理解できていません。その、できれば教えてもらえませんか?」
「知ってどうする?」
「オイヴィさんが許してくれるなら・・・・再びきちんと求婚をしたいと、そう思っています。」
その瞬間、周りの空気が凍った事に気が付きました。あ、むろん本当に凍ったわけではないですよ?
「常山公爵殿・・・・周りの空気が変わってしまっているようですが?」
「17人目ですか・・・・」
誰かのつぶやきが聞こえた気がしますが、聞こえなかった事にしましょう。
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