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再び王都

180話 泉は・・・・

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しばし泉と見つめ合った後。
二人はこの時、何かを感じた。
それが何だったかはもう少し先の話。


そして現実的には

「順平さん、歩けますか?」

僕は泉の肩を借り、立ち上がったはいいのですが、最初の一歩が踏み出せないのです。
重い一歩。ものすごく重い一歩。
今から歩む、この一歩が、二人の運命を決めてしまうような、そんな一歩。

「ごめん。」

「その、一緒に歩きましょう?」

そう言ってくれる泉は、流石年上の女性なのか、さりげなく支えてくれる。
僕は泉の力を借り、その一歩を踏み出します。

その直後、また先程の痛みがぶり返します。

だが、今は僕の消耗が激しいのか、それ以上は何も起こりません。

僕は泉と共に、一歩一歩ゆっくりと歩みます。
今は泉の事しか考えられない。

そしていつの間にか王都の門をくぐっていました。

「城までは無理そうですね。どこかで宿を借りましょう。」

少し進むと、落ち着いた雰囲気の建物が見えてきました。
「ここはきっと宿ですわ。私少し話を聞いてきますね。」

「いや、一緒に行こう、泉。」

「あ、はい。」
そして、二人で中へ入ります。

「いらっしゃいませ。」

20代後半ぐらいの女性が現れます。
その建物は、泉の見立て通りの旅館でいいのかな?だった。
運がいいのか、この宿には風呂があるようで、部屋に風呂がある部屋もあり、今は借りられるそうです。


「泉、どうする?」

「あ、その、順平さんこそどうしましょう?」
少し休みたいからここで休もうかな?

「じゃあ宿を借りようか。」

「はい!」

「すまないが、風呂のある部屋を借りたい。」

「よろしいのですか?中々にお高いのですが、その、差し出がましいですが、お代は大丈夫でしょうか?」

宿の女性がそう聞いてきて、泉も少し心配な様子。

「ちなみに一泊いくら?」

「はい、おひとり様朝夕の食事代込みで金貨1枚(10万円)、お二人様ですと金貨2枚(20万円)になりますが、初めてのご利用という事で、今回はお二人様で金貨1枚(10万円)でお泊り可能です。(あら?なにか?あれ?)」

「わかりました。先払いですか?」

泉が袖を引いてくる。
「順平さん、ごめんなさい。流石にここまで高いとは。無理はしないで下さいな。」
「持ち合わせは十分あるよ。」

僕は金貨1枚を出し、受付の女性は受け取ります。

そして部屋に案内してもらいます。

流石値段が高いだけあって、中々の広さです。

それに、ここの風呂は、檜?そんな感じのいい香りがして、落ち着きます。

「わあ、凄いですね!以前家族で泊まった高級旅館より凄いかもです!」

泉の表情がやっとよくなった。

「うん、なんかいい雰囲気だね。だけど、よくこのような宿が門から近い場所に建ってたね。もっと違う場所を想像してたんだけどね。」

「まあいいじゃありませんか。どうしますか?先にお風呂に入りますか?」

「そうだね、さっきまでかなり移動したし、旅の汚れを落としておきたいし。じゃあ先に風呂にしよう。」

まずはよくわからない力の喪失感を復活させないと。
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