４５歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

領地（予定）へ行ってみる

　俺は皆が待つ王都の自宅へと戻り、先程の話をする事にした。
　王都に住むんじゃなかった？ああも頻繁に王様が来るとは・・・・

　因みに今ティンドールの店は、御国台からの召喚者に任せている。
　現地の人間にも、工場で沢山働いてもらっているが、中心は召喚者。
　ちゃんとした常識を持ち合わせている数少ない女性に任せた。
　俺は殆ど面識はないのだが・・・・真面目そうで、大人しそうな生徒だった覚えがある。

　任せるにあたり、一度話をしようとしたのだが・・・・何故か世津達が何時も傍に居て・・・・まあやましい事があるのではないから気にはしないけれど・・・・

　流石に王都の店に比べれば売り上げは微々たるものだが、別に儲けようと思って店を出した訳じゃない。
　儲けるだけなら、貴族に装飾品を売ればそれで済む話だからな。

　ティンドールで店を構え召喚者に店を任すのは、ひとえに彼、彼女らの為だ。
　身寄りのない不慣れな土地で、まだ高校生の彼等に出来る事は少ない。
　折角俺が幸運に恵まれ経済的に優位になっているんだ、少しは助けてあげないと。

　だが・・・：おや？前にも呟いた気がするが・・・・一方的に施しをしてしまっても、結局彼等のためにはならない。
　やはり自ら汗水かいて働いた事で得た報酬、これが無いと後々困る。

　・・・・とまあ、今はいい。
　御国台の連中に任せたので、俺達は今王都に居る。

　そして国の偉いさん？よく分からないが、一度俺に領地を案内してくれる事となったので早速出発する運びとなった。
　だが・・・・何故この・・・・同行者はフル装備なんだ？
　何処へ案内しようとしているのか？

　徒歩で行くとか馬車で行くとか、そんなナンセンスな事はせず、白河さんから貰った船で行く事に。
　驚く案内の人。

　ああ、王様にあげた船って結局プライベートの物だから知らないのか・・・・

　領地という事で今回はノエラとヒルダにも同行してもらった。
　佐和とイベッテは、子供同伴で乗り込んだ。
　まあ、子供はまだ歩けないから、大丈夫だろう・・・・

　・・・・
　・・・
　・・
　・

　上空から進んで行く。
　王都とティンドールも内陸の土地で、海岸線より１００キロ程中にあるらしい。

　何で海に面した場所に王都が無いのか？そう思ったのだが・・・・
　これは暫く後に分かる事になる・・・・

　上空から見る王国。
　そう言えばまともに見ていなかったよな？雲海とか言いながら、はるか上空へは行ったけれど。

「しもんさま、凄いです。感動しました。」

　ノエラが言う。
　あれ？乗った事なかったっけ？

「もう好きにしてください、しもんさん！」

　何故か抱きついてくるヒルダ。
　三津枝に引き離されている・・・・

　そして・・・・お、海が見えてきた！
　俺はここまで船で上空を飛んできた訳だが・・・・肝心な事を見落としていた。