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外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

シビル無双

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 シビルは駆けながら、背にくくられている筒の中矢をにある矢を、手慣れた様子で取り、弓につがえる。
 そして・・・・
「トカゲは嫌!」

 とか・・・・あれワイバーン・・・・トカゲじゃない・・・・
 ヒュン!
 と飛んでいく矢。
 ああ・・・・無理だろう?
 どれだけ距離があると思っているんだ?

「なあ・・・・いくらなんでも、距離がありすぎるだろう?それに・・・・もっと様子を見てだなあ・・・・」

 俺は走るシビルの横から声をかける。
「これぐらいの距離、大した事ない。そんな暢気な事を言っている暇はない。」

 何か別人?以前俺に突っかかってきた時の感じがする。
 で・・・・あ、ワイバーンが落ちてきた。
 あの距離で一撃かよ。
 100メートルは離れていたぞ?
 あの距離で狙われたら、ひとたまりもないなあ。
 だって・・・・豆粒にしか見えないぞ、100メートル向こうなんて。
 続いて二射、三射と弓を放つシビル。
 うわ・・・・全部命中かよ。
 しかも当たるだけじゃあなく、きっちり頭に食い込んでいる。
 威力も相当だ。
 こんな細い、小さな体の何処にそんな力があるんだ?
 これは負けてられないな・・・・よし、俺もやってみようか、レー〇ービーム!
 適当な石を拾い、狙いを定め、投擲。
 ドゴッ!
 身体のど真ん中に当たり・・・・ワイバーンが吹き飛んでいく。
 お!イケてるじゃん俺!
 そう思ってるうちに、5匹のワイバーンが落下していく。
 どんだけ凄いんだ、シビル。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

 俺が3匹仕留める間に、シビルさんは7匹仕留めた。
 そして、俺達がワイバーンが居た所に辿り着くと、ボロボロの・・・・もう何か分からん・・・・たぶん馬車だった破片が散乱し、商人?と冒険者?が数人怪我をしているものの、生きていた。
 更に・・・・もう1人明らかに、こちらへ敵意をむき出しにしている人間?が1人。
 黒いローブで身を包んでいるから、顔は分からないけど。

「あああ・・・・俺様の可愛いワイバーンちゃんが・・・・何してくれるんだ!」

 何だよワイバーンちゃんって。

「どなたか知りませんが、助けて下さい!いきなりこいつが現れ、ワイバーンを召喚し始め、襲ってきたんだ!」

 商人のおっさん?興奮しすぎ・・・・
 うん?どういう事だ?
 この・・・・黒ローブが、ワイバーンを召喚して商人を襲った?
 いや・・・・もう馬車?原型留めていないじゃないか・・・・
 襲って荷物を奪う気だった?というか、荷物何処?

「く!とんだ邪魔が入ったが・・・・俺様が召喚できるのが、あれだけだと思ったら大間違いだ!」

 ・・・・いや、どうとも思っていないぞ。
 あ・・・何かしようとしてる・・・・?
 俺は黒ローブに砂を投げつける。

「うぎょ!」

 変な声と共に蹲る黒ローブ。
 うわ・・・・自分で投げておいて言うのもなんだけど、痛そう・・・・

「やってくれましたね、下種が!とびっきりのを召喚してやる!後悔しても知らん!」

 そう言う黒ローブ。
 そして・・・・珍しくナビちゃんが割り込んでくる。

 ”マスター!チャンスです!”
 へ?何がチャンスなの?
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