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外伝 リュークとエリザヴェータ

対策は取らせてもらった

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 いくら待ってもレーツェルさんの魔術は展開されません・・・・どうして?
 レーツェルさんも、
「あ、あれ?どうして!」
 魔術が発動せず焦っています。
「ははは!あんたが魔術ぶっ放すのは分かっていたからな!対策は取らせてもらったぜ!」
 勇者さまは笑いながらレーツェルさんに言い放っています。
 そしてイディオさんは、
「おお!流石は賢者モードの勇者だ!3発かませばすっかり賢者だな!」
 ・・・・何が3発なんですか?賢者モードって何ですか?それに勇者さまは賢者じゃないですよね?
「た・・・・対策って何よ!」
 レーツェルさんは困惑しながら勇者さまに聞くけれど、
「ほれ其処の足元にあるだろう?」
 勇者さまはレーツェルさんの足元を指さしてます。
 レーツェルさんが思わず下を見ると、
「取り敢えず寝とけ!」
 そう勇者さまが言うが早いか一気にレーツェルさんの懐に潜り込み、お腹へ拳を叩き込んでしまいました。
「ギャッ!」
 ああ!レーツェルさんが吹っ飛んでしまいました。なんて事を!
「おいリューク、鎧は回収したんだろうな!」
 服を着つつ勇者さまが僕に聞いてきます。
「あ、はい・・・・それより・・・・レーツェルさん・・・・仲間になんて事をするんですか!」
「・・・・そんな事はどうでもいい、早く出せ!」
 今まで聞いた事が無い剣幕で、勇者さまは僕に鎧を出すよう言ってきます。
 レーツェルさんや聖女さま達も心配ですが、僕は勇者さまの荷物運びが任務。
 仕方が無いので地面へ回収した鎧の残骸2体分を並べて出していく事に。

 全部出し終わると勇者さまが、

「これで全部か?」
「は、はい、落ちていたのはこれで全部です・・・・」
 僕が返事をすると勇者さまは僕の肩をたたきながら、
「うーん、ご苦労さん。」
 そうにこやかに言ったと思ったら、僕は後方へ吹き飛んでいきました。
 え?なんで?背中に衝撃を受けつつ、倒れているのに気が付くとお腹にも激痛が。
「は!とっとと出せよ、どんくさい奴。」
 偶然か必然か,僕はレーツェルさんの隣に吹き飛んだみたいです。
 体中が痛い・・・・レーツェルさんは・・・・気を失っているみたいで動いてない・・・・あ、胸が上下しているから呼吸はしてるみたい。
 ちゃんと生きている。
 勇者さまは回収した鎧のヘルメット?頭の部分を両手で持って僕達に近づいてきます。
 するとイディオさんが、
「お?勇者、何をするんだ?」
 何か嬉しそうに勇者に話しかけています。
「ここに雑魚が2匹いる。そして鎧が2つある。やる事はひとつだろう?」
 そう言って勇者さまはイディオさんに片方の頭を放り投げて、イディオさんはそれを受け止めます。
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