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外伝 リュークとエリザヴェータ

勇者とイディオが悪ふざけ

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  宝箱騒動があってから2日程経過しました。
 ダンジョンの中なので多分、なのですが。

 相変わらず勇者さまとイディオさんの行動は心配になります。
「は!本当は場和まそうとだなあ・・・・」
「何だよイディオ、あれマジモンじゃねえのかよ?」

 何だかイディオさんの声が裏返っていたように聞こえました。
 但しイディオさんに言わせれば場を和ます故の行動だったのだとか。
 本当かなあ?
 そんなイディオさんを勇者さまが揶揄っているようですが、ここはダンジョン中層、しかももうすぐ下層と言われる場所付近です。
 何か違うんだよなあ。
 何だか最近特に行動に整合性がないというか、日増しに意味不明、つまり僕の理解を超えてしまう行動が目立つようになってきました。
  それとも僕が理解できないだけであって、本当はあれが普通なのでしょうか。

「いやリューク、君の感覚は正しい様だ。最近ヒルベ・・・・勇者とイディオは常軌を逸しているようだ。」
 レーツェルさんが僕にそう伝えてくれました。
 やっぱり僕の感覚はまともだったんだ。

 しかし世間に疎い?とレーツェルさんは最近密かに愚痴っているのですが、聖女さまはずっと聖女としての立場があったのか、感覚がずれているそうです。
 なので勇者さまとイディオさんの奇行に対し・・・・奇行でいいよね・・・・やはり少しズレているというか。
「ねえビーチェ、あれはワザとなんですってね。まだまだ余裕なのですね。私達ももっと精進しないといけませんね。」
「えーそうなのかなあ?でも聖女様の言う通り、私達はまだまだだからもっと力を付けないといけないですね!」
「そうなのよ。でも私にはあのような場を和まそうという考えはとてもではありませんが考え付きませんの。どうすればあのような行動を咄嗟にできるのでしょうね?」

 いや、あれはきっと元々の性格だよ、とリュークは思ったが万が一にも勇者とイディオにそう思っている、と感づかれてしまえば後々面倒だと思って口を閉ざしていたのだった。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「おーなんじゃこりゃ、鎧の魔物か?」
 勇者さまとイディオさんは今、鎧姿の魔物と戦っています。
 鑑定すると、【リビングアーマー】と分かりました。

 倒すと時々装備品をドロップしますが、どうやら呪われているようでうっかり装備をしてしまうと何らかの異常状態になるようなので、ドロップしても回収していないんです。

 勇者さまがふざけて一度イディオさんに装備させてしまい、聖女さまが解呪するという一幕がありました。
 何度も言いますが、ここはダンジョン中層。
 しかも下層に近い場所なんです。
 どうしてこんな行動を何度も繰り返すのでしょう?

 だがリュークは、勇者とイディオが悪ふざけでこうした奇行をしていない・・・・・・・・・・・・・・・・・、という事に気が付かなかった。

 そう、こっそり2人は合図をしあっていたのだ。
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