４５歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

外伝 リュークとエリザヴェータ

陥落した訳です

「今回は、私がそのまま受け付けをします。それではきちんと説明しますね。」

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　アニョーゼさんの説明によると普通、冒険者は主に冒険者ギルドを通して素材の売買を行うけれど、商人ギルドに加入していれば個人で店を開いて売る事も出来るし、行商をして違う街へ売りに行けるそうです。
　値段の交渉もできるとか。
　宿の値段を割り引いてくれる・・・・等々、沢山の利点があるようです。
　ただ、誰もが易々と商人になれる訳ではなく、不正を防ぐ為に登録料が金貨１枚という凄い値段になってるんだとか。
　勿論、冒険者ギルドを通じてそのまま素材を売る事も可能なので、余程の事が無い限り冒険者には必要ないはずなんだ・・・・それに大抵の冒険者は商人には不向きと言われているようだし。
　うーん・・・・悩む・・・・悩むって言うのは加入するお金が今手元にあるからなんだよね・・・・
　悩んでいると、ズズイっとアニョーゼさんが顔を近づけてきて、
「リュークさんなら絶対成功しますよ！私を信じて、加入して下さい！」

　う・・・・美人さんに迫られて『私を信じて！』って言われると・・・・

　阿呆な僕は、あっさりアニョーゼさんの言いなりに、つまり陥落した訳です・・・・

　この後はアニョーゼさんに言われるまま書類へ記載をして、気が付けば登録が終わっていました。
「はい、リュークさんお疲れ様でした。これで登録完了ですね。あ、折角ですから依頼を見てみますか？」

「はい、お願いします。」
　登録が終わって冷静に考えたら、収納するスキルがあれば別に冒険者のまま商人を護衛しつつ、運搬しちゃえばよかったんじゃない？とふとそんな考えが頭をよぎったけれども、アニョーゼさん曰く、
「普通、商人は冒険者に商品を渡しませんよ？あくまで商館に登録しているからこそ商人としてのリュークさんが信用され、荷物を預かる事ができるという訳です。」
　よく分からないけど、商人ギルドという存在はそれほど信用があるという事なのかな？
「厳しいようですけれど、冒険者はたとえ依頼を失敗しようが不正を働こうが、そう言った冒険者向けの依頼というものはそれなりにありますが、商人は信用第一。一度失った信用は中々取り返せないのですよ。なので、商人ギルドに登録しているという事は、それだけで信用があるという事なんです。」

　まあ確かに嘘ばかりついてる奴は誰も信用しないよね。
　商人ギルドの中で、僕によさそうな依頼が無いか見せてもらった中で、一つ良さそうなのがあって内容は、
　【荷物を運搬する手伝い。大型馬車による運搬。可能であれば収納力のある収納カバンで運搬】

　というのがありました。