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精霊、そして神

父と息子

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「遼太郎、父さんの所為で、振られるんだって?それはすまないな。」

「あ・・・・ああ、何だかさ、俺が親父の息子と知ると、途端に距離を取るんだよな。」

・・・・おっさんは危険人物か?と言うかあの事件から一体何年たってると思ってるんだ?というかもうおっさん死んでから10年たってるはず・・・・

「なあ遼太郎、父さん死んだ事になって、もうかれこれ10年以上経つはずなんだが・・・・」
おかしいんだよな・・・・
10年前の事件を覚えてる奴なんてそういないぞ?余程身近な事件じゃないと・・・・

「俺もそう思うんだけどさ、何でみんな知ってるんだろうな?」

・・・・これはネットの何かが関わってる?
うーん・・・・こういう情報に詳しい精霊がいるのなら、調べてほしいな・・・・
おっさんはそんなのは流石にわからんからね・・・・

そう思っていると、何やら頭に働きかける声が・・・・

【そういう事でしたら、私が・・・・】

あれ?誰だっけ・・・・?

ちなみに今はおっさんの中には親しい精霊がいないので、多分和佳か和澄が代わりを付けたのだろう・・・・

【ええと、今おっさんの中にいるのかい?】

【はい!和佳様よりマスターを任されました!】

【そうか、それは・・・・まあいいや、ええととりあえずナビさんと呼ぶよ。これは名前じゃなくって、おっさんの頭の中にいるときに紛らわしいからそう言うのであって・・・・】

【わかってますよ?あ、ご子息様の事ですよね・・・・ネットに接続している端末かパソコンがあれば回線に入り込んで、調べますよ?】

【・・・・部屋にパソコンがあるから、あ、ルーターがあるな。そこから入り込む?】

【ええ・・・・ではお任せを。暫く不在になりますので、代わりの精霊がサポートしますから!】

・・・・よくわからん・・・・

「すまんな遼太郎、今精霊がネットの中に潜って調べてくれてる。」

「え?いつの間に?」

「基本、精霊は姿が見えないからな・・・・あ、そうだ、遼太郎にも精霊をつけようか?」

「え?俺にもいいの?」

「ああ・・・・頭の中に入ってもらって、サポートしてもらうのもよし、顕在化して人の姿で接してもらうのもよし、まあ、何体かつけるつもりだから、一体は頭の中でサポートしてもらうのがいいな。後は数人、遼太郎の身近で仕えてもらう事が出来るぞ?」

「え?まじ?あのさっきの和佳っていう女の精霊みたいなのか?」

おっさん一瞬ためらった・・・・どう説明するか、決めてなかったからね・・・・
だが、せっかくだ・・・・
「いいか遼太郎、これは男の話だ。父と息子の。だからな・・・今からいう事は、決して母さんには言うな。千亜希にもだ。婆さん爺さんにも言うな。誰にも言うな。いいか・・・・?」
「え?そんなに凄い事なの?」

「ああ・・・・言っとくがあの和佳はな・・・・父さんの頭の中の、理想の女らしい・・・・」

「・・・・それは間違っても母さんや姉ちゃんには言えないなあ?」
「そうだろそうだろ?それでだな・・・・」

そして別に声を潜めなくていいのに、つい潜めてしまう。
遼太郎も何故かおっさんのすぐ近くに来て、ひそひそ話に・・・

「いいか、これは超絶内緒だが・・・・顕在化する時に、その人物の理想の姿、もしくは好みの姿になってくれるんだよ、精霊は。」

「え?まじ?でもさ・・・・精霊って女なん?」

「今いるのは皆女だ。どうも精霊ってのは女がめっぽう立場が強いらしくてな、父さんの近くには女の精霊が、男の精霊をブロックしてるな。」

あ・・・・きいてねえな。
既に心ここにあらずになってる・・・・

”まじかよ・・・・じゃああんな超絶美女が俺のそばに?マジっすか?大人もいいけど、同い年の美少女もいいなあ・・・・?”

既にそっち方面にトリップしてるな・・・・
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