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新たな領地

第182話 なんだかんだで利用されています?

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本来であれば他領に住民が向かうには領主の許可が必要らしいのですが、そもそもスラムの住民は住民扱いされておらず、許可以前の問題ですし、それに適切な税金を徴収していればいいのですが、国が定めた条件を逸脱している場合、領主の許可なく移動できます。
但しそれよゆるさない領主は多く、立場の低い貧乏な住民は死ぬまで搾取される。
そんな環境から唯一抜け出せるのが今回新たな開拓で、そこに向かう事。
そんな噂が国中に広がるのに大した時間はかからなかったようです。

「まあその、父・・・・国王陛下もこの機会に国の中に蔓延する悪い連中を一掃する事にしたのよ。何だかロキュスさんを利用する形になって申し訳ないって言っていたわ。」

どうやら今回の開拓、思った以上に大掛かりになっちゃったみたいです。

そして沢山集まるのはスラムの住人だけではありません。

例えば商人の子供です。職人の子供もそうですが、基本長男が家業を受け継ぐのが慣例となっていて、次男以降の人は家業を継ぐ事はほぼありません。

それを分かっていて兄弟に使われる立場で残るのか、僅かな可能性にかけて家を出て独立を目指すのか、全く違う事を行うのか。
所謂次男以降の子供にはこのままでは明るい未来はありません。

スラムの住民からすれば、我慢さえすれば衣食住が保証される立場なので、何て贅沢な悩み何だ!と怒られそうですけれど、彼等には彼らの悩みがあります。

そしてそんな子供の中には非常に優秀な人もいます。
そうした人をレネーさんは積極的に受け入れています。

例えば鍛冶職人。

兄より腕がよくても長男が継ぐ事になります。
自分より明らかに腕が劣る兄の元で果たしてお客さんが満足するような鍛冶が出来るでしょうか?

そして貴族も同様で、やはり次男以降は最終的に家を出る事になります。
当然爵位を引き継げず、名前だけは名乗る事を許されますが、実質庶民と同じ扱いです。

そんな彼等は領地の運営に詳しかったり、剣の腕に覚えがあったりでやはり領地をよくしていくうえでかなり有用なのだとか。

そうそう、新たな街が出来上がった!となった時に、いつの間にか新たな領地として国から認知されていました。

まあレネーさんに任せればいいよね?
「え?ロキュスさん何を言っているのかしら?当然ながら新たな領地はロキュスさんが領主になるのよ?」
「ええ?そんなの聞いていないし、僕には無理だよ!」
「そんな事はないわ。それに領主って普段は何もしなくてもいいのよ?むしろ家臣に任せておけばいいのよ。何でもかんでも領主自ら行おうとするから問題が起こるの。専門の知識がある人に任せればいいのよ。それに、ロ、ロキュスさんが貴族にならないと、私ロキュスさんと結婚できないのよ。」
レネーさんは王族。
陛下が納得しても、平民との結婚は周囲が許してくれないのだとか。
王族って色々面倒なんだね。





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