28 / 200
ノーテルマンスへやってきて半年が経ちました
第28話 スライムと子爵様
しおりを挟む
何とか食べようとしましたが、孤児院で暮らしている時の生活スタイルから未だ抜け出せていないので、あまり沢山は食べませんでした。
「どうした!もっと食べるがいい!」
子爵様はそう言って下さいますが、身体がこんな味の濃い料理を受け付けません。
「そ、その、申し訳ありません。孤児院で生活をしていた時に、このような濃い味の料理を食べた事が無く、身体が受け付けないのです。」
すると子爵夫人と思われる女性が、
「まあ!それは可哀想ね。ではどういった料理であれば食べられるかしら?」
ここで僕は失敗を悟りました。
つまり僕の為に、別の料理を用意させるつもりなんだ、と。これではいけません!
最近は宿の料理にも何とか体が慣れてきましたから、ここは我慢!
「す、すいません!た、食べます!」
世の中食事にありつける事が出来ない人も多くいると言うのに、何と我が儘なのか。
反省しつつ、胃が受け付ける量を何とか食べきりました。
「ロキュス君、君はもっと太らなくてはいけないね。今でもポキッと折れそうではないか!しかも10歳と聞いているが明らかに小さい。」
孤児院出身の子供は皆こうですよ、そう言いたかったのですが、そこは堪えます。
食事の事で呼び出されたのではありませんから。
因みにどうした事か、ベアトリクスさんもマルセルさんも黙々と食事をしています。
それと何処からか視線を感じます。だからと言って何もできませんが。
時間が来たのか、食事が終わりました。
今までこんなに沢山の料理を見た事が無かったのですが、同時に食べられない!という事が無かったので戸惑ってしまいます。
「さあ食事も終わった!早速スライム達を見せてもらおうか!」
まあ、僕が招かれたのはこれが理由ですし。しかしここで出してもいいのでしょうか?
するとここでようやくマルセルさんが、
「ペーテル子爵、ここでスライムを出すのはいかがなものかと。」
「食事をする場所ではまずいか?ではマルセル君だったらどこがいいと言うのかね?」
「ペーテル子爵がどういった理由でロキュス君を招いたのか存じませんので、答えようがありませんが、できれば庭がよろしいかと。」
「では庭へ向かおうか!」
そのまま庭に移動する事になりました。何故かこの場にいた全員が付いてきます。僕はベアトリクスさんに付き従われていきます。
知らない人ばかりなのでちょっと安心です。
「ごめんねロキュスさん、流石の私もこう言った席では無力なのよ。」
「そんな事ないですよ。」
こうして僕達は庭へ向かいました。
《子爵邸・庭》
門とは反対側ですが、ひ、広い・・・・
何と小高い丘になっている場所まで。草木は言うに及ばず、立派な木も生い茂っています。
「さあロキュス君、全てのスライムを出してくれたまえ!」
いきなり全部ですか?
レンタルしているスライムもいますから、カバンの中に入り込んでいるスライムに限定されるのですがいいのかな?
僕はカバンを開け、促します。
色とりどりのスライムが出て行きます。
【初めて来るところだねえ!みんながあっちに行きたいって言っているよ!】
どうやらスラちゃん達は森の方に行きたいようです。ただ、ここから森は離れているので今は無理。
「今は駄目なんだ。せめてあの木の生い茂っている所で我慢できないかな?」
暫くスラちゃんは考えている様子。
【少し変わった感じだけど、いいよー!】
どうやら近場でもよかったようです。
「ほう、色々なスライムがいるのだな。で、どのスライムなんだ?」
子爵様がスライムを見てそんな事を言っていますが、何の事でしょうか?
「すいません子爵様、どのスライムをお探しでしょうか?」
「何を言っているのだ、病気を治すスライムに決まっておろう。」
僕は面食らってしまいました。そんなスライムは僕の所にはいません。
怪我、状態異常、魔力の回復はできますが、病気は・・・・
毒と状態異常の効果を発揮するスライムもいますが、違いますよね。
では透明なスライムでしょうか?万能なんですが。
ただ、どれも違うような気がします。
「すいません、それぞれのスライムですが・・・・」
僕は説明をしました。誰か病気の身内がいるのでしょうか?
「では、スライムでは病を治せぬと?」
「それは分かりません。同じ症状の人をスライムが診ればあるいは、そういった効果のある何かを吐き出すかもしれません。」
「・・・・可能性はあるのだな。ではスライム達を連れてついて来てもらおうか。」
何でしょう。
僕は急いでスライム達をカバンの中に戻します。
「どうした!もっと食べるがいい!」
子爵様はそう言って下さいますが、身体がこんな味の濃い料理を受け付けません。
「そ、その、申し訳ありません。孤児院で生活をしていた時に、このような濃い味の料理を食べた事が無く、身体が受け付けないのです。」
すると子爵夫人と思われる女性が、
「まあ!それは可哀想ね。ではどういった料理であれば食べられるかしら?」
ここで僕は失敗を悟りました。
つまり僕の為に、別の料理を用意させるつもりなんだ、と。これではいけません!
最近は宿の料理にも何とか体が慣れてきましたから、ここは我慢!
「す、すいません!た、食べます!」
世の中食事にありつける事が出来ない人も多くいると言うのに、何と我が儘なのか。
反省しつつ、胃が受け付ける量を何とか食べきりました。
「ロキュス君、君はもっと太らなくてはいけないね。今でもポキッと折れそうではないか!しかも10歳と聞いているが明らかに小さい。」
孤児院出身の子供は皆こうですよ、そう言いたかったのですが、そこは堪えます。
食事の事で呼び出されたのではありませんから。
因みにどうした事か、ベアトリクスさんもマルセルさんも黙々と食事をしています。
それと何処からか視線を感じます。だからと言って何もできませんが。
時間が来たのか、食事が終わりました。
今までこんなに沢山の料理を見た事が無かったのですが、同時に食べられない!という事が無かったので戸惑ってしまいます。
「さあ食事も終わった!早速スライム達を見せてもらおうか!」
まあ、僕が招かれたのはこれが理由ですし。しかしここで出してもいいのでしょうか?
するとここでようやくマルセルさんが、
「ペーテル子爵、ここでスライムを出すのはいかがなものかと。」
「食事をする場所ではまずいか?ではマルセル君だったらどこがいいと言うのかね?」
「ペーテル子爵がどういった理由でロキュス君を招いたのか存じませんので、答えようがありませんが、できれば庭がよろしいかと。」
「では庭へ向かおうか!」
そのまま庭に移動する事になりました。何故かこの場にいた全員が付いてきます。僕はベアトリクスさんに付き従われていきます。
知らない人ばかりなのでちょっと安心です。
「ごめんねロキュスさん、流石の私もこう言った席では無力なのよ。」
「そんな事ないですよ。」
こうして僕達は庭へ向かいました。
《子爵邸・庭》
門とは反対側ですが、ひ、広い・・・・
何と小高い丘になっている場所まで。草木は言うに及ばず、立派な木も生い茂っています。
「さあロキュス君、全てのスライムを出してくれたまえ!」
いきなり全部ですか?
レンタルしているスライムもいますから、カバンの中に入り込んでいるスライムに限定されるのですがいいのかな?
僕はカバンを開け、促します。
色とりどりのスライムが出て行きます。
【初めて来るところだねえ!みんながあっちに行きたいって言っているよ!】
どうやらスラちゃん達は森の方に行きたいようです。ただ、ここから森は離れているので今は無理。
「今は駄目なんだ。せめてあの木の生い茂っている所で我慢できないかな?」
暫くスラちゃんは考えている様子。
【少し変わった感じだけど、いいよー!】
どうやら近場でもよかったようです。
「ほう、色々なスライムがいるのだな。で、どのスライムなんだ?」
子爵様がスライムを見てそんな事を言っていますが、何の事でしょうか?
「すいません子爵様、どのスライムをお探しでしょうか?」
「何を言っているのだ、病気を治すスライムに決まっておろう。」
僕は面食らってしまいました。そんなスライムは僕の所にはいません。
怪我、状態異常、魔力の回復はできますが、病気は・・・・
毒と状態異常の効果を発揮するスライムもいますが、違いますよね。
では透明なスライムでしょうか?万能なんですが。
ただ、どれも違うような気がします。
「すいません、それぞれのスライムですが・・・・」
僕は説明をしました。誰か病気の身内がいるのでしょうか?
「では、スライムでは病を治せぬと?」
「それは分かりません。同じ症状の人をスライムが診ればあるいは、そういった効果のある何かを吐き出すかもしれません。」
「・・・・可能性はあるのだな。ではスライム達を連れてついて来てもらおうか。」
何でしょう。
僕は急いでスライム達をカバンの中に戻します。
2
お気に入りに追加
1,417
あなたにおすすめの小説
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた
こばやん2号
ファンタジー
とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。
気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。
しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。
そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。
※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる