上 下
19 / 120
ベティーナ信仰の聖地”オーリグー”

第18話 サティ三姉妹

しおりを挟む
どうやらこの3人の女性は、姉妹らしい・・・・サティと名札が付いてます。

 そして僕は、自分の常識が通じてないと感じ、混乱します。

 先程まで楽しげに話してくれていたオーク討伐の冒険者達、明らかに機嫌が悪そうにこの受付の女性にきつく当たってます。

「こちとら死人も出てんだ、それも10人だ!さっさとしろ!」

「は・・・・はい、申し訳ございません・・・・ええと、そちらの少年はどうされましたか、見かけないお顔ですが・・・・?」
 その女性と目が合います。

「あ、そうだ忘れてた。この少年がな、オークの殆どを討伐してくれた。彼がいなければ俺達も怪しかったんだ。」
「あの、失礼ながら、冒険者登録を?」
「ええとその事なのですが、村が住めなくなってこちらに避難したのですが、皆とはぐれました。冒険者の事は殆ど知りませんし、僕には冒険者の知識が何もありません。」

「では先に此方の方を冒険者登録いたしましょうか?見た所年齢はまだ15には程遠いようですが、仮登録という形であれば、概ね10歳あたりから登録はできます。」

 僕は隣にいる女性の・・・・そう言えば皆さん名前を聞いてなかった事を今更ながら思いました。
 隣のお姉さんの顔を見ます。
「そうしてもらった方がいいかもね。あ、一寸あんた、時間かかるなら何処か別室案内しなさいよね。どうせあんたの所に並ぼうって酔狂なのいないだろうし。」

 何故この受付の女性には辛らつな扱いなのでしょうか?美人だからひがみですか?

「は、はい!ただいま手配をいたしておりますので、今暫くお待ち下さいませ。あ、お前達用意できたの?ありがと。あ、では奥のお部屋をご案内いたします。」

 そう言ってその女性は立ち上がり、僕達を案内してくれます。
 うわ・・・・歩く姿も何と言ったらいいのか、何でしょう、完璧な所作ですね。

 そんな事を思っていると、部屋の中に案内されます。

 そして何やらこの受付の女性に、先ほどのリーダーさんが何か言ってます。
 それと素材をいくつか出してます。

 そしてある程度時間が経ったのですが、

「明日の昼にまたお越し下さい。本日はもう門が閉まりますので、明日の朝一でギルドから人を出し、確認させていただきます。」

「ち!仕方ねえ。と折り合えず少し金を融通しろ。素材の買取はそれでいい。」
「今妹に金を取りに行かせております。少々お待ち下さい。」

 続いて何かプレートを出してますね。
「こちらにカードをお願いいたします。」

 オーク討伐に関わった冒険者の人達が次々カードをプレートにかざしていきます。
 そしてあれ?カードが消えた?

 どうやらカードは自在に出し入れできるようです。

 全員の一連の行為が終わって、

「では討伐お疲れ様でございました。またお昼に越しくださいますようお願いいたします。」

「ああ頼むぜ、おい皆、今日は飲め!死んだ仲間の分も飲み食いするぜ!せめてもの俺らなりの弔い方だ!!」

 そう言えば死んだ冒険者の仲間って、今回10名程死んだんですよね。

「あ、少年どうする?」
「あ、お構いなく。僕はこの受付のお姉さんに色々確認したい事もありますし、その、冒険者の登録?もありますから、お気になさらず。」
「わかったぜ!じゃあまた昼にここに来いよ!そう言う事だ、お前等行くぜ!」

 騒がしい冒険者達は去っていきました。
「じゃあね少年。まあこの女はあんたに手出しはしないと思うけどね、こいつ知識だけはあるから色々聞いときな!じゃあね!」

 あの女性も去り・・・・今はこの3姉妹?と僕だけです。うう、美女と美少女を前にして、緊張します。
 と言うかまあ、一番年上と思われる彼女も美女と言うより美少女なんですけどね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生先で溺愛されてます!

目玉焼きはソース
恋愛
異世界転生した18歳のエマが転生先で色々なタイプのイケメンたちから溺愛される話。 ・男性のみ美醜逆転した世界 ・一妻多夫制 ・一応R指定にしてます ⚠️一部、差別的表現・暴力的表現が入るかもしれません タグは追加していきます。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました

うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。 そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。 魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。 その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。 魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。 手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。 いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

穏やかな日々の中で。

らむ音
恋愛
異世界転移した先で愛を見つけていく話。

美醜逆転異世界で、非モテなのに前向きな騎士様が素敵です

花野はる
恋愛
先祖返りで醜い容貌に生まれてしまったセドリック・ローランド、18歳は非モテの騎士副団長。 けれども曽祖父が同じ醜さでありながら、愛する人と幸せな一生を送ったと祖父から聞いて育ったセドリックは、顔を隠すことなく前向きに希望を持って生きている。けれどやはりこの世界の女性からは忌み嫌われ、中身を見ようとしてくれる人はいない。 そんな中、セドリックの元に異世界の稀人がやって来た!外見はこんなでも、中身で勝負し、専属護衛になりたいと頑張るセドリックだが……。 醜いイケメン騎士とぽっちゃり喪女のラブストーリーです。 多分短い話になると思われます。 サクサク読めるように、一話ずつを短めにしてみました。

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

処理中です...