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第二章

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はっきりとした口調で、嘘偽りのない言葉でそう告げる俺を、暫くの間様は黙って見つめていたが、やがてその青い瞳をふっと優しく穏やかに細めて視線を和ませた。

「成程、その言葉に嘘偽りはないようですね。良いでしょう。これから貴方をここで修道士見習いとして過ごすものとして認めましょう」
「有り難うございます!」
「いえいえ、ここは迷える子達を救うために作られた場所ですからね。慣れないうちは大変かもしれませんが、これから頑張ってくださいね」
「はい、頑張ります。宜しくお願いします」

そう言って優しげに微笑むセレーヌ様に俺は深々と一礼したのだった。良かった。ここまで来たのに駄目だと言われたらどうしようかと思った。と安堵の息をつく俺を優しげに見つめたまま、セレーヌ様は手持ちになった呼び鈴を鳴らす。すると、先程の修道士が扉の前で待機していたのか、中へと入ってきた。

「今日から私達と共に生活するラルフ君です。よく導いてあげてくださいね。そして、彼のルームメイトとなる者達をここへ。修道院内の案内は彼らに任せます」
「畏まりました。呼んでまいります」

修道士はそう告げると一礼して再び部屋を去っていった。

「ルームメイト、ですか?」
「ええ、うちに修道士になりたいとしてくる迷える子達の数は少なくないので一人一部屋では足りないのです。なので四人一組で部屋を使ってもらっています」
「へえ」
「ご不満ですか?」
「いえ、そんなことはないです」

問いかけに俺は首を横に振って答える。それは嘘ではなかった。家にいた時も学院の寮にいた時も一人部屋だったけれど、実は誰かと一緒の部屋というのは学院時代少し憧れていたんだ。当時の俺はプライドが邪魔をして決して言い出せなかったけれど。なので、正直楽しみの方が大きかったりする。

「そうですか。なら良かった。安心してください。貴方の同じ年頃の子達二人ですから、きっと仲良く出来ると思いますよ」
「そうなんですねって、二人ですか?」
「ええ、部屋割りは入ってきた順になっていますので。また新しい志願者が入ってきたら四人目になるかと」

なるほどそういうことかと、納得したように頷いた丁度その時、扉をノックする音と共に外から先程の修道士の声が聞こえてくる。

「大神官様。二人を連れてきました」
「どうぞ、入ってください」

セレーヌ様の言葉を合図に扉が開かれ、中に修道士とともに入ってきたのは、本当に俺と年齢はそう変わらないように見える、修道士見習いの格好をした二人の青年達だった。一人は柔らかな栗色の瞳と深緑色の瞳を持った、俺より少し背の低い可愛らしい顔立ちの青年で、もう一人は灰色の髪に茶色の瞳のどこか落ち着いた雰囲気を持つ俺達より少し年上に見える青年である。
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