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学校へ行こう

玉座って??

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 本当の表の世界……俺の知っている。いや、いた世界はどこへ行った?
 ダチに恵さんに杉崎に……。

 なんでだ……?

 俺はいつも通りの生活に戻っていた。
 妹の光と学校通いに、平和な日常。

 昔の俺の生活を忘れてしまえば、ここで普通の生活ができるんだ。
 でも、なんでだ……?

 ここは本当の表の世界じゃないんだよ……。

「おにいちゃん。前は友達と楽しかったけど、今は別人になった友達とも楽しいんだよ」

 我が妹は今の学校生活を受け入れている。
 俺だけ違和感が残っているんだ。

 それはそうとして、今日は歴史の試験だった。
 赤点は確実だから怖い先生に怒られるだろう……。

 二時限目の数学の授業中に何気なく教室の隅を見ると、陰キャの杉崎がいる。
 カリカリとノートに黒板に書かれた難解な数式を書き映している。
 
 杉崎って頭良かったっけ?
 歴史の試験前に勉強教えてもらおうっと……。

 俺の席は教室の中央にある。
 と、突然。
 西側にある窓から神々しい光が照射された。

「影洋。すぐにあなたの家に行くのです! そこには影の玉座があります! その玉座を守るのです!」

 やったー! 女神様だ! 心配したぜ!!
 
 だけど、机から立ち上がり俺は叫んだ。

「あああーーー!! 女神様! 有難やーー! でも、今日はこれから歴史の試験なんです! 先生怖いんですよ! 色々と女神様に聞きたいんですけど……こ、怖い!」
「影洋! 先生を恐れてはいけません! さあ、行くのです!」
「……あざす!!」

 俺は妹を残して、書統学校から家にとにかく突っ走った。 

「玉座を守れーーー!! 守れーーーー!! 先生が怖いから試験まで間に合えーーーー!!」

 下り坂を突っ切り、自宅まで30分だが一直線だーーー!!
 転ばないぞ! 転ばないぞ!!

 途中、遠くから……いや、学校から、先生の怒声が聞こえて来たような感じがするけど、気のせいだ。気のせい。

 二階建てで赤い屋根の俺の家が見えてきた。

 そこへ影が二人たむろしている!!

「ウッラーーーー!!」

 俺は心影流の体当たりを二人の影の真ん中へかました。
 主に右肩と左肩と頭突き使う。心影流のこの技は、ただ倒れ込むような体当たりともとれる。
 二つの影にクリーンヒット。
 あの二人の影は多分、見張りだ。俺の家のどこかに必ず玉座がある。
 そこには……。 

「遅かったな……」
「おにいちゃん……」

 俺の影と妹の影がキッチンにいた。
 
「お前に玉座は渡させないんだ……」
「うぎっ!」

 俺の影がスッと構えた。
 心影流だ!
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