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結婚式
37話
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白い空間には、ベットに二人の男が横たわっていた。
目を瞑っている島田と津田沼の周りに私たちがいる。
「谷津くん。愛していたわ」
弥生は車椅子から顔を覆って、島田のベットに顔を埋ずめた。嗚咽が室内に響き渡る。
「島田……」
島田のベットの脇で、俯き加減な私の隣の奈々川さんも静かに泣いていた。
「津田沼。また俺の工場で働いてくれ。……頼む」
田場さんは頭に包帯を巻いている。島田の隣のベットにいる津田沼の顔を覗いて呟いた。赤いモヒカン頭が今では弱弱しかった。
「どーもー!」
藤元が元気よく病室に入って来て、通りすがりの看護婦さんに怒られる。
「藤元……二人を生きかえらしてくれ。頼む」
「おっっけー!!」
早速、藤元は神社でお祓いをする棒を熱心に振り回した。島田と津田沼のベットへと近付きながら、何やらぶつぶつと言いだした。
すると、見る見る島田と津田沼の体から生気が感じられてきた。
ゆっくりと目を開けた島田が起き上がると、
「谷津くん!!」
弥生は感激して車椅子から上半身を投げ出して、島田を抱きしめた。
「弥生……。夜鶴…………何とかなったな」
島田が弥生の頭を撫でながらポツリと言うと、欠伸をした。まるで、死者ではなく熟睡をしていたかのようだ。
「おはよう」
津田沼も起き出した。
「藤元さん! ありがとうございました!!」
感動した奈々川さんが、涙を拭きながらビックリするような大声を発した。
弥生も涙に濡れた顔を藤本に向けて、笑い出した。
「凄いな」
田場さんも感心して、寝ぼけている津田沼の肩を叩いている。
「たくさん死んだねー。いやー、それほどでも。あ! 今度は首相官邸に行かないといけないんだった」
藤元が一息入れたいと言って、一階のコーヒーショップに行った。
「なんかさー。今、いつなんだ?」
島田が弥生に言った。
「昨日から少し経って、今日は三日間後の水曜日の午後よ」
弥生が優しく言った。
「じゃあ、結婚式はいつ?」
島田の発言に津田沼も首を傾げて、私と奈々川さんに顔を向ける。
「うーん。早い方がいいと思うから……怪我が治ったらすぐにしたいんだけど、奈々川さん? いいかな?」
「ええ、勿論いいですよ!」
「やったー!!」
私はふらふらの体を気にせずに大喜び。
島田たちも拍手をしていた。
病室には私たちしかいなかった……。
結婚式場は晴れやかな白い色の建物。ここはB区でも有名な建物のようだ。お城のような外観をして、中は煌びやかな内装。中央の広い階段は、そのまま神父の笑顔へと繋がる。
「これより、新郎。新婦の契りを始める。病める時、楽しい時も、悔いる時も、逝くときも二人とだけの道を歩み……」
私と奈々川さんは、真っ白のスーツとドレスを着ている。
奈々川さんの手には雛菊のブーケ。
島田たちは広い客席に着いている。
島田たちは武器を巧妙に隠している。
けれども、私たちは気にしない。これくらいのことでは……。
「新郎。新婦。誓いのキスを」
私と奈々川さんがキスをした。
目を瞑っている島田と津田沼の周りに私たちがいる。
「谷津くん。愛していたわ」
弥生は車椅子から顔を覆って、島田のベットに顔を埋ずめた。嗚咽が室内に響き渡る。
「島田……」
島田のベットの脇で、俯き加減な私の隣の奈々川さんも静かに泣いていた。
「津田沼。また俺の工場で働いてくれ。……頼む」
田場さんは頭に包帯を巻いている。島田の隣のベットにいる津田沼の顔を覗いて呟いた。赤いモヒカン頭が今では弱弱しかった。
「どーもー!」
藤元が元気よく病室に入って来て、通りすがりの看護婦さんに怒られる。
「藤元……二人を生きかえらしてくれ。頼む」
「おっっけー!!」
早速、藤元は神社でお祓いをする棒を熱心に振り回した。島田と津田沼のベットへと近付きながら、何やらぶつぶつと言いだした。
すると、見る見る島田と津田沼の体から生気が感じられてきた。
ゆっくりと目を開けた島田が起き上がると、
「谷津くん!!」
弥生は感激して車椅子から上半身を投げ出して、島田を抱きしめた。
「弥生……。夜鶴…………何とかなったな」
島田が弥生の頭を撫でながらポツリと言うと、欠伸をした。まるで、死者ではなく熟睡をしていたかのようだ。
「おはよう」
津田沼も起き出した。
「藤元さん! ありがとうございました!!」
感動した奈々川さんが、涙を拭きながらビックリするような大声を発した。
弥生も涙に濡れた顔を藤本に向けて、笑い出した。
「凄いな」
田場さんも感心して、寝ぼけている津田沼の肩を叩いている。
「たくさん死んだねー。いやー、それほどでも。あ! 今度は首相官邸に行かないといけないんだった」
藤元が一息入れたいと言って、一階のコーヒーショップに行った。
「なんかさー。今、いつなんだ?」
島田が弥生に言った。
「昨日から少し経って、今日は三日間後の水曜日の午後よ」
弥生が優しく言った。
「じゃあ、結婚式はいつ?」
島田の発言に津田沼も首を傾げて、私と奈々川さんに顔を向ける。
「うーん。早い方がいいと思うから……怪我が治ったらすぐにしたいんだけど、奈々川さん? いいかな?」
「ええ、勿論いいですよ!」
「やったー!!」
私はふらふらの体を気にせずに大喜び。
島田たちも拍手をしていた。
病室には私たちしかいなかった……。
結婚式場は晴れやかな白い色の建物。ここはB区でも有名な建物のようだ。お城のような外観をして、中は煌びやかな内装。中央の広い階段は、そのまま神父の笑顔へと繋がる。
「これより、新郎。新婦の契りを始める。病める時、楽しい時も、悔いる時も、逝くときも二人とだけの道を歩み……」
私と奈々川さんは、真っ白のスーツとドレスを着ている。
奈々川さんの手には雛菊のブーケ。
島田たちは広い客席に着いている。
島田たちは武器を巧妙に隠している。
けれども、私たちは気にしない。これくらいのことでは……。
「新郎。新婦。誓いのキスを」
私と奈々川さんがキスをした。
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