水の失われた神々

主道 学

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四海竜王

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 ここは教室である。
 麻生は怪我人の手当てを一通り終えてのこと、二年D組のベランダに立つ地姫と田嶋に何かを伝えに行った。
「何に気が付いたんだ?」
 麻生の後ろにいる卓登は頭を突いていた。
「あの、地姫さん。渦潮から龍がでてくるから、渦潮に爆弾を投下してみてください」
 麻生の真面目な声音に、地姫は目を見開いた。
 これまで、自衛隊も虚船丸の武士や巫女も正攻法で戦っていたというのに、麻生はナポレオンのような戦法を告げたのだ。

 余談だが、私の知っている限り。ナポレオンは小ジブラルタルという要塞を手薄な後方から砲撃をしたのだ。その当時は誰も思いつかない戦法だった。

 地姫は額の汗を拭って、感心していた。
 田嶋は感心して微笑んだ。
「邪道……かしらね。その方法は?」
「勿論、ありですよ。手投げ弾をありったけ投げ込んでみます」
 
 数刻後には、渦潮へヘリコプターの群れが手投げ弾を投下し、幾つもの渦潮の原形が崩れさるほどだった。

 その後、龍は再び昇ことがなくなったようだ。
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