水の失われた神々

主道 学

文字の大きさ
上 下
58 / 134
孤島の戦い

58

しおりを挟む
 高取は一通り地姫に教えられた修練を復習するのを終えると、一息吐いてフロアから出てきた。狭い通路には武と湯築がわざわざ待ってくれていたようだ。
「稽古の方はどう?」
 湯築の心配気な声色に、高取は首を横に振った。
「駄目だわ。こんなんじゃ武たちに後れを取るわ」
「高取。鬼姫さんたちに相談して、新しい稽古役を紹介してもらおうよ。その方が断然はずだし」
「私もそう思った。けど、いないのよ」
 高取はその言葉を口にすると、一人決心をしたかのような顔つきになった。

しおりを挟む

処理中です...