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前兆現象 バクテリア
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「キャー、藍川さん。きっと、女神さまにその力を与えられたんですよ」
「そうですよ。藍川さんは、なんといっても特別ですからね」
「きっと、そうですわ」
すると、光太郎の背に翼が生えた。
それはあの時に、教室で光太郎を守った光り輝く黄金色の翼である。
光太郎は、きっとこの翼のお蔭で身体能力が更に飛躍的に増大したのだろうと、考えていた。
「ふん!」
そう考えていたので、光太郎は疑いもなしに空に向かって、思いっ切りジャンプした。やっぱり、身体が綿のように軽くなっている。翼をばたつかせて、ビュウビュウと緑色の空まで飛び上がると、下方を見た。
遥か下には、小さくなった天台学校があった。
「おっと、ここから飲む缶コーヒーは、きっと美味いんだろうな」
光太郎は、空を羽ばたきながら、缶コーヒーを飲み。
緑色の大空を見つめた。
「こんな色になってしまったけれど、世界って綺麗なんだな……鈴姉……」
鈴姉は……あの後で、消防車や救急車とかがきたけど、結局助からなかった。
なんか、今までずっと黒い物体を全て倒しても、スッキリしないんだな。
「あれ? またあのカプセルだ!!」
大空から、カプセルが大量に降り出してきた。
地上へと落下するカプセルは、容赦なく地面に激突し、破裂する。
ここからよく見ると、着弾したところから大きな水飛沫が広がっていた。
遥か空から、次から次へと降りだすカプセルの数は今度は凄まじく多かった。
「こんちくしょーー!!」
光太郎は、缶コーヒーを空中で投げ捨てて両手に炎を宿した。
それで、炎で破壊汚水を焼き払おうとしたら、空の上から声を掛けられた。
「あー、君。やめといた方がいいよ」
「ああーん?」
正面で分けたさっぱりした髪の毛に、ポロシャツ姿の背の高い青年だった。俺と同じ空中に浮いている。けれど、翼はない。
片手には、コーヒーの缶がある。さっき俺が投げ捨てたのを拾ったようだ。
「そりゃ、あの水に触れてしまうと、どんな人でも死んでしまうからだよ。僕たちはただ運が良かったんだ。時間が経つと、わからないけれどね」
「え?! そんなわけあるかよ!」
「いやいやいや、本当なんだって、確かに不思議な力。異能の力には目覚めるようだけどね。水に長く当たっていると、たちまち死んでしまうんだ。僕の友人がそうだった……」
「お兄さん……見たところ、大学生だよね?」
「あ、ああ。自己紹介しようか。僕は木戸根 静雄だ。大学では天文学学位論文を書いている最中に大学が空から降ってきたカプセルで木っ端微塵さ。だから、もう大学生じゃないのかもな」
「別の大学も同じようなもんだろな。……ふーん。賢いんだな。あんた。俺は梶野 光太郎。同じ天文学の部活をしていたんだ」
光太郎はその宇宙のカプセルからきた透明な水を、破壊汚水と呼ばれていることを木戸根に伝えた。
そして、あの星降る神社の星宗さまがいなくなったこと。
光太郎の父が手紙で、その星宗さまを探せと書いていたこと。
静姉が死んでしまったこと。
天台学校は無事で、光太郎の他にも仲間や友達がいること。
全部話した。
この木戸根という大学生は、信用できると思ったんだ。
「そうですよ。藍川さんは、なんといっても特別ですからね」
「きっと、そうですわ」
すると、光太郎の背に翼が生えた。
それはあの時に、教室で光太郎を守った光り輝く黄金色の翼である。
光太郎は、きっとこの翼のお蔭で身体能力が更に飛躍的に増大したのだろうと、考えていた。
「ふん!」
そう考えていたので、光太郎は疑いもなしに空に向かって、思いっ切りジャンプした。やっぱり、身体が綿のように軽くなっている。翼をばたつかせて、ビュウビュウと緑色の空まで飛び上がると、下方を見た。
遥か下には、小さくなった天台学校があった。
「おっと、ここから飲む缶コーヒーは、きっと美味いんだろうな」
光太郎は、空を羽ばたきながら、缶コーヒーを飲み。
緑色の大空を見つめた。
「こんな色になってしまったけれど、世界って綺麗なんだな……鈴姉……」
鈴姉は……あの後で、消防車や救急車とかがきたけど、結局助からなかった。
なんか、今までずっと黒い物体を全て倒しても、スッキリしないんだな。
「あれ? またあのカプセルだ!!」
大空から、カプセルが大量に降り出してきた。
地上へと落下するカプセルは、容赦なく地面に激突し、破裂する。
ここからよく見ると、着弾したところから大きな水飛沫が広がっていた。
遥か空から、次から次へと降りだすカプセルの数は今度は凄まじく多かった。
「こんちくしょーー!!」
光太郎は、缶コーヒーを空中で投げ捨てて両手に炎を宿した。
それで、炎で破壊汚水を焼き払おうとしたら、空の上から声を掛けられた。
「あー、君。やめといた方がいいよ」
「ああーん?」
正面で分けたさっぱりした髪の毛に、ポロシャツ姿の背の高い青年だった。俺と同じ空中に浮いている。けれど、翼はない。
片手には、コーヒーの缶がある。さっき俺が投げ捨てたのを拾ったようだ。
「そりゃ、あの水に触れてしまうと、どんな人でも死んでしまうからだよ。僕たちはただ運が良かったんだ。時間が経つと、わからないけれどね」
「え?! そんなわけあるかよ!」
「いやいやいや、本当なんだって、確かに不思議な力。異能の力には目覚めるようだけどね。水に長く当たっていると、たちまち死んでしまうんだ。僕の友人がそうだった……」
「お兄さん……見たところ、大学生だよね?」
「あ、ああ。自己紹介しようか。僕は木戸根 静雄だ。大学では天文学学位論文を書いている最中に大学が空から降ってきたカプセルで木っ端微塵さ。だから、もう大学生じゃないのかもな」
「別の大学も同じようなもんだろな。……ふーん。賢いんだな。あんた。俺は梶野 光太郎。同じ天文学の部活をしていたんだ」
光太郎はその宇宙のカプセルからきた透明な水を、破壊汚水と呼ばれていることを木戸根に伝えた。
そして、あの星降る神社の星宗さまがいなくなったこと。
光太郎の父が手紙で、その星宗さまを探せと書いていたこと。
静姉が死んでしまったこと。
天台学校は無事で、光太郎の他にも仲間や友達がいること。
全部話した。
この木戸根という大学生は、信用できると思ったんだ。
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