底辺召喚士の俺が召喚するのは何故かSSSランクばかりなんだが〜トンビが鷹を生みまくる物語〜

第十四章

魔王城の用心棒

「どうもー！　ソフィアさんですよね！　どうもこんにちはー！」

「こ、こんにちは！」

　ノノは、これからお世話になるであろうソフィアの手を握る。
　初対面とは感じさせないほどの能力が、ノノにはあった。

「マイマスター、この人で大丈夫なんですか……？」

「大丈夫……だと思う」

「すごく楽しそうな人だねー」

　召喚の過程を見ていなかったレフィーたちは、ノノという結果を見て困惑している。

　今までに見たことがないタイプであり、どのような失敗をすればこうなるのか分からない。

　大丈夫かという質問にも、ウィルは素直に頷くことはできなかった。

「ソフィア。聞いておるかもしれんが、このアホ娘を魔王城の守護に役立ててくれ」

「ということで、よろしくお願いしまーす！」

「ほ、本当ですか!?　の、ノノさんもよれでよろしいのですか!?」

「大丈夫大丈夫！　むしろ、ソフィアさんの方にいないと、ノノちゃんの命が危ないから！」

　三人は顔を見合わせる。

　ソフィアからしたら、とてつもない強さを持っているであろうノノが仲間になるのは、これ以上ない結果だ。

　エルネからしても、ノノを引き渡すだけで魔王城のサービスを受けられるとなると、かなりおいしい話だった。

　ノノとしては、魔王城に逃げ込まないと身の安全は保証されず、選択肢は一つしかない。

　全員の利害が一致した瞬間である。

「み、みなさん……ありがとうございます！　今日は記念すべき日です！　レレーナちゃん！」

「はい、こちらです」

　客室から食堂へ。
　ソフィアとレレーナを先頭に、ウィルたちは案内された。


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「お、おお美味しっ！　何ですかこの料理は!?」

「この程度でビビっておったら、ここでは生きていけんぞ」

「まだまだあるので、どんどん食べてくださいね！」

　あまりにも美味すぎる料理に驚愕するノノ。
　目の前にある物全てが、初めて見るような料理であるため、一口食べる度に感想が溢れ出している。

　しかし、この料理はまだ前菜に過ぎない。
　ノノをもてなすには、過剰とも言えるほどのフルコースが待ち構えていた。

「ソフィアさんって、このお城の魔王様なんですよね！　やっぱりお強いんですか？」

「いやー、私なんて全然ですよー」

「本当に全然ですけどね」

「レレーナちゃん静かに！」

　ソフィアは急いでレレーナの口を押さえる。
　魔王としてのプライドが、まだ少しだけ残っているようだ。

「えっと、ノノちゃんは魔王城を守れば良いんですよね？」

「は、はい！　大丈夫そうですか……？」

「うーんと、実戦経験がないけど頑張ります！」

　全員の箸を持つ手が、一瞬だけピタリと止まった。