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第一章【それぞれの冒険】
case2❲その名はパラガス・レインソート❳
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アールド王国の国王ルイ・アールド三世はわたしキャル・ディザーの実の祖父で、今は亡きお母さんのお父さんにあたる人。わたしはルイ国王の事をおじいさまと呼んでいるんだ。
そのおじいさまが今、わたしを思い切り泣かせたんだ。わたしの大きな鳴き声がゲストホール全体に響き、おじいさまと幼なじみの男子が耳を抑えていた。
「じいちゃん!何、ボクのキャルを泣かせてんだよ!謝れよ!」
「誰がボクのキャルだ!いい加減叩き斬るぞ!このバカアストめっ!」
幼なじみの男子、アスト・シーアがおじいさまに睨むと、おじいさまは既に剣を抜きアストに向けていた。
「はいはい、そこまでよ!ジイジイもアストも!それからキャルも泣かないの」
突然、わたしの前に現れた人物がわたしを抱きしめ慰める。
それにしても、こんな広いホールに足音ひとつ立てずにわたしを抱きしめるって、やっぱりこの娘の能力って凄いな。
「だって、おじいさまが……、わたしに死ねって……」
「うんうん、酷いジイジイだよね」
「待て、エリアよ、余はそんな事は言ってはおらんっ!」
おじいさまの反論にエリアが睨み付けると、おじいさまは急に静かになった。
この娘はエリア・ハート・ブレイバー。アストと同じ幼なじみで、わたしの大事な大親友のひとり。
銀髪のセミロング、顔立ちの良い切れ目が特徴の美女の中の美女、とは友バカだったかな?
「で、ジイジイ、闇龍キーカンバーに会いに行ってどうするの?いくら闇龍が十龍の中でも温厚な性格だと言っても危険性大だよ」
わたしは涙を拭きながらエリアの発言に耳を傾けた。
ちなみに今でこそ、十龍と呼ばれているけど、つい数年前までは十三龍と呼ばれてたんだ。何で十龍と呼ばれるようになったかは、勉強不足だから解んないだけどね……
「確かに危険性は高い……、だが少なくともお前達六人は行かなくてはならない」
おじいさまが真剣な眼差しでわたし達三人を見つめると、おじいさまは思い出したように両手を二回叩いた。
すると奥の大きな扉が開き、その中から二人の人物がこちらへと近づいて来た。
「セレケ男爵と、レティス宮廷魔術師……」
アストが二人の人物の名前を言う。
アランミューア大陸で名前を知らない者はいないと言われる程の剣士と魔法使い。
「お前達を推薦したのは某だ」
齢四十の口髭の白銀の鎧を纏ったセレケ男爵が凄味を見せながら答える。おじいさまとは別の威厳を感じる。
また隣にいる二十代半ばの妖艶な美貌の持ち主、レティスさまにも違う威厳があり、いつの間にかホール内は重苦しい空気に変わっていた。
「闇龍キーカンバーに会いに行く理由は、ずばりお前達の恩師、那賀龍神についてだ」
「それにキーカンバーの転生がたったの十年なの。少なくても三十年は転生しないはず……、那賀龍神と何か関係すると思っているのよ」
セレケ男爵とレティスさまの発言にわたし、エリア、アストが驚愕した。
「那賀、先生……?」「なんで那賀先生が……」「関係しているの?」
わたし達三人は、それぞれひとつの疑問をつなぎ合わせるように答えた。
「お前達は那賀龍神の生存を信じているのであろう?」
セレケ男爵の一言に、わたし達は無言で頷いた。
「だったら、パラガスとピットとミレアにも伝えないと……」
「ミーならもう知ってんぜ、アスト」
アストの発言に後方から声がし、わたし達は振り返った。
「パラガス!」
アストが青い法衣を羽織った少年の名前を呼んだ。
パラガス・レインソート。わたしの幼なじみのひとりで、アストとピットの3バカ……、大親友。
「ミーがいれば大丈夫。ミーの極大魔法で闇龍もミレアもイ・チ・コ・ロ」
容姿はイケメンなんだけど、パラガスは本当に残念な人なんだ。残念なのはアストもだけど……
あっ、那賀先生の生徒の男子ってほとんどが残念だったわ!
わたしはパラガスとアストを見て、なんでか那賀先生と三十人のクラスメイトの皆を思い出した。
そのおじいさまが今、わたしを思い切り泣かせたんだ。わたしの大きな鳴き声がゲストホール全体に響き、おじいさまと幼なじみの男子が耳を抑えていた。
「じいちゃん!何、ボクのキャルを泣かせてんだよ!謝れよ!」
「誰がボクのキャルだ!いい加減叩き斬るぞ!このバカアストめっ!」
幼なじみの男子、アスト・シーアがおじいさまに睨むと、おじいさまは既に剣を抜きアストに向けていた。
「はいはい、そこまでよ!ジイジイもアストも!それからキャルも泣かないの」
突然、わたしの前に現れた人物がわたしを抱きしめ慰める。
それにしても、こんな広いホールに足音ひとつ立てずにわたしを抱きしめるって、やっぱりこの娘の能力って凄いな。
「だって、おじいさまが……、わたしに死ねって……」
「うんうん、酷いジイジイだよね」
「待て、エリアよ、余はそんな事は言ってはおらんっ!」
おじいさまの反論にエリアが睨み付けると、おじいさまは急に静かになった。
この娘はエリア・ハート・ブレイバー。アストと同じ幼なじみで、わたしの大事な大親友のひとり。
銀髪のセミロング、顔立ちの良い切れ目が特徴の美女の中の美女、とは友バカだったかな?
「で、ジイジイ、闇龍キーカンバーに会いに行ってどうするの?いくら闇龍が十龍の中でも温厚な性格だと言っても危険性大だよ」
わたしは涙を拭きながらエリアの発言に耳を傾けた。
ちなみに今でこそ、十龍と呼ばれているけど、つい数年前までは十三龍と呼ばれてたんだ。何で十龍と呼ばれるようになったかは、勉強不足だから解んないだけどね……
「確かに危険性は高い……、だが少なくともお前達六人は行かなくてはならない」
おじいさまが真剣な眼差しでわたし達三人を見つめると、おじいさまは思い出したように両手を二回叩いた。
すると奥の大きな扉が開き、その中から二人の人物がこちらへと近づいて来た。
「セレケ男爵と、レティス宮廷魔術師……」
アストが二人の人物の名前を言う。
アランミューア大陸で名前を知らない者はいないと言われる程の剣士と魔法使い。
「お前達を推薦したのは某だ」
齢四十の口髭の白銀の鎧を纏ったセレケ男爵が凄味を見せながら答える。おじいさまとは別の威厳を感じる。
また隣にいる二十代半ばの妖艶な美貌の持ち主、レティスさまにも違う威厳があり、いつの間にかホール内は重苦しい空気に変わっていた。
「闇龍キーカンバーに会いに行く理由は、ずばりお前達の恩師、那賀龍神についてだ」
「それにキーカンバーの転生がたったの十年なの。少なくても三十年は転生しないはず……、那賀龍神と何か関係すると思っているのよ」
セレケ男爵とレティスさまの発言にわたし、エリア、アストが驚愕した。
「那賀、先生……?」「なんで那賀先生が……」「関係しているの?」
わたし達三人は、それぞれひとつの疑問をつなぎ合わせるように答えた。
「お前達は那賀龍神の生存を信じているのであろう?」
セレケ男爵の一言に、わたし達は無言で頷いた。
「だったら、パラガスとピットとミレアにも伝えないと……」
「ミーならもう知ってんぜ、アスト」
アストの発言に後方から声がし、わたし達は振り返った。
「パラガス!」
アストが青い法衣を羽織った少年の名前を呼んだ。
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