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第1章〔地球編〕

12. クジラさんの大きなお腹の中

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一体、この沖田仙道さんってなんなの?

まゆは一人の男子ぐらいしか、あんまり人を悪く言わないけどこの人の性格はハッキリ言って変!

とにかく、あの大きなクジラさんのおかげで助かったみたいだけど、この沖田仙道さんは信用できないし、どう扱っていいかわからない。

キアトもひろなもきっと同じように思っている。

「まゆ、私もキアトもまゆと同じ考えよ」

ほらね。ひろなは読心能力でまゆの考えを読み同意している。

「ここにいても仕方ない。マルクの中へ案内するよ」

さっきまでこの人キアトを傷みつけようとしてたり、WEGS達を破壊しようとしてた人が、何事もなかったように平然と言っている。この沖田仙道さんって性格がいくつもあるの?

「おいてめえ、さっきと言動が伴ってないじゃねぇか?WEGS達を破壊するんじゃねぇのか?」

「ちょっとキアト……」

まゆの思っている事をキアトがずばっと言ってくれたけど、ひろなが慌てて止めに入った。

「確かに言動が伴ってないのは認めるし、僕自身も自分が情けないと思うよ。だけど……」

沖田仙道……仙道さんがそう答えながらまゆ達三人へと近づき、耳打ちをしてきた。

「マルクが怒るから……、情けないけど僕にとってマルクは目の上のたんこぶ……【仙道さま、何か言いましたか?】

仙道さんの情けない口調にマザーウィッチ・マルク……マルクが音量大で言う。

まゆ達三人は耳を押さえ、仙道さんは震えながら首を左右に振った。

「じゃあマルクの中へ行こうか。もちろんWEGS達全員もね」

仙道さんは嫌な汗をかきながらも作り笑顔でまゆ達を招いた。

一つ解ったのは、仙道さんは悪い人ではない。悪い人ではないけど、なんか頼りにならない。

まゆの考えにひろなは頷き、すぐにキアトへと頷き、キアトも同じ考えだとまゆにも解り、まゆ達三人は互いに無言で頷き、そして深い溜息をついた。

マザーウィッチ・マルクのお腹が下顎の後ろから地面へと開かれると、中は機械の基地みたいになっていた。

まゆから見て全長五百メートルの大きな大きなマルクは、飛ぶ機械の要塞にも感じとれた。

「マルクの内部は四階構造で一番上が操縦室コックピットで三階がゲストルームや部屋が二十あり、二階が食堂やトレーニングルームやWEGS格納庫。そして一階が見ての通りマルクの内部に入るハッチや動力部が備わっているんだ」

「スゲー……」

「空飛ぶホテルみたい……」

仙道さんの説明にキアトとひろなが驚く。まゆなんて余りにもビックリしたから声がでないよ。

「中へどうぞ」

仙道さんがまゆ達を招き、まゆ達はマルクの内部を見回しながら入っていった。

「キアトと呼ばしてもらうよ。キアト達はさっき、東京の友達が旧型WEGSを治すとか言ってたけど、友達って?」

「ああ、須藤勇矢だ」

「やっばり、ユウヤだったか……」

「知り合いなんですか?」

ユウヤの名前を聞いた仙道さんは、ユウヤの知り合いみたいで、ひろながその事に仙道さんに尋ねた。

「このマルクを半分くらい設計したのが、ユウヤなんだ」

「「「ええ~っ!」」」

仙道さんの発言にまゆ達三人は驚いた。

「東京に行くなら僕も行こう。僕もユウヤに会いたいし、それにキアト……」

「なんだよ?」

仙道さんがキアトを見つめながら言う。

「僕がここを通ったのはキミに会う為だ。キミにはもう一人会わないといけない人がいるから」

キアトの知り合い?まゆ達の幼なじみの一人かな?だったら、仙道さんの発言、まゆとひろなにも言わないと……

「誰に会うんだ?」

「僕のマルクの整備士だ」

整備士?全く検討がつかない?ひろなもキアトも首をかしげるしかなかった。

「それじゃ、WEGS達を全員収納したら行こうか、機械王都・東京へ」
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