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第四章
イチャイチャ解禁
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ロベールはふっと息を吐いて、ちょっとだけ姿勢を崩し腰に手を当てた。
「……何か、あったな」
「うん……。ザワザワした」
「ザワザワ?」
「なんていうか……、体中を見えない誰かに撫でまわされたような変な感触が、……!?」
僕の話を聞いているロベールの表情が、見る見るうちに悪鬼に包まれたような恐ろしいものへと変化した。しかもそれは表情だけには止まらなかった。ロベールから発せられるオーラすらも、憤怒に包まれている。
「……あの野郎……!」
「ロ、ロベール……?」
たじたじとして思わず後ずさる僕の腕をロベールがグイッと掴んだ。
「イチャイチャ禁止は終わりだ」
「え? な、なんで?」
「スノウの奴、南に気付きやがった」
「……え?」
スノウって、使い魔を飛ばしているっていう、あの……?
「……お前のフェロモンを感じた直後に、妙な気配がしたからな。嫌な予感はしていたんだが……」
「あっ」
「なんだ?」
「あ、ううん、何でもないっ」
僕のフェロモンを感じたって、多分あの時だよな?
日暮に好きな人のこと追及されて、ロベールとのいろんなこと思い出しちゃって熱くなっちゃってた時の……。
「――何をしていたんだ?」
「……え?」
「さっきの南の顔は、自分がフェロモンを放った時のことを思い出していたからなんだろう? ――何してた」
ちょっと! 何、そんな怖い顔してんだよ!
僕が浮気するわけないじゃんか!
「何をしていた」
うう~、また尋問口調だよぉ。
こういう時のロベールって怖いっていうのに……。
「南」
「……っ、ロベールのこと! ロベールのこと考えてたんだよ! 日暮に好きな奴ってどんな奴なんだって聞かれて、ロベールのこと考えてたら……、その、いろいろ思い出しちゃって……」
カーッとまた顔に熱が集まる。
こんなこっばずかしいこと本人目の前に話す情けなさ、分かってんのかよ!
恥ずかしさマックスでじろりとロベールを上目遣いに睨むと、ロベールは目を見開いてちょっぴり間抜けな顔をしていた。
……そんな表情もロベールがすると、情けないどころか可愛く見えちゃうんだけどね。
「南……」
今度はそのまま表情を優しく崩して、ゆっくりと僕を抱き寄せた。
「決めた。南の家に住み込もう」
「……? は?」
「余計な力は使いたくないから、南、悪いが家の人に学校の保健医が下宿先を探していると話をしてくれないか? 下宿代もちゃんと払うからと言って」
「え? 下宿?」
「ああ、そうだ。今いるアパートが古くなって取り壊しが決まったから急いでいるとか、適当に説得してくれ」
「分かった。昔ばあちゃんが使ってた部屋がそのまま残ってるから、多分、大丈夫かとは思うけど……」
どうしよう。すごくワクワクしてきた。
もしこれがうまくいったら、家に帰っても堂々とロベールに会えるって事だよな?
ど……、同棲みたいだ……!
「南……、また溢れてきているぞ」
「……え?」
くすりと揶揄うように笑ったロベールが、ゆっくりと僕の唇を覆った。
「……何か、あったな」
「うん……。ザワザワした」
「ザワザワ?」
「なんていうか……、体中を見えない誰かに撫でまわされたような変な感触が、……!?」
僕の話を聞いているロベールの表情が、見る見るうちに悪鬼に包まれたような恐ろしいものへと変化した。しかもそれは表情だけには止まらなかった。ロベールから発せられるオーラすらも、憤怒に包まれている。
「……あの野郎……!」
「ロ、ロベール……?」
たじたじとして思わず後ずさる僕の腕をロベールがグイッと掴んだ。
「イチャイチャ禁止は終わりだ」
「え? な、なんで?」
「スノウの奴、南に気付きやがった」
「……え?」
スノウって、使い魔を飛ばしているっていう、あの……?
「……お前のフェロモンを感じた直後に、妙な気配がしたからな。嫌な予感はしていたんだが……」
「あっ」
「なんだ?」
「あ、ううん、何でもないっ」
僕のフェロモンを感じたって、多分あの時だよな?
日暮に好きな人のこと追及されて、ロベールとのいろんなこと思い出しちゃって熱くなっちゃってた時の……。
「――何をしていたんだ?」
「……え?」
「さっきの南の顔は、自分がフェロモンを放った時のことを思い出していたからなんだろう? ――何してた」
ちょっと! 何、そんな怖い顔してんだよ!
僕が浮気するわけないじゃんか!
「何をしていた」
うう~、また尋問口調だよぉ。
こういう時のロベールって怖いっていうのに……。
「南」
「……っ、ロベールのこと! ロベールのこと考えてたんだよ! 日暮に好きな奴ってどんな奴なんだって聞かれて、ロベールのこと考えてたら……、その、いろいろ思い出しちゃって……」
カーッとまた顔に熱が集まる。
こんなこっばずかしいこと本人目の前に話す情けなさ、分かってんのかよ!
恥ずかしさマックスでじろりとロベールを上目遣いに睨むと、ロベールは目を見開いてちょっぴり間抜けな顔をしていた。
……そんな表情もロベールがすると、情けないどころか可愛く見えちゃうんだけどね。
「南……」
今度はそのまま表情を優しく崩して、ゆっくりと僕を抱き寄せた。
「決めた。南の家に住み込もう」
「……? は?」
「余計な力は使いたくないから、南、悪いが家の人に学校の保健医が下宿先を探していると話をしてくれないか? 下宿代もちゃんと払うからと言って」
「え? 下宿?」
「ああ、そうだ。今いるアパートが古くなって取り壊しが決まったから急いでいるとか、適当に説得してくれ」
「分かった。昔ばあちゃんが使ってた部屋がそのまま残ってるから、多分、大丈夫かとは思うけど……」
どうしよう。すごくワクワクしてきた。
もしこれがうまくいったら、家に帰っても堂々とロベールに会えるって事だよな?
ど……、同棲みたいだ……!
「南……、また溢れてきているぞ」
「……え?」
くすりと揶揄うように笑ったロベールが、ゆっくりと僕の唇を覆った。
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