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第二章

ロベールのお泊り 2

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何度か柔らかく唇を押し当てられた後、今度はするりと口中に舌を潜り込ませ甘く絡みつく。
貪るような深いキスに呼吸もままならない。溺れるような感覚にトロンとしたあたりで、ようやく僕はロベールのキスから解放された。

ぼんやりとした頭でゆっくりと目を開くと、間近で半端なく綺麗な顔がじっと僕を見つめていた。

「南……」

掠れた声で僕の名を呼びながら、ロベールの少しひんやりした手が僕のうなじを撫でる。ピクンと反応した僕に、ロベールが色っぽく笑った。

「可愛いな……、お前」
「え!? ちょ、ままま……、待って!」

シャツの下からするりと掌が這い上がってきたので慌てて止めた。ロベールはそれにムッとしたようだけど、今は絶対ダメ!

「なんで抵抗する? お前は私のものだろう?」

「モノって……、ちがっ……、(違うと言おうとしたらヒンヤリした目で見られたよ!こわっ!)違わないかもしれないけど! これから風呂に入らなきゃならないんだから、のんびりしてたら母さんが押し入ってくるかもしれないだろ!」

「風呂……。ああ、そうか」

……な、何ですか?
目を眇めたその頭で、何考えてんの……?

「じゃあ先に入ってろ。……後で私も入りに行くから」
「……え。いや、でも母さんたちいるから……」
「気配は消す。ドジはしない」

いや、いやいやいや。
気配は消すと言ってもですね、ロベールさん。

「ああ……、ええっと、風呂に入りたいのなら僕の後に……」
「ああ?」

ヒィ~ッ!!
怖いよ、なんて声出してんだよ!

「心配するな、ばれないように楽しむから」

その言葉に僕は血の気が引くと同時に、心臓がせわしなく働き始めた。

バレないようにって……! 楽しむってなんだよっっ!!

「南」
「な、何だよ」
「案ずるな。前にも言ったと思うがお前が本気で嫌がることはしない、約束する」
「……ほ、本当に?」
「信じろ」

う~。本当に信じていいのか?
なんだかやばいことしそうな気配満々なんだけど。

だけど、でも……。
嫌いじゃないんだ、ロベールとのそういう行為は。
ロベールとのキスは……、そりゃ好きだし。触られるのだって、き……、気持ちいいし。

「ほら、入って来いよ。のんびりしてると拙いんだろ?」
「う、うん」

確かにまずい。母さんに此処に来られてロベールが見つかったら、なんて言えばいいのか分からないし。

「じゃ、じゃあ入ってくる」
「ああ」

にっこりと笑うそのロベールの笑顔が、何というかあまりにも色っぽくて……。

僕、本当に大丈夫なんだろうか……?

『本気で嫌がることはしない』

ああ、もう!

今はロベールのその言葉を信じるしかない。僕は変な動機とともに、浴室の扉をエイッと開けた。
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