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ルーク様のほうがべたぼれですよ

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「じゃあ、またあとで」
 そう言ってルークたちが去って行ったあと、聞き耳を立てていたみんながぼくに詰め寄った。

「今の、どういうことですの?」
「一年以内に婚約とか言ってなかったか?」
「ということは、もう実質婚約者ということなんでしょうか?」

「そういうことだと思いますよ」
 タジタジとする僕の代わりに、アーネストが答えてくれた。

「え~、そうなんですかー」
 あちらこちらから溜め息が漏れる。やはりルークは人気者だ。

「だってあれ、どう見てもルーク様の方がベタ惚れですよ」
「ちょっとアーネスト、何言ってるんだよ」
「やっぱりか。俺もそう見えた」
えっ?
「そうなんですよね。ノエル様を見るルーク様の目がすごく優しくて、愛おしげで。これはもう勝負にならないと確信しましたわ」
えっ、あの……。
「ノエル様も可愛らしい方ですし、わたくし、応援しましてよ」

 待って、頬が熱くなってきた。
 前の時はこんなふうに、みんなにエールを送られたことなんてなかったのに。

「ノエル様ったらかわいい」
「癒しだな」

 前回と、やっぱりなんだか少しずつ雰囲気や流れが違ってきている。もしかしたら今度こそ頑張れば、婚約を破棄されずにすむんだろうか?

 ――――。
 脳裏に浮かんだルークとサラのツーショット。
 サラは、たぶん、もうルークに惹かれている。…… 6度目がないなんて、言えるんだろうか。


 お昼休みになり、ルークとクリスがぼくらを誘いにやってきた。
「ノエル、迎えに来たよ。お昼に行こう」
 そう言って、すっとルークが手を差し出した。そしてにっこりと微笑む。

 ええっとこれは、もしかしなくても、一緒に手をつないで行こうっていうことだよね?
 目の前には、キラキラと輝くルークの笑顔。そして背後からは、によによとからかいと応援を含む何とも言えない笑顔が……。

 前方と後方の圧力に屈しました……。

 僕がちょこんとルークの手のひらに自分の手を乗っけると、ルークの笑顔は甘くほころびアーネストはよくやりましたと言った笑顔になった。
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