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見学後、私はアルフィート先輩の専属マネージャーとして仮入部することに決めた

「これから頼むな」

「はい、やるからには精一杯頑張ります」

やはり流石にソロコンサートの衣装だけというのは何だか勿体無い気もしたのでスケジュール管理とちょっとしたお使いも担う事になった

「ピノ先輩、色々ご指導お願いします」

「ぼっ僕でよければ、何でも聞いて」

「ありがとうございます」

専属マネージャーになったことに伴いお昼休みは生徒会室で一緒に昼食を取ることになったけど専属マネージャーなら当たり前のことらしい

「昼は生徒会室集合にしよう、もし場所を変更する時はクラスまで知らせに行く」

「分かりました、お願いします」

((オーケストラのみんなの心の声…アルフィート先輩(君、様)の専属マネージャーだって!?クールでストイックな彼の認める子って一体どんな子なの!?…可愛い!姫!?クラスメイトに姫って呼ばれてるの!?
うん、姫だよ、確かに姫だよ!ナチュリーの元モデル!?絶対に仲良くなりたい!))

そして生徒会でお昼を食べるようになり、話の流れでヴィオラ様に誘われて少しだけ生徒会のお手伝いもする事になった
と言っても生徒会の仕事は10日に一度だけ、簡単な書類チェックだったりお茶出しを教えてもらう事に
(お礼にヴィオラ様オススメの茶葉を貰うことになったから実質私の方が得している
なんせヴィオラ様は上級貴族だし…まぁその話はいいか)

((生徒会役員達の心の声…あの子優秀なの?え!?入試満点!?天才!?にしても可愛い、、表情は乏しいけど癒される感じ、、え!?ヴィオラ先輩(様)と仲良し?ドールちゃん?とにかく凄い子なのは伝わった))

ーーー

【スケジュール/日】

1.2.3オーケストラ
4生徒会のお手伝い
5仕事
6オーケストラ
7
8
9
10仕事

11.12.13オーケストラ
14生徒会のお手伝い
15仕事
16オーケストラ
17
18
19
20仕事

21.22.23オーケストラ
24生徒会のお手伝い
25仕事
26オーケストラ
27
28
29
30仕事

31.32.33オーケストラ
34生徒会のお手伝い
35仕事
36オーケストラ
37
38
39
40仕事(午前中のみ)、⭐︎(午後から)

と10日ごとのループスケジュールにしたので覚えやすい

40の⭐︎は1階の刺繍ブース開放の日
って言ってもナチュリーのスタッフと関わりのある騎士団の人しか招待していないから私にとってはリフレッシュ休暇って所かな
誰も来なければ好きなことして過ごす日って感じ

基本仕事は1日なんだけど月末は午後から棚卸しとか会議とかだから私はお休みをもらうことになったのでこの日に刺繍ブースをOpenする事にした
招待状は郵送済みだしあとは誰が来てくれるのか楽しみに待つだけ!

ちなみに仕事の日は学校が休みの日
ガッツリ稼がせてもらいます

7.8.9のつく日は自由だから好きな事をやる
って言っても新作作りか、アルフィート先輩の衣装作りになると思う
今までの舞台衣装は全て終わったら家に送ってもらっているそうなので今度、家にお邪魔することになった
どんな物が好きなのか、コンサート用の衣装とはどんな雰囲気なのかetc知る必要もあるしついでにサイズとかも測らせてもらおうと思う

アルフィート先輩は大丈夫って言ってたけど貴族の家にお邪魔するって準備がいるよね?
本当に大丈夫かな?
服は制服でいいのかな?ネンさんに相談してみよう

と、この様なざっくりとしたスケジュールが決まった

ーーー

今日はアルフィート先輩の家にお邪魔する日

「お帰りなさいませ、アルフィート様。ようこそいらっしゃいました、リュカ様」

「セバス、準備はできているか」

「はい、アルフィート様の衣装部屋にご用意しております」

「助かる、行くぞ」

「はい」

手土産は私からではなくウルト団長から郵送で送ってもらった(それはもう手土産ではない?)
服は制服が無難で間違いないとのことだから制服を着用している

「ここだ」

「広いですね、これが全てコンサート用の衣装ですか?」

「3歳の頃からの衣装が置いてあるからな、自由にしていい」

「分解しても大丈夫ですか?」

「問題ない、流石にそろそろ処分しないとならないからな」

素材も上質、状態も良い、クオリティも高い

「親御さんやアルフィート先輩が残しておきたい衣装があれば別にしておいてくれると嬉しいんですけど可能ですか?」

「それならもう別にしてある」

「流石ですね、助かります」

「どうだ?参考になりそうか?」

「はい、とても助かります。アルフィート先輩、体のサイズ測っても良いですか?」

「ああ、それなら針士に聞けば分かるぞ」

「できれば私が、体のラインとかも確認したいので
それに単純にサイズだけではなくてヴァイオリンを持った姿勢とか筋肉の動きも見たいのでポーズもとってもらって良いでしょうか?」

「分かった」

服を着ていても分かる長身でスラっとしていて足も手も指も長い姿、そして脱ぐと分かる締まった筋肉
無駄な脂肪はない
綺麗…やっぱり私の理想の体型だ

「…ありがとうございました」

「次は何をする?」

「仕分けをしても良いでしょうか?」

「勿論だ、セバス」

「はい、リュカ様、指示を出していただければ私共も協力致します」

「ありがとうございます。ではまず…」

こうして1日かけて衣装を堪能、、いや、研究させてもらった

「今日はありがとうございました」

「また必要ならいつでも声をかけてくれ」

「はい、ありがとうございます」

「リュカ様、荷物は40日の13時にこのセバスが責任を持って指定された住所までお届けいたします」

「宜しくお願いします」

アルフィート先輩の好みは白に金、黒、銀などシンプルでシックなデザインの様だ

コンサート用の衣装は打ち合わせをした上で色々決めるとして先ずは何体かのトルソーが必要だね
商業ギルドで用意があるのか聞いてみよう
他にも揃えたいものもあるし…ワクワクしてきた

初めはアルフィート先輩の外見にモデルとして惹かれただけだけど、今日1日で屋敷の人に好かれていたり、細かいところに気が付いたり、先読みして行動してくれたり
沢山魅力的な部分が見えて新しい一面を知ることができてマネージャーとしてもっとこの人の為に動いてみたいなって思うことができた

アルフィート先輩にとっても良い1日になっていたら嬉しいな

この世界に来て初めて他人だれかの為に何かをしたいって感じた
ここから新しい何かが始まるのかと思うとワクワクする

ーーー

誰も私の行先は分からない
私自身もトリムルティ様も天使ポカ様も…
それでも私はこの世界を楽しみつつあるのはきっと誰もが気づいているだろう

~人生に幸あれ~












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