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卒業パーティーとその後

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ダリウス王子、うんカッコいい
オリバー君、うん頼りになる
レオ…正直好みです!はい!!
たはぁ~

なんなんなんなんなんなの!?!?
もぉ~
いいのか!?どうなんだ!?
恋は盲目!えっ!?恋!?

「エマ、綺麗だ」

「いっイヤァ~~!!!」

みんなにおでん立てされて可愛いから綺麗にシフトチェンジされた私はレオにエスコートされながらドナドナされて行く
トホホ…

パーティーの扉が開く
会場の目は私達(ダリウス達も含め)3組に注がれる

先ずはダリウス王子がゾーイとの婚約を発表
2人がワルツを踊る
そしてオリバー君とデイジーが続いて踊ると会場のみんなが次々と踊っていく

「私と踊ってくれますか?」

レオに手を差し出される

「…はい」

私は今、幸せだ

優雅…とはいかないかもしれないけど悔しいかな、レオとのダンスは楽しくて自然に笑みがこぼれる

「エマ」

「はい」

「好きだ」

「…うん」

「出会った時から、君に惚れてる」

「…」

「俺と、私の隣にいて欲しい」

レオは会場の真ん中で跪き、王子様の様にプロポーズしてくる

「…嘘」

「嘘じゃない、私にはエマ、君しかいらない」

旦那のプロポーズが蘇る

『嘘なんかじゃないよ、僕には花、君しかいらない』

一滴の涙が頬を伝う

レオが私に近づいてくる
「花」

「えっ」

耳元で私にしか聞こえない声でそう呼ぶレオは旦那の姿が重なって見えた

驚く私に微笑むその顔は良く知ってる、久しぶりに見る笑顔だった

「思い出したのは(ある事件の時)エマを助けた時だ、勿論その前から好きだったけど」

そのウインクひとつで私は落ちた
また旦那に恋をしてしまったらしい
忘れなければと蓋をした、旦那への気持ちが、愛おしいという気持ちが溢れ出してくる

「…私が貴方をを幸せにしてあげるから、貴方は私の側にずっといればいいわ」

前世でのプロポーズと同じ返事
可愛げは全くないけど

「そうさせてもらおうかな」

大切な人を見る熱く優しい瞳で私を見つめながら、前世と同じ様に笑う貴方に、私はきっと最初から惹かれていた

「「一生側にいるから、私と結婚しよう」」

泣きながら笑う私達を多くの拍手が包み込む

「おめでとう!」「お幸せに!」

次々と祝福の声が掛けられる
はっとしたときにはもう遅い
私は1人なんかじゃなかった、多くの人々に支えられていたんだと気付いた

「ありがとう」

何度もしたキス
でも初めてのキス

私達は唇を軽く重ねる

ーーー

その後、私達は多くのことを話した
前世での家族の事、この世界に来てからの事、レオが記憶を取り戻してからの事
私1人だけで抱えていた秘密が2人の秘密へと変わった

全然話し足りないけど一通り話を交わした私達は、先ずレオの今の家族へと挨拶に向かった
ゴウ団長はとても喜んで「よくやった!」ってレオの背中をバンバン叩いていた
痛そう…でも嬉しそうなレオを見ていると私はまた一つ幸せになれた気がした

レオのお母様はとても活発な女性だった
貴族だけど自分で料理をする、この世界では珍しい方だったけど前世では当たり前の光景
お袋の味を伝授してもらいすぐに仲良くなれた
前世の義母は早くに亡くなって仲がいいも悪いも無い内に別れてしまったので新鮮だった
周りの話を聞くと正直嫁姑って良いイメージは無かったし不安だったけど、記憶の戻る前のヤンチャなレオをここまで男前に育てた女性だ
親近感…って言っていいのか分からないけど子供を育てる大変さとか楽しさとか語ってくれるレオのお母様の気持ちが分かって頷いていたら「人生何回目?」なんて言われてドキッとしたのは内緒

そして孤児院へ挨拶、騎士団へ報告(ゴウ団長が自慢してただけだけど)諸々が済んだ
1番大変だったのはグレン団長だったかなぁ
レオに「俺より弱い奴にエマはやらん!」って言って決闘?申し込んで周りに止められて最終的には大号泣
前世の私の父でもそこまでじゃ無かったけど、改めてこの世界に生まれ変われて良かったなぁって思った

ーーー

「エマ」

「なぁに?」

「生まれてきてくれてありがとう」

「何それ」私は笑う

「また、僕と結婚してくれてありがとう」

ウェディングドレスに身を包む私を見て言われたのはこれが2回目
まさか人生で2回もこのセリフを聞くなんて

「どういたしまして」

「来世でも、僕の側にいてくれる?」

「ふふっどうかなぁ」

「!!」

「でも、もし貴方がまたどこかの世界に生まれ変わるとするなら、私はまた貴方を幸せにする為に何度だって生まれ変わるわ」

「「愛してる」」

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