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ある事件を事件なのかな?と思った時

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デイジーとオリバー君にほっといちゃダメだけど何もしないのもダメって言われたのでとりあえずカイル先生に伝える事にした
カイル先生は1年の時に担任だった先生で学校の生徒指導室の先生でもある

野外活動事件の時にもカイル先生には怒られたし
スカーレットに退学を言い渡したのもカイル先生
カイル先生は無駄が嫌いだしビシバシ ズバズバ サバサバ って感じなので怖い
まぁ何かやらかす生徒が悪い。何もしなければ話しやすくて楽ちんなんだけどね

「カイル先生、今時間ありますか?」

「エマさん、なんですか?」

「実は同じ人から1日にたくさんの手紙が届くんです」

「手紙ですか」

「はい、これなんですけど」

私は昨日分の手紙を持って来た
昨日はちょっと多くて16通届いた

「1日にこんなに届くんですか?」

「はい、これは昨日の分でいつもより多かったです。でも少なくても1日10通は届きますね」

「いつからですか?」

デイジーと大体同じ質問をされるので同じように答えていく

「なるほど…心当たりは?」

「今までも『頑張って下さい!』とか『憧れてます!』みたいな手紙が無記名で届く事は何度かあったし、いちいち誰だ~?ってやってなかったのでわからないですね」

「エマさんのファンクラブの人では?」

「ですかね?」

「エマさんは迷惑しているんですよね?」

「そうですね」

「分かりました。無記名で手紙を机やポストに入れるのはやめるように次の学校集会で伝えましょう」

「よろしくお願いします」

「それからこの手紙の内容ですが…少々行き過ぎた行動が見られます」

「と言いますと?」

「内容的におそらくエマさんと同じクラスではないと思います。ですがエマさんの授業中の事が書かれています」

「確かに」

「それからこれ、どう見ても部屋に侵入してませんか?」

「ですよね」

「…エマさん、今から部屋を移りましょう」

「え?」

「危ないですよ」

「でも殺気とか嫌な感じとかしないですけど」

「相手がエマさんのことを好きでたまらないので殺意や悪意は感じないでしょう。しかし好意や尊敬も行き過ぎると同じぐらい脅威になるのですよ」

「脅威…」

「誘拐、監禁される可能性もあります」

「それは怖いです」

「でしょう?」

ーーー

なんだか思ったより危ない気がして来た…

学校集会での無記名手紙の廃止、学校にいるのに授業を受けていない生徒の確認、授業を抜け出している生徒への指導強化を約束してくれたカイル先生

そして部屋の移動…これはデイジーが手伝ってくれた
部屋は個室、しかも寮母さんの隣の部屋へ
うん、まぁ確かにこれなら今までよりは安全かな

「エマちゃん!私がしっかり目を光らせとくからね!何かあったらすぐにいうんだよ!」

寮母さんは肝っ玉母ちゃんって感じで頼りになる…ぁあ…なんだか親近感が…

とりあえずはこんなところかな
あっ因みにルール違反の学校内の魔法使用は最近していない
魔法にばっかり頼りに生きるのもなんか違うのかなって思うからね
代わりと言ってはなんだけど、体術とか剣術の訓練を増やした
主にウィルさんに教えてもらっている
冒険者歴の長いウィルさん曰く、長く冒険者やってると魔法封じとかされた経験もあるし力をつけるのは身を守るために必要との話

ウィルさんの話が学生の内に起こるとは思わなかったけど、後々考えると教えてもらっておいてよかった…

部屋を移ってから1週間後、学校集会のお陰か多少、無記名の手紙が減りストーカーの手紙には【y】と書かれるようになった
そしてある日、1通の手紙が部屋の扉の隙間に挟まっていた

【親愛なる私のエマ 迎えに来ました y】

手紙を開くと甘い香りが鼻を通り、その後すぐに目の前が真っ暗になった
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