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12章

211 取られた…ぐすん…

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キラティア 視点

「かーちゃん!!とーちゃん!!わー!!」

犬耳男女に犬耳の男の子は泣きながら抱きついた。

「ラルフ!?無事だったのね。あー神様感謝します。」

僕は神様ではなく赤ちゃんだよ!
僕は感謝する犬耳男女から離れたい。
次に行かなきゃ!

僕は犬耳女性から飛び降りバイバイした後、次の近くに居た女の子にかぶりついた!

「ヤダー!!ベタベタ!」

我慢してね!
んーと…あっちだ!

僕はその後次々と保護者を連れて来た。
結局話が伝わらなく半ば強引に連れて来てしまった。
自分の子供に会えるんだからそのくらいは目を瞑って欲しい。

さて、終わりかな?

「ティー、あの子の保護者は?」

「あきゃ?」

リアママの指さす方向に銀髮の狐耳のお姉ちゃんがポツンと座っていた。

「あきゃ!?」

…気づかなかった!?

「まーま!うきゃきゃ!うきゃ!」
言い訳させて!
あのお姉ちゃん端にいるからハイハイの僕には見えないの!
本当なの!

「はいはい!わかったわよ。」なでなで…

必死の弁明が通じたようなので一安心だ。
さて、まずはお姉ちゃんに忘れていたお詫びだね。ごそごそ…

お腹空いてそうだから干し芋をあげよう!

テクテク…

「ん?」

「あきゃ!」

僕はおやつ袋から干し芋を取り出しお姉ちゃんの口に押し込んだ。

「…むぐ!?」

驚いたお姉ちゃんだったがお腹が空いていたからかもぐもぐ食べ始めた。

うむ、よし!

魔力を吸うから弱っている人から吸いたくないんだよね。
体力が回復したら探そう!
さて、僕もおやつを食べよ。ごそごそ…

「あ!お菓子だ!ちょうだい!」

「あきゃ!?」

助けた子供の1人がやって来た。

「やーむいむい!!」

やだ!きみは保護者いるでしょ?
保護者からおやつ貰いなさい!

「お菓子ちょうだい!」

「あきゃ!?」

別な子がやって来た。

「やー!!」

だから!保護者から後で貰いなさいよ!

「ちょうだい!」

「あきゃー!!?」

また、別な子が…

はっ!?

気付けば囲われていた!
そして、1人が手を出したのがきっかけで干し芋争奪戦が始まった。

「あきゃー!!」

結局、年上のにいちゃん達から干し芋は守れず奪われてしまった。

ひらひらひら…ペタッ…

僕の目の前には無残にも空になった袋が落ちていた。

「あきゃー…」

僕は落ち込んだ。
そんな僕を見かねてリアママが何かをくれた。

「ティー…これあげる。」

「あきゃ?」

初めてのものだ。
取り敢えず、はむ…もぐもぐ…
ん?噛み切れない。ジュパジュパ…
甘くはないけど味はなかなか…ジュパジュパ…
よだれが止まらないけどいいね。ジュパジュパ…
なかなか無くならないからくーちゃんにもいいかも…ジュパジュパ…

リアママありがとう!これ気に入ったよ!ジュパジュパ…ごっくん。
また、ちょうだい!

「はいはい…またあげるから。それよりあの子の保護者を連れて来てくれる?」

「あーい!」テクテク…

「また?なに?」

「あーきゃ?」

さて、銀髮のお姉ちゃんは魔力を吸っても大丈夫かな?
少し吸うね。

「あーむ…」ごきゅごきゅ…

僕はお姉ちゃんから魔力を吸った。

「きゃー!!」

お姉ちゃんは悲鳴を上げているけど僕は気にせず探索開始!ぐるぐる…

「あきゃ?」

あれ?反応が薄い…反応は2つ…
一番お姉ちゃんに近いのはここかな?

シュン!

僕は洞窟にいた。
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