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2章

36 話し合い

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苦労神 サンリア 視点

私はサンリア…上位神である。
私は一通の手紙に、悩ませられている。

それは数日前に父から渡された手紙だ。
差出人は妹だ。
まず、一番の疑問は父が妹の手紙を持っていることだ。
常に誰かに見張らせていたはず、なにかやった可能性があり調べる必要がある。
だが、それはまだいい…いつものことだ。

問題はその中身だ。
手紙には、キラティアの誕生日会の招待状を5枚入っているから、父を入れて5人で決めてと書かれていた。

…嘘だろ!

上位神だけで約20人いる。
ティーは純血神である、準神族にとって創造神は信仰の対象であり絶対主君である、その子供の私たちも信仰の対象になる。
ただ、私たちの場合、3人居た為に信仰が三分割されたが…ティーの場合は1人だ。
その全て信仰を受けることになる。
しかし、20人から5人を選べってかなり難しい。

誰もが行くと言い出すはずだ。
困った。

神に平等は難しい、なぜか…神とは様々な分野の奇跡を起こせるからだ。
例えばクジなどなら、幸運の神の一人勝ちである。次に戦いで決める場合は闘神や武神が残る。
話し合いにしても、商人の神などの交渉に長けた神が有利になる。

最悪、父には欠席してもらうとして、どう決めるか…

まずは上位神に任意の招集をかけて、話し合いだな。
私はペンを走られた。

2日後、私の頭を悩ました。
上位神が1人を除いて集まった…
嘘だろ…

いつも問題あっても、4から5人来れば良い方なのに、今日に限ってなぜ来る。
しかも、呼んでないはずの母と弟もいるのだ。
貴方達は招待状あるでしょ?

どうする…父に丸投げするか…

父を見ると同じように頭を抱えていた。

仕方ないもう決まっていることは話そう…もう、どうにでもなれ。

「これより、キラティア誕生日会出席権の話し合いを始める。」

上位神達は静かになった。

「今回、妹のルナールから5人までなら出席を許すと手紙を貰った。
なので、父を含めて5人を決める。」

「なぜ、我々の要望である。大神殿での誕生日会ではダメなのですか?」

上位神の1人が声を上げ、他の上位神も同調する。

「それではキラティアを多くの人に触れしまう、創造神の孫であるキラティアが暗殺や誘拐にあうリスクが高まる。
未遂でも起これば、貴方達が暴走して世界が崩壊する恐れがあるからですよ。」

実際にここにそれだけの戦力が集まっているのだ。
誰も否定する者はいなかった。

「では、5人を決めます。まず父はどうしますか?」

「いや、創造神様をどうするかって言われても…
普通に招集されているのではないのですか?」

上位神達は困惑していた。
最高神でキラティアの祖父である父が呼ばれてないことが不思議だろう。
私も不思議だ。

「私もよくわからないが、恐らく父がルナールを怒らせたのでしょう。ねっ!父上!」

ビクッ!と顔を上げる父…

「お、お主達のせいじゃぞ。
お主達がティーちゃんを見世物にするようなことをするからルナが怒ったのじゃぞ。
儂は交渉に行っただけなのに、とばっちりじゃ。」

だから、いなかったのか。
仕事の一環なら監視も緩むか…
見直さないとな…

「というわけで、残り4席を決めます。」

流石に最高神を除け者にするわけにはいかないので、全員沈黙した。

「では、私からの推薦ですがアルテミアさんです。」

「え!?私ですか?」

「はい、貴女なら問題ないと判断しました。」

医療の神のアルテミアさんに反対意見はなかった。
神とて病気にかかる。
彼女を軽く見て、診察を拒否した神が何人か消えた…
神々が逆らえない神の1人である。

ここまでは予定通りだ。
問題はこの後だ。
残り3席…

「では、残り3席は我々自然派が貰い受ける。」

やはり出た、自然派の神々…
ルナールが自然管理の神なのでその方面の神が集まった派閥だ。

「何を言う、我々の戦闘派に属するカグリアちゃんの子じゃ、我らも権利はある。」

次に戦闘派…武神である私の派閥だ。
正直辛い。

「我ら国政派も無視されては困る。」

弟のクラウスの派閥…国政派、法律や商業など国を成り立つ為の神々が所属する。

「ガー!!ガー!」

さらに邪神派閥も出たか…
トップは居ないがヤバイ神しかいない。
あっ!悪という意味ではなく、世界を捻じ曲げる力を持っているということだ。
普段はすごく優しく人たちだ。

「あの、私が辞退すればいいのでは?」

「大丈夫ですよ。たぶん」

アルテミアさんが辞退しに来たが良識枠を潰すわけにはいかない。
なので断った。

「では、自然派と戦闘派に一枚づつ渡します。
あとはそれぞれで決めて下さい。」

そう、4派閥がぶつかるから問題なのだ。
なら、半分に減らせばいい。
最も脅威の自然派と戦闘派を納めたのだ。
あとはなんとかなるだろう。

それに国政派に勝ち目はない、なぜなら神のほとんどは邪神に属するからだ。
良い面を聖神、悪い面を邪神としている。
なので、国政派の邪神に属する神は寝返るだろう。
さらにあぶれた戦闘派と自然派も加わる。
そうなれば、国政派に勝ち目はない。

よってあとは派閥ないの奪い合いになる。
そこからは我々はノータッチだ。
あとは問題にならないように決めて下さい。

「招待状は父上に渡すので決まったら父のところに行って下さい。」

父は真っ青になり首を横に振っているが私は見なかったことにした。

その後、それぞれの派閥の代表が決まった。

しかしその裏では、沢山の影響があったとは知る由もなかった。


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