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2章

31 最悪の再会1

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訪ね神 ルナール 視点

久しぶりに契約聖獣のタダルのところに来たルナールよ。

仕事も任せていたし、行かなきゃとは思っていたけど、子育てが忙しくて忘れてたわ。

今回はティーとクリスを連れて来ている。
2人はキョロキョロと周りを見ていた。

魔獣の森の最奥地にタダルの棲む大木の家がある。

道中で魔獣に襲われたが私が魔法で蹴散らせたり、ティーに飲まれたりした。

ティーがおんぶ紐から抜け出す度に、おんぶ紐に入れ直さないといけないので、なかなか目的地に着かない。
クリスは大人しいのに…はぁ

時間はかかったが、タダルの棲む大木に着いた。

あっ!あれはタダルの眷族だ。

タダルの眷族は馬系だからすぐわかる。

「タダルに会いたいのだけど、いるかしら?」

(はい、いますよ)

「これ、お土産の人参よ。みんなで食べてね。」

私はマジックバックから大量のの人参を取り出した。
家にまだ沢山あるからこれぐらいあげても平気だ。

(ありがとうございます。ところでどちら様ですか?)

そういえば、名乗ってなかった。

「ルナールよ」

(ルナール様ですね。ご用の際、お声掛け下さい。)

そう言うと、人参を持って去って行った。

独り占めはしないと思うけど他の眷族にも話しておこう。

他の眷族も見つけ話すと私のことは知らなかった。
まぁ、7年も来てなかったしね。
しょうがないかな?
タダルも忘れてないといいけど…

タダルの居る部屋に来ると物凄い臭い匂いがした。
うわー!行きたくない。
ティーもクリスも鼻を私に擦り付けてる。やめてー!

仕方なく、私はマジックバックからフルフェイスのガスマスクを取り出し装着した。
このガスマスクは透明にでき、相手に着けていることを悟られないように出来るの。
ポイズンマッシュルームとか呼吸をすると危ない所に行く時用に作ったけど、まさか自分の契約聖獣に使うとは思わなかった。

子供2人にも装着したかったがサイズがないので、風の魔法で新鮮な空気を送れるようにした。これで多少はマシでしょう。

意を決して部屋に入ると、大きな牛?いや…タダル?が居た。
太ったの?それとも別馬?
混乱したが、契約の繋がりが感じれたのでタダルみたいである。まじかー…

よし、ささっと顔見せして帰ろう。

私は再会より帰宅を選んだ。

「タダル!ただいま!」

(ルナ様ー!?)

念話の音量がデカイ!
頭に響く!

「タダル、念話は頭に響くから声を抑えて…」

(あ、はい。ルナ様ご無事でおられたのですね。)

「ええ、大変だったけど戻れたわ。」

私は説明をざっくり省略して、娘の紹介をした。

ティーちゃん!タダルは飲み物じゃないからね。

よし!説明終わり。帰ろ!

「じゃあ、帰るわね。お土産の人参は貴女の眷族に渡しているから食べてね。」

(お待ち下さい!7年振りの再会ですよ。話しましょうよ。)

もうやだー!私の身体に貴女の汗が纏わり付いて来て、お風呂に入りたいのよ。ごめんね。

「そうは言っても、もう話すことないし…」

お願い帰らせて…仕方ない。

「それに貴方!太り過ぎの上、臭いわよ!」

ショックで放心している。今のうちに帰ろう。
痩せたら話しましょう。

私達はその場を後にした。
正直、私を原因として怠けているようにしか見えない。

私はタダルの眷族にダイエットさせることを頼み家に帰った。

もちろん、帰ってすぐに3人でお風呂に入ったわ。
身体中ベトベトよ!まったく…

お風呂から上がると鉄の柵の中にティーとクリスを入れた。
ハイハイするようになって、こうしないと出ちゃうのよね。

さて、晩御飯を作らないといけないわ。

「ティーちゃんとクリスちゃん!大人しく遊ぶのよ。」

私は2人を部屋に残して台所に向かった。
あの中ならケガも逃げもしないでしょう。たぶん…

料理を作らなきゃ!
私達はビーフシチューでティー達はジャガイモと人参を潰した物でいいわね。

ヒットバイソンは高級食材で常に食材調達の依頼に載るが達成されることが少ない。
理由は警戒心が強く音に敏感で、岩をも砕くツノを持ち、一度走り出すと木を倒して逃げてしまう為、見つけても事前準備の段階で逃げられてしまう。
だからといって、すぐに攻撃すればツノで応戦され返り討ちにされるらしい。

リアは見つければ狩るが、遭遇率が低い為に依頼を受けないらしい。
なので、ティーが狩れたのは運が良かったのだ。

よし、あとは煮込むだけ、ティー達の所に戻ろう。

そ~とっ、戻るとティーはクリスを浮かせていた。
なんで!?

浮遊魔法は存在する、でも構築に時間がかかるのに滞空時間少ない。
なので魔導具で飛ぶのが普通だ。それでも長時間飛行は出来ない。

私は興奮気味に近づくとリリスが浮遊ボールの上に乗っていた…

うわー!危ないからダメ~!

浮遊ボールは魔力操作の練習の為のおもちゃであり、人を乗せて飛ぶものではない。
私は慌てたクリスを掴み降ろした。

今度、別のおもちゃをあげよう。

 珍しくクリスがブーブー言っているけど危ないからしたらダメよ。
ティーは私からボールを取ろうと魔力操作をしている。

ダメよ!

私はボールのスイッチを切った。
使用しない時に勝手に動かないようにする為に停止ボタンが付いているのよ。

2人してブーブー言い始めて可愛いわ。ナデナデ

代わりに普通の糸で出来たボールを渡した。

「こっちで遊びなさい。ほーら!」

2人はボールを受け取ると、じっと見つめ始めた。

糸玉は初めてだったかしら?

私は2人を観察していると先に動いたのはクリスだった。

ペシペシ!

なぜか、糸玉を叩き出した。

それを見たティーも同じように手で叩き出した。

ペシペシ!ペシペシ!

面白い反応ね。
耐久テストでもしているのかしら?ふふっ!

空蜘に作ってもらった物だから安心して遊んでいいのに…
一心不乱に叩いて面白いわね。ふふふ…

やばい、面白くて笑いそうになる。
シチューの様子を見ないといけないから離れないといけない。
当分このままかな?
少し離れるか。

私は糸玉に夢中になっている2人から少しの間、離れた。




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