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第二部「創世神降臨」編
全てを捧げし心優しき守護者
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世界と自分、どちらが大事か。
そんな問いを聞かされて、創世神クラリアセレスはクロトの意図を図りかねた。
「・・・何故、そのようなことを尋ねられるのですか?」
「クラリス、素で話してくれないと痴女扱いするよ?」
「それだけはやめてくださいませっ!!」
不機嫌となったクロトにそのように脅されては、言われた通りにするしかない。
大体がして、クラリスの素はクロトにバレているのだし、今更なのだが。
なお、クラリスの服装は相変わらず際ど過ぎるかつてのままだ。
服装を変える権限が無いのだから仕方がない。
本来、管理者にとって服装など些細な事なので、バッサリカットされたのだ。
もっと言うと、クラリスがシステムに介入した時に代償として持っていかれた。
人間の精神を己に設定していなければそれこそ些細な問題なのだが・・・。
眷属と同じように苦しみを味わう為に人間の体と心になっているので大問題に。
「クラリスってマゾの気があるのかもしれないね。」
「何の話ですかっ!今度は変態扱いですか!?」
「だって、さ・・・・・・自分から苦しみを味わうなんて・・・ね?」
「っ・・・それは、私が背負うべき当然の義務ですので。」
毅然としてそう言い張ったクラリスに、クロトが書ける言葉は・・・。
「その雰囲気、あと三回出したら痴女呼ばわりで固定するよ?」
「嫌でございますっ!というか、今の流れで普通そんなこと言いますかっ!?」
一足触発となりかねなかった空気の中で、クロトの発言は明らかに異常。
だが、彼にそんな普通さを求めてもどうしようもない。
「さて、話を元に戻そう。クラリスが痴女という件についてだけど・・・。」
「違いますよねっ!世界と自分、どちらが大事かという話でございましょう!?」
「そうだっけ?・・・まあいいか。じゃあその話をしよう。」
「『じゃあ』、って何ですか!?」
完全にクロトのペースに巻き込まれているクラリスだが、自覚はしていない。
「じゃあ、答えて?自分と世界、どちらか片方しか選べないなら、どうする?」
「・・・世界を選びますよ。それが私の、管理者たる役割なのですから。」
「その選択の結果、自らが消えてなくなったとしても?」
「勿論です。この命を捨てるだけで世界が救われるなら、とうにやっています。」
躊躇いなくそう断言したクラリスは、先程までのように己を作ってはいない。
素の彼女でありながら、絶対に曲がらない信念を瞳に宿し、堂々と言い切った。
その姿から感じとれる雰囲気は見る者に畏怖を抱かせ、尊敬を抱かせ、魅了する。
この世界において他の何者よりも長く生きてきた彼女。
元々持ち合わせていた性格もあり、その精神力は強靭という言葉が生温く思える。
クロトと並び、ともすれば超えているかもしれないほどだ。
「・・・そっか。君の想いは一片の嘘も無い純粋なものなんだね。」
クロトは一瞬だけ気圧されそうになりながらも余裕で堪えて、優しく微笑んだ。
隣に居るマリアはその覚悟の強さに僅かに気圧されてしまい、一歩下がった。
もし人々が今のクラリスを見ていたら、一部の例外も無く祈りを捧げただろう。
「でも、その恰好だとあんまり格好がつかないよね。」
「余計なことを言わないでくださいませっっ!!」
クラリスは己の体を見つめるクロトから両腕で体を隠しつつそう言った。
やはりクロトにシリアスを求めてはいけないのだろう。
「さて、それでなんだけど、クラリスはそろそろ許されてもいいと思うんだ。」
「私は許されるべきではありません。人ならざる神によるミスなのですから。」
「眷属であるみんなが許すといっても、その気持ちは変わらないかい?」
「そんなことはあり得ないと思いますが・・・変わりません。」
「はぁ・・・強情だねぇ・・・。」
こうなることは予想済みであったクロト。
ここで己を許すくらいなら、気の遠くなるほどの時間、己を責め続けはしない。
だから、次の一手に打って出る。
「マリア、やってくれるかい。」
「分かりましたわ。」
「っ・・・何を?」
訝し気に見つめるクラリスだが、そんなことは気にせずマリアは実行。
具体的に言うと、持っていた起動装置をもう一度押した。
「っ、なっ・・・!何ですか、これはっ!?っ、やめてくださいっ!」
その絶世の美女とも言える美しい顔を歪めて、そう懇願するクラリス。
一体何があったというのか。
「やめないよ。それは、君が受け取るべき感情なんだから。」
クロトの言によれば、クラリスに振りかかっているのは何らかの感情。
だが、あのクラリスがただの負の感情ごときで苦しむとは考え辛い。
今回彼女を襲っているのは苦痛や負の感情ではなく・・・。
「こんなっ・・・感謝の感情、私が受け取るべきものでは・・・!?
私はもっと責められるべきなんです!それに、これはどうやって・・・!」
そう。彼女を襲っていたのは人々からの感謝。
各々のバッジに流れ込み、起動装置に蓄積されていたものなのだ。
そんな問いを聞かされて、創世神クラリアセレスはクロトの意図を図りかねた。
「・・・何故、そのようなことを尋ねられるのですか?」
「クラリス、素で話してくれないと痴女扱いするよ?」
「それだけはやめてくださいませっ!!」
不機嫌となったクロトにそのように脅されては、言われた通りにするしかない。
大体がして、クラリスの素はクロトにバレているのだし、今更なのだが。
なお、クラリスの服装は相変わらず際ど過ぎるかつてのままだ。
服装を変える権限が無いのだから仕方がない。
本来、管理者にとって服装など些細な事なので、バッサリカットされたのだ。
もっと言うと、クラリスがシステムに介入した時に代償として持っていかれた。
人間の精神を己に設定していなければそれこそ些細な問題なのだが・・・。
眷属と同じように苦しみを味わう為に人間の体と心になっているので大問題に。
「クラリスってマゾの気があるのかもしれないね。」
「何の話ですかっ!今度は変態扱いですか!?」
「だって、さ・・・・・・自分から苦しみを味わうなんて・・・ね?」
「っ・・・それは、私が背負うべき当然の義務ですので。」
毅然としてそう言い張ったクラリスに、クロトが書ける言葉は・・・。
「その雰囲気、あと三回出したら痴女呼ばわりで固定するよ?」
「嫌でございますっ!というか、今の流れで普通そんなこと言いますかっ!?」
一足触発となりかねなかった空気の中で、クロトの発言は明らかに異常。
だが、彼にそんな普通さを求めてもどうしようもない。
「さて、話を元に戻そう。クラリスが痴女という件についてだけど・・・。」
「違いますよねっ!世界と自分、どちらが大事かという話でございましょう!?」
「そうだっけ?・・・まあいいか。じゃあその話をしよう。」
「『じゃあ』、って何ですか!?」
完全にクロトのペースに巻き込まれているクラリスだが、自覚はしていない。
「じゃあ、答えて?自分と世界、どちらか片方しか選べないなら、どうする?」
「・・・世界を選びますよ。それが私の、管理者たる役割なのですから。」
「その選択の結果、自らが消えてなくなったとしても?」
「勿論です。この命を捨てるだけで世界が救われるなら、とうにやっています。」
躊躇いなくそう断言したクラリスは、先程までのように己を作ってはいない。
素の彼女でありながら、絶対に曲がらない信念を瞳に宿し、堂々と言い切った。
その姿から感じとれる雰囲気は見る者に畏怖を抱かせ、尊敬を抱かせ、魅了する。
この世界において他の何者よりも長く生きてきた彼女。
元々持ち合わせていた性格もあり、その精神力は強靭という言葉が生温く思える。
クロトと並び、ともすれば超えているかもしれないほどだ。
「・・・そっか。君の想いは一片の嘘も無い純粋なものなんだね。」
クロトは一瞬だけ気圧されそうになりながらも余裕で堪えて、優しく微笑んだ。
隣に居るマリアはその覚悟の強さに僅かに気圧されてしまい、一歩下がった。
もし人々が今のクラリスを見ていたら、一部の例外も無く祈りを捧げただろう。
「でも、その恰好だとあんまり格好がつかないよね。」
「余計なことを言わないでくださいませっっ!!」
クラリスは己の体を見つめるクロトから両腕で体を隠しつつそう言った。
やはりクロトにシリアスを求めてはいけないのだろう。
「さて、それでなんだけど、クラリスはそろそろ許されてもいいと思うんだ。」
「私は許されるべきではありません。人ならざる神によるミスなのですから。」
「眷属であるみんなが許すといっても、その気持ちは変わらないかい?」
「そんなことはあり得ないと思いますが・・・変わりません。」
「はぁ・・・強情だねぇ・・・。」
こうなることは予想済みであったクロト。
ここで己を許すくらいなら、気の遠くなるほどの時間、己を責め続けはしない。
だから、次の一手に打って出る。
「マリア、やってくれるかい。」
「分かりましたわ。」
「っ・・・何を?」
訝し気に見つめるクラリスだが、そんなことは気にせずマリアは実行。
具体的に言うと、持っていた起動装置をもう一度押した。
「っ、なっ・・・!何ですか、これはっ!?っ、やめてくださいっ!」
その絶世の美女とも言える美しい顔を歪めて、そう懇願するクラリス。
一体何があったというのか。
「やめないよ。それは、君が受け取るべき感情なんだから。」
クロトの言によれば、クラリスに振りかかっているのは何らかの感情。
だが、あのクラリスがただの負の感情ごときで苦しむとは考え辛い。
今回彼女を襲っているのは苦痛や負の感情ではなく・・・。
「こんなっ・・・感謝の感情、私が受け取るべきものでは・・・!?
私はもっと責められるべきなんです!それに、これはどうやって・・・!」
そう。彼女を襲っていたのは人々からの感謝。
各々のバッジに流れ込み、起動装置に蓄積されていたものなのだ。
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