異世界隠密冒険記

リュース

文字の大きさ
上 下
321 / 600
第二部「創世神降臨」編

幽霊船の戦果

しおりを挟む
 解体の結果、船幽霊からは大した収穫は無し。

 永霊結晶が手に入った個体も居たが、やはり微妙。


 幽霊船長からは、剣や防具、同化結晶、水霊結晶、氷霊結晶が手に入った。


「剣や防具はどうでもいいけど、三つの結晶は良い収穫かな。」

「特に同化結晶は、色々と使い道がありそうですね。」


 続いて、沈没幽霊船なのだが、霊木と霊布を大量に入手した。

 どちらも、装備の強化に使えそうなのは良いが、解体がえらく大変だった。

 おかげで、この日の探索は終わりにしようと決めたほどだ。


「ミミックの方は・・・殆どが財宝、か。」

「身分証が入っていたのは、興味深いですね・・・。」


 ミミックの解体結果は、五割が普通の財宝、三割が超高価な財宝。

 ここまでは、割とどうでもいい物だ。

 売れば一財産だが、お金には困っていないので。


 一割が、アーティファクト類。

 大半はハズレだったが、幾つか当たりも混ざっていた。

 その中の一つが、龍の爪。

 一時的に攻撃力を上昇させるらしいのだが、リュノアが吸収してしまった。



 現在リュノアのステータスは、こうなっている。





黒竜皇「リュノア」
種族 魔物 創世種
レベル 70
HP  6000
MP  5650
筋力  2500
防御力 2300
魔力  2500
速力  2900
幸運    85


ユニークスキル
可変魔力生物9 


レアスキル
漆黒魔法10 黒竜魔法10 滅竜魔法5 竜皇魔法2
竜眼10 竜感10 竜力10 竜翼9 竜爪1 竜の叡智4


スキル
全耐性 即死無効 連携10





 竜皇魔法は、先程の戦闘で使用した「竜皇飛刃」が含まれた魔法になる。

 竜爪は、龍の爪を吸収して習得したらしい。

 可変魔力生物というのは、本当に謎が多い。


 能力値は・・・高い。

 既に天種の最強クラスに引けをとらない。

 流石にレベルの伸びは緩やかだが、創世種としての特徴なのだろうか。



「キュ・・・・・・。」


 当のリュノアは、クロトとアクアに甘えた後、再び睡眠。

 寝る子は育つと言うが、すくすくと育って欲しいと思うクロトだった。

 なお、今回眠っている場所は・・・アクアの胸部。



 話をミミックに戻すが、残りの一割は、ミミックの魔物としての素材。

 擬態結晶、変幻結晶、変幻魔宝箱の皮膚、などの素材が少し。


 ちなみに身分証は冒険者カードで、ランクはS+となっていた。

 ダイダル海域の渦潮地帯に挑戦して、散っていったのだろう。



 と、ここまでが幽霊船との戦闘による収穫になる。


 クロトは全てを収納し、アクアの方を向き直る。

 すると、アクアの様子が少しおかしいことに気づいた。


「アクア、顔が赤いけど、どうかしたの?」

「っ、その・・・リュノアちゃんの息が胸にかかって・・・。」

「・・・なるほど。」


 クロトはおおよその事情を理解した。


「それで、感じてしまっている、と。」

「違います!?くすぐったいというだけでっ・・・!」


 アクアはクロトの誤解を解くために、慌てて否定する。


「・・・本当に?」

「本当でっ、ひあっ!?」


 クロトの再確認に肯定しようとしたところで、リュノアがモゾモゾ動いた。

 唐突に動かれたせいで、変な声を上げることになってしまったアクア。


 クロトは一つため息を吐いて、諭すように告げた。


「アクア・・・僕は何とも思わないから、嘘を吐かなくてもいいんだよ?」

「本当に違うんですっ!信じてくださいっ・・・あっ、ひゃうんっ!?」


 恐らく本当なのだろうが、声を上げながらでは、欠片も説得力が無いのであった。






 断絶の立方体による断絶空間の中にて、アクアは真っ赤になって叫んでいた。


「信じてくださいっ!私っ、クロトさん以外で感じたりなんて・・・!!」

「うんうん、ちゃんと分かってるよ。」

「その言い方は分かっていません!」


 涙目になりながらも、必死で主張している。


 クロトも、本当はちゃんと分かっている。

 あえて適当な返事を返すことで、分かっていないと誤認させ、揶揄う。

 酷いことをするものだ。


 無表情なので、そんな空気は欠片も無いのがまた、アクアの誤解に拍車をかける。


「私っ、私はっ・・・!」


 いよいよ泣きそうなので、クロトは揶揄いを中止。

 詰め寄ってきていたアクアの唇を奪い、ベッドに押し倒す。


「んむっ・・・!?ふあっ・・・!ああっ・・・!」


 アクアはクロトの態度から、揶揄われていたことを理解。

 だが、文句を言う間もなく、何度も唇を奪われ続けた。



 クロトが先程のような揶揄い方をするなど、大変珍しいこと。

 やはり、クロトも男ということか。



 そのまま二人は、深夜になるまで、熱い時間を過ごしたのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ) 安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると めちゃめちゃ強かった! 気軽に読めるので、暇つぶしに是非! 涙あり、笑いあり シリアスなおとぼけ冒険譚! 異世界ラブ冒険ファンタジー!

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

スキルガチャで異世界を冒険しよう

つちねこ
ファンタジー
異世界に召喚されて手に入れたスキルは「ガチャ」だった。 それはガチャガチャを回すことで様々な魔道具やスキルが入手できる優れものスキル。 しかしながら、お城で披露した際にただのポーション精製スキルと勘違いされてしまう。 お偉いさん方による検討の結果、監視の目はつくもののあっさりと追放されてしまう事態に……。 そんな世知辛い異世界でのスタートからもめげることなく頑張る主人公ニール(銭形にぎる)。 少しずつ信頼できる仲間や知り合いが増え、何とか生活の基盤を作れるようになっていく。そんなニールにスキル「ガチャ」は少しづつ奇跡を起こしはじめる。

神々に育てられた人の子は最強です

Solar
ファンタジー
突如現れた赤ん坊は多くの神様に育てられた。 その神様たちは自分たちの力を受け継ぐようその赤ん 坊に修行をつけ、世界の常識を教えた。 何故なら神様たちは人の闇を知っていたから、この子にはその闇で死んで欲しくないと思い、普通に生きてほしいと思い育てた。 その赤ん坊はすくすく育ち地上の学校に行った。 そして十八歳になった時、高校生の修学旅行に行く際異世界に召喚された。 その世界で主人公が楽しく冒険し、異種族達と仲良くし、無双するお話です 初めてですので余り期待しないでください。 小説家になろう、にも登録しています。そちらもよろしくお願いします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。