318 / 600
第二部「創世神降臨」編
未見の天種狩りツアー
しおりを挟む
深海大魚をしとめたクロトたちは、次の標的へと向かっていた。
途中で氷天水と何度か交戦したが、問題なく倒している。
青の主と遭遇していないのは、生息数の違いによるのであろう。
クロトたちが標的にした魔物は、超古代深海貝。
天種で、レベル89となっている。
姿形は、俗にいう、ノーチラスというやつだろうか。
能力値は防御力が高めで、平均2500前後。
特筆すべき点は、レアスキル「深貝魔法」だけ。
深海魔法とかけているのかもしれないが、実にくだらない。
近くまで接近して戦闘を開始。
貝は水による攻撃を飛ばしてくるが、これまでの敵とは大きく違っている。
派手で大規模な魔法では無く、地味で小規模な魔法であった。
ただ、その瞬間攻撃力は高く、ウォーターカッターに似ている。
巨体から繰り出されるそれは、貫通力が高く、まともに喰らうと危険。
アクアへ向かった水鉄砲は、自動で迎撃され、全て防御成功。
常時、事前に発動を欠かしていない、オートガードの水神魔法だ。
クロトは半転移を使用して、余裕で回避した。
一直線の攻撃だったので、シビアなタイミング合わせも容易に出来たようだ。
ちなみに、わざわざ先手を譲ったのは、戦い方を一度は見ておきたいからである。
「水神魔法・水神圧壊!」
練習の成果もあり水神魔法に統合された深海魔法の能力を使用したアクア。
文字通り、水圧をかけて敵を圧殺する魔法なのだが、とても効果が高い。
手加減した一撃で、敵は瀕死に。
「創世一閃・神断!」
クロトの絶対遮断をを纏った一閃でとどめを刺され、貝は沈黙した。
アクアの水圧系魔法の効果が高い理由は三つ。
一つ目が深海だからということ。
二つ目が魔力が高いからということ。
そして最後に、自由自在に水を操るがゆえに、水圧をかけやすい、ということ。
アクアにピッタリの魔法で、深海での戦いで使用頻度が高くなりそうである。
貝は海亀や大魚ほど大きくは無いので、解体を行った。
手に入ったのは、貝系統の海鮮食料が大量と、水射結晶
クロトの装備に使えるかは微妙だが、アクアの装備には丁度良さそうだ。
「深海ともなると、色んな魔物が居て面白いね。」
「町に現れたら大問題ですが、それについては同意します。」
情報を集めることに貪欲なクロトは、初見の魔物を大歓迎する。
戦闘経験も積めるので、戦わない手は無いだろう。
「マッピングも進んでいるんだけど・・・随分広いね・・・。」
「・・・本当ですね。相当移動したつもりでしたが、まだ全体の半分程ですか。」
クロトが可視化した広域マップを見て、口に手を当てて驚くアクア。
すでに一週間ほど深海を歩き続けているのに、まだ半分。
「まあ、全極の島よりは早いかな。あの時とは条件が違い過ぎるけど。」
全極の島は、門番こそ普通の天種でしか無かったが、そこへ至る過程が大変。
今のクロトならあっという間に踏破出来る場所ではあるのだが。
それを考慮すれば、一週間で全体の半分というペースから、海底の広さが伺える。
「あっ・・・クロトさん、何かあります。海上から沈んだ物の可能性が高いです。」
「ん?海上から・・・・・・船の残骸か何かかな?」
「そう、ですね・・・形状からして、それで間違いないかと。」
それから、さらに気づいたことが一つ。
「それと、同じ場所に未見の魔物が存在しています。」
「なるほど。これは、行かない手は無いね。そちらへ向かっても良いかな?」
「はい、もちろんです。」
クロトとアクアは沈没船らしき物がある場所へ向かった。
天眼で確認できる距離まで来て、その場所を見通すクロト。
「・・・間違いなく船だね。それと、幽霊系の魔物が居る。」
クロトが確認したのは、船幽霊皇帝種が数十体。
幽霊船長レベル97が一体。
宝箱に扮した、ゴージャスミミック、レベル85が一体。
そして、幽霊沈没船レベル90が一体(一隻?)。
内容をアクアに伝えると、驚愕で目を見開いていた。
「船、が・・・魔物に、ですか・・・?」
「うん、僕も船が魔物になるなんて、初めて聞いた。」
通常、船は沈んでも海の藻屑となるだけ。
一般的な知識では、間違っても魔物化するなど無いはず。
とはいえ、現に起こっている事なのだから、実はあり得る現象なのだろう。
ちなみに、元からそういう魔物として生まれたという線は、既に排除した。
他でもないクロトが、だ。
アクアがその判断の理由を尋ねたので、クロトは簡単に説明した。
「幾つか理由はあるけど・・・魔物として生まれたにしては、無駄が多からね。」
「無駄、ですか・・・?」
「ああ。沈没船に帆の残骸なんていらないし、旗も要らないよね?」
クロトの説明に、アクアは納得した。
「そうですね、力は有限ですから。普通は別の場所に凝ると思います。」
何とも合理的な説明である。
問題は、誰の船か、という事なのだが・・・。
「まあ、倒せば分かるし、結論を出すには早計だね。」
そうして二人は、幽霊船を倒すことに決めたのだった。
途中で氷天水と何度か交戦したが、問題なく倒している。
青の主と遭遇していないのは、生息数の違いによるのであろう。
クロトたちが標的にした魔物は、超古代深海貝。
天種で、レベル89となっている。
姿形は、俗にいう、ノーチラスというやつだろうか。
能力値は防御力が高めで、平均2500前後。
特筆すべき点は、レアスキル「深貝魔法」だけ。
深海魔法とかけているのかもしれないが、実にくだらない。
近くまで接近して戦闘を開始。
貝は水による攻撃を飛ばしてくるが、これまでの敵とは大きく違っている。
派手で大規模な魔法では無く、地味で小規模な魔法であった。
ただ、その瞬間攻撃力は高く、ウォーターカッターに似ている。
巨体から繰り出されるそれは、貫通力が高く、まともに喰らうと危険。
アクアへ向かった水鉄砲は、自動で迎撃され、全て防御成功。
常時、事前に発動を欠かしていない、オートガードの水神魔法だ。
クロトは半転移を使用して、余裕で回避した。
一直線の攻撃だったので、シビアなタイミング合わせも容易に出来たようだ。
ちなみに、わざわざ先手を譲ったのは、戦い方を一度は見ておきたいからである。
「水神魔法・水神圧壊!」
練習の成果もあり水神魔法に統合された深海魔法の能力を使用したアクア。
文字通り、水圧をかけて敵を圧殺する魔法なのだが、とても効果が高い。
手加減した一撃で、敵は瀕死に。
「創世一閃・神断!」
クロトの絶対遮断をを纏った一閃でとどめを刺され、貝は沈黙した。
アクアの水圧系魔法の効果が高い理由は三つ。
一つ目が深海だからということ。
二つ目が魔力が高いからということ。
そして最後に、自由自在に水を操るがゆえに、水圧をかけやすい、ということ。
アクアにピッタリの魔法で、深海での戦いで使用頻度が高くなりそうである。
貝は海亀や大魚ほど大きくは無いので、解体を行った。
手に入ったのは、貝系統の海鮮食料が大量と、水射結晶
クロトの装備に使えるかは微妙だが、アクアの装備には丁度良さそうだ。
「深海ともなると、色んな魔物が居て面白いね。」
「町に現れたら大問題ですが、それについては同意します。」
情報を集めることに貪欲なクロトは、初見の魔物を大歓迎する。
戦闘経験も積めるので、戦わない手は無いだろう。
「マッピングも進んでいるんだけど・・・随分広いね・・・。」
「・・・本当ですね。相当移動したつもりでしたが、まだ全体の半分程ですか。」
クロトが可視化した広域マップを見て、口に手を当てて驚くアクア。
すでに一週間ほど深海を歩き続けているのに、まだ半分。
「まあ、全極の島よりは早いかな。あの時とは条件が違い過ぎるけど。」
全極の島は、門番こそ普通の天種でしか無かったが、そこへ至る過程が大変。
今のクロトならあっという間に踏破出来る場所ではあるのだが。
それを考慮すれば、一週間で全体の半分というペースから、海底の広さが伺える。
「あっ・・・クロトさん、何かあります。海上から沈んだ物の可能性が高いです。」
「ん?海上から・・・・・・船の残骸か何かかな?」
「そう、ですね・・・形状からして、それで間違いないかと。」
それから、さらに気づいたことが一つ。
「それと、同じ場所に未見の魔物が存在しています。」
「なるほど。これは、行かない手は無いね。そちらへ向かっても良いかな?」
「はい、もちろんです。」
クロトとアクアは沈没船らしき物がある場所へ向かった。
天眼で確認できる距離まで来て、その場所を見通すクロト。
「・・・間違いなく船だね。それと、幽霊系の魔物が居る。」
クロトが確認したのは、船幽霊皇帝種が数十体。
幽霊船長レベル97が一体。
宝箱に扮した、ゴージャスミミック、レベル85が一体。
そして、幽霊沈没船レベル90が一体(一隻?)。
内容をアクアに伝えると、驚愕で目を見開いていた。
「船、が・・・魔物に、ですか・・・?」
「うん、僕も船が魔物になるなんて、初めて聞いた。」
通常、船は沈んでも海の藻屑となるだけ。
一般的な知識では、間違っても魔物化するなど無いはず。
とはいえ、現に起こっている事なのだから、実はあり得る現象なのだろう。
ちなみに、元からそういう魔物として生まれたという線は、既に排除した。
他でもないクロトが、だ。
アクアがその判断の理由を尋ねたので、クロトは簡単に説明した。
「幾つか理由はあるけど・・・魔物として生まれたにしては、無駄が多からね。」
「無駄、ですか・・・?」
「ああ。沈没船に帆の残骸なんていらないし、旗も要らないよね?」
クロトの説明に、アクアは納得した。
「そうですね、力は有限ですから。普通は別の場所に凝ると思います。」
何とも合理的な説明である。
問題は、誰の船か、という事なのだが・・・。
「まあ、倒せば分かるし、結論を出すには早計だね。」
そうして二人は、幽霊船を倒すことに決めたのだった。
0
お気に入りに追加
6,338
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。