113 / 600
第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
膝枕と解体
しおりを挟む
クロトは目を覚ました。
すると、後頭部に、なにやら柔らかい感覚が。
手を伸ばして確認してみる。
「んあっ・・・!?クロ、ト・・・?起き、た、の・・・?」
「うん・・・?エメラ・・・?」
クロトはエメラの艶が混じった声で、完全に目を覚ました。
そして、自分がエメラに膝枕されていることに気づく。
「エメラ、これは一体・・・?」
「ん・・・。膝枕・・・してみた、かった、から・・・。」
エメラはクロトの顔を覗き込みながら、そう言った。
少し恥ずかしいのか、頬が赤く染まっている。
クロトがこの状況に照れ笑いを浮かべると、エメラは不安そうになった。
「クロト・・・?いや、だった・・・?」
「まさか。とっても幸せな気分だよ。」
妙な誤解をされてしまったのっで、慌てて訂正しておく。
クロトは普段、照れ笑いなどしないので、誤解されてもおかしくは無いのだ。
「よかっ、た・・・。それ、と・・・私、も・・・幸せ、だよ・・・?」
エメラは美しい微笑みを浮かべて、幸せそうにそう言ったのだった。
クロトは、エメラの天然な誘惑に、必死で耐え続けたのだった。
あの微笑みと、クロトを撫でる手、太腿の感触は、反則だ。
クロトは心の底から、そう思わざるを得なかった。
「わたくしは忘れられている訳では無いんですわよね・・・?」
エメラとの膝枕権争奪戦に負けたマリアは、ポツリと言葉を零したのだった。
「そんな訳で。マリアの膝枕は、また今度所望するよ。」
「・・・約束ですわよ?」
クロトが中々起き上がらない為に拗ねてしまったマリア。
数時間も起き上がらなかったクロトが悪い。
起きてから数分で体を起こせるようになっていたというのに。
数時間の間、ずっとエメラとイチャついていたのを見続けていたマリア。
色々と我慢ならなくなってしまったのだ。
断絶空間内とはいえ、そんな行為をするつもりはないため、余計に。
クロトはそんなマリアの様子を見て揶揄った。
それは拗ねてしまってもおかしくない。
お詫びとして、次の機会ではマリアに膝枕をお願いすることにしたのだ。
マリアは喜んでそれを受諾。
クロトの予定通りの話運びとなった。
「それじゃあ、解体を始めるね。二人は見学してて?」
クロトは二人に見学しているよう告げてから、解体を始めた。
グレンから話を聞いていたので、何とか解体可能だ。
二人は、クロトが解体に集中している間、解体を学びつつも雑談をしていた。
「エメラ、クロトに膝枕をしてあげた気分はどうですの・・・?」
「ん・・・。とて、も・・・よかった・・・よ・・・?」
とろけそうな微笑みで幸福具合を表現したエメラ。
マリアは同性であるにも関わらず、ドキッとさせられた。
一応言っておくが、マリアに同性愛の趣味は無い。
クロトが女性だったら・・・どうなっていたかは不明だが。
「羨ましいですわ・・・。」
「ん・・・。マリア、も・・・次、が・・・ある・・・。」
「・・・そうですわね。それまでは、我慢することにしますわ。」
気持ちを切り替えたマリアは、エメラを揶揄うことにした。
「ところで・・・クロトに触れられて気持ちよかったんですの?」
マリアは、クロトが目を覚ました時のことを言っているようだ。
「っ・・・!?それ、は・・・。」
「あんな喘ぎ声をあげるくらいですから、さぞ快感だったんですわよね?」
「・・・・・・。」
真っ赤になって俯いてしまったエメラは、何も答えなかった。
エメラは、未だに自分があんな声をあげることが信じられないでいる。
普段はそんな声など出たことが無い。
だというのに、クロトに触れられると、自然と口から零れてしまうのだ。
どれだけ抑えようとしても、何の効果も無い。
そのことだけは、エメラの精神力をもってしても、耐えられない程恥ずかしい。
そして、自分のその声を聴いて、冷静沈着なクロトが興奮している。
そう考えると、幸せやら恥ずかしいやら、ムズムズした感覚に襲われる。
そんな感情を必死に隠そうとする様子がまた、クロトの興奮を誘うのだが。
エメラは欠片も、そんなことを理解していないのだった。
クロトが解体を終えて戻ってくると、エメラが真っ赤になって俯いていた。
そして、マリアがニヤニヤとしながら、それを眺めていた。
おおよそ何があったのかを察したクロトは、マリアに向けて、こう言った。
「マリア。人を揶揄うなら、自分が揶揄われる覚悟も、出来てるよね?」
「・・・・・・えっ?」
クロトは、獄界の穴でアザゼルと戦った時のマリアの発言を耳元で囁いた。
マリアは顔を真っ赤にしてクロトに詰め寄って来た。
そこで、更にもう一度同じことを囁く。
十回以上囁かれたマリアは、ノックアウトされたのだった。
ちなみにクロトは、揶揄われて恥ずかしがるような精神は持ち合わせていない。
ゆえに、自分はマリアを揶揄っても良いと思っている。
とんだ暴論である。
すると、後頭部に、なにやら柔らかい感覚が。
手を伸ばして確認してみる。
「んあっ・・・!?クロ、ト・・・?起き、た、の・・・?」
「うん・・・?エメラ・・・?」
クロトはエメラの艶が混じった声で、完全に目を覚ました。
そして、自分がエメラに膝枕されていることに気づく。
「エメラ、これは一体・・・?」
「ん・・・。膝枕・・・してみた、かった、から・・・。」
エメラはクロトの顔を覗き込みながら、そう言った。
少し恥ずかしいのか、頬が赤く染まっている。
クロトがこの状況に照れ笑いを浮かべると、エメラは不安そうになった。
「クロト・・・?いや、だった・・・?」
「まさか。とっても幸せな気分だよ。」
妙な誤解をされてしまったのっで、慌てて訂正しておく。
クロトは普段、照れ笑いなどしないので、誤解されてもおかしくは無いのだ。
「よかっ、た・・・。それ、と・・・私、も・・・幸せ、だよ・・・?」
エメラは美しい微笑みを浮かべて、幸せそうにそう言ったのだった。
クロトは、エメラの天然な誘惑に、必死で耐え続けたのだった。
あの微笑みと、クロトを撫でる手、太腿の感触は、反則だ。
クロトは心の底から、そう思わざるを得なかった。
「わたくしは忘れられている訳では無いんですわよね・・・?」
エメラとの膝枕権争奪戦に負けたマリアは、ポツリと言葉を零したのだった。
「そんな訳で。マリアの膝枕は、また今度所望するよ。」
「・・・約束ですわよ?」
クロトが中々起き上がらない為に拗ねてしまったマリア。
数時間も起き上がらなかったクロトが悪い。
起きてから数分で体を起こせるようになっていたというのに。
数時間の間、ずっとエメラとイチャついていたのを見続けていたマリア。
色々と我慢ならなくなってしまったのだ。
断絶空間内とはいえ、そんな行為をするつもりはないため、余計に。
クロトはそんなマリアの様子を見て揶揄った。
それは拗ねてしまってもおかしくない。
お詫びとして、次の機会ではマリアに膝枕をお願いすることにしたのだ。
マリアは喜んでそれを受諾。
クロトの予定通りの話運びとなった。
「それじゃあ、解体を始めるね。二人は見学してて?」
クロトは二人に見学しているよう告げてから、解体を始めた。
グレンから話を聞いていたので、何とか解体可能だ。
二人は、クロトが解体に集中している間、解体を学びつつも雑談をしていた。
「エメラ、クロトに膝枕をしてあげた気分はどうですの・・・?」
「ん・・・。とて、も・・・よかった・・・よ・・・?」
とろけそうな微笑みで幸福具合を表現したエメラ。
マリアは同性であるにも関わらず、ドキッとさせられた。
一応言っておくが、マリアに同性愛の趣味は無い。
クロトが女性だったら・・・どうなっていたかは不明だが。
「羨ましいですわ・・・。」
「ん・・・。マリア、も・・・次、が・・・ある・・・。」
「・・・そうですわね。それまでは、我慢することにしますわ。」
気持ちを切り替えたマリアは、エメラを揶揄うことにした。
「ところで・・・クロトに触れられて気持ちよかったんですの?」
マリアは、クロトが目を覚ました時のことを言っているようだ。
「っ・・・!?それ、は・・・。」
「あんな喘ぎ声をあげるくらいですから、さぞ快感だったんですわよね?」
「・・・・・・。」
真っ赤になって俯いてしまったエメラは、何も答えなかった。
エメラは、未だに自分があんな声をあげることが信じられないでいる。
普段はそんな声など出たことが無い。
だというのに、クロトに触れられると、自然と口から零れてしまうのだ。
どれだけ抑えようとしても、何の効果も無い。
そのことだけは、エメラの精神力をもってしても、耐えられない程恥ずかしい。
そして、自分のその声を聴いて、冷静沈着なクロトが興奮している。
そう考えると、幸せやら恥ずかしいやら、ムズムズした感覚に襲われる。
そんな感情を必死に隠そうとする様子がまた、クロトの興奮を誘うのだが。
エメラは欠片も、そんなことを理解していないのだった。
クロトが解体を終えて戻ってくると、エメラが真っ赤になって俯いていた。
そして、マリアがニヤニヤとしながら、それを眺めていた。
おおよそ何があったのかを察したクロトは、マリアに向けて、こう言った。
「マリア。人を揶揄うなら、自分が揶揄われる覚悟も、出来てるよね?」
「・・・・・・えっ?」
クロトは、獄界の穴でアザゼルと戦った時のマリアの発言を耳元で囁いた。
マリアは顔を真っ赤にしてクロトに詰め寄って来た。
そこで、更にもう一度同じことを囁く。
十回以上囁かれたマリアは、ノックアウトされたのだった。
ちなみにクロトは、揶揄われて恥ずかしがるような精神は持ち合わせていない。
ゆえに、自分はマリアを揶揄っても良いと思っている。
とんだ暴論である。
0
お気に入りに追加
6,337
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。