85 / 600
第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
エピローグ9
しおりを挟む
「クロト、アクアに何をしたんですの・・・?」
「え?特別なことはしていないはずだよ?」
「・・・それは嘘だと言わざるをえない。」
「ええ・・・?」
クロトとしては、当然の如く、慰めの言葉を掛けただけ。
特別な事など何もしていないつもりであるため、心当たりがない。
結果として、困惑することとなった。
「さっさと白状してくださいまし。」
「・・・クロトは、嘘を吐かないはず。」
「いや、本当に心当たりが無いよ・・・?」
自分は何もしていないと否定するクロト。
「でしたら!何故こんなことになっているのかを説明してくださいましっ!」
マリアが示した方にあるのは・・・
「あああああっ!?」
・・・叫びながら、床で転げまわるアクアの姿だった。
仕方が無いので、先ほどあったことを説明しようとするクロト。
「実は、さっきアクアが「あああああっ!何でもありませんよっ!」・・・。」
アクアがクロトを遮った。
自分の痴態のことを言われてはたまらないからだ。
「本当に何も無かったんですの・・・?」
「はい。本当に何もありませんでした。」
アクアはいつも通りに戻って、そう答えた。
「・・・なら、何も無かったのに、転げまわる人ということに?」
「もう、それで構いませんから・・・。」
ヴィオラとマリアは首を傾げながらも、一応は納得したのだった。
アクアは少し泣きそうだったが。
ちなみに、この件の真相は、後日明らかになるのだが、それはまた別の話。
クロトたちは、ダンジョンコアのある小部屋へやって来ていた。
四人で一斉にダンジョンコアを破壊する。
<ダンジョンが踏破されました>
<踏破されたダンジョンのレベルは9です>
<規格外の個体との戦闘ログを確認>
<目録から11個お選びください>
どうやら、全剣帝はユニークモンスターだったらしい。
解体の結果、死体以外は目ぼしいものが手に入らなかったが。
いや、1つだけ、全剣帝の剣は、かなりの上物だった。
話し合った末、ヴィオラに渡された。
報酬を選んでいく四人。
ヴィオラは剣を貰ったため、他の三人よりも1つ少ない。
選び終わると転移水晶が出現したので、それに触れて転移する。
ダンジョンの入口に戻って来たクロトたち。
「天空島のマーキングは済んだから、もう大丈夫だね。」
「・・・岩が落ちて来ても気づける、と?」
「そういうこと。」
クロトは、わざわざ天空島を探した目的を果たした。
「さて、それじゃあ帰・・・?」
「どうかしましたか、クロトさん?」
突然言葉をとめたクロトを心配して、そう尋ねるアクア。
クロトはとあるものを見つけたため、そちらに向かって行く。
やってきた所にあったのは、石ころの山。
「クロトさん・・・?」
「アクア・・・これ、大空の恩恵なんだけど。」
「え?・・・えええっ!?これらが全て、ですか・・・!?」
そこにあったのは石ころの山にあらず。
大空の恩恵なり。
クロトは文字通り、山となっているソレらを見ながら、呟いた。
「まあ、空のエネルギーなんて、他に行き場がないよね・・・。」
大空の恩恵は、大地の恩恵や大海の恩恵と、同じくらいの価値がある。
それが山のように存在している。
クロトの資産はまたしても増え、他の三人も、売れば大金持ちだ。
そんな中、クロトが心配することは、2つ。
1つは、グレンが買い取れるかどうか。
そしてもう1つは・・・
「マリア、お金が入っても、ニートにはならないよね・・・?」
「そんなものにはなりませんわ!わたくしを何だと思ってますの!」
「何って・・・無職?」
「ですからっ、無職と言わないでくれませんのっ!?」
そんな訳で、天空島の探索は終わったのだった。
後日、グレンに大空の恩恵のことを話すと、やはり買取を希望した。
お金は大丈夫なのかとクロトが思っていたら、袋を大量に持ってきた。
「あの、このお金はどうしたんですか・・・?」
なぜ、こんなに大量の黒金貨があるのかを尋ねる。
グレンのことなので心配はしていないが、どうやって稼いだのか、気になった。
「故郷まで行って、家の倉庫から持ってきただけだ。」
「なるほど・・・。」
怪しいお金で無くて何よりである。
「何人か破産してるかもしれないが、どうでもいい。」
クロトは、そんなグレンの言葉を、聞かなかったことにしたのだった。
「え?特別なことはしていないはずだよ?」
「・・・それは嘘だと言わざるをえない。」
「ええ・・・?」
クロトとしては、当然の如く、慰めの言葉を掛けただけ。
特別な事など何もしていないつもりであるため、心当たりがない。
結果として、困惑することとなった。
「さっさと白状してくださいまし。」
「・・・クロトは、嘘を吐かないはず。」
「いや、本当に心当たりが無いよ・・・?」
自分は何もしていないと否定するクロト。
「でしたら!何故こんなことになっているのかを説明してくださいましっ!」
マリアが示した方にあるのは・・・
「あああああっ!?」
・・・叫びながら、床で転げまわるアクアの姿だった。
仕方が無いので、先ほどあったことを説明しようとするクロト。
「実は、さっきアクアが「あああああっ!何でもありませんよっ!」・・・。」
アクアがクロトを遮った。
自分の痴態のことを言われてはたまらないからだ。
「本当に何も無かったんですの・・・?」
「はい。本当に何もありませんでした。」
アクアはいつも通りに戻って、そう答えた。
「・・・なら、何も無かったのに、転げまわる人ということに?」
「もう、それで構いませんから・・・。」
ヴィオラとマリアは首を傾げながらも、一応は納得したのだった。
アクアは少し泣きそうだったが。
ちなみに、この件の真相は、後日明らかになるのだが、それはまた別の話。
クロトたちは、ダンジョンコアのある小部屋へやって来ていた。
四人で一斉にダンジョンコアを破壊する。
<ダンジョンが踏破されました>
<踏破されたダンジョンのレベルは9です>
<規格外の個体との戦闘ログを確認>
<目録から11個お選びください>
どうやら、全剣帝はユニークモンスターだったらしい。
解体の結果、死体以外は目ぼしいものが手に入らなかったが。
いや、1つだけ、全剣帝の剣は、かなりの上物だった。
話し合った末、ヴィオラに渡された。
報酬を選んでいく四人。
ヴィオラは剣を貰ったため、他の三人よりも1つ少ない。
選び終わると転移水晶が出現したので、それに触れて転移する。
ダンジョンの入口に戻って来たクロトたち。
「天空島のマーキングは済んだから、もう大丈夫だね。」
「・・・岩が落ちて来ても気づける、と?」
「そういうこと。」
クロトは、わざわざ天空島を探した目的を果たした。
「さて、それじゃあ帰・・・?」
「どうかしましたか、クロトさん?」
突然言葉をとめたクロトを心配して、そう尋ねるアクア。
クロトはとあるものを見つけたため、そちらに向かって行く。
やってきた所にあったのは、石ころの山。
「クロトさん・・・?」
「アクア・・・これ、大空の恩恵なんだけど。」
「え?・・・えええっ!?これらが全て、ですか・・・!?」
そこにあったのは石ころの山にあらず。
大空の恩恵なり。
クロトは文字通り、山となっているソレらを見ながら、呟いた。
「まあ、空のエネルギーなんて、他に行き場がないよね・・・。」
大空の恩恵は、大地の恩恵や大海の恩恵と、同じくらいの価値がある。
それが山のように存在している。
クロトの資産はまたしても増え、他の三人も、売れば大金持ちだ。
そんな中、クロトが心配することは、2つ。
1つは、グレンが買い取れるかどうか。
そしてもう1つは・・・
「マリア、お金が入っても、ニートにはならないよね・・・?」
「そんなものにはなりませんわ!わたくしを何だと思ってますの!」
「何って・・・無職?」
「ですからっ、無職と言わないでくれませんのっ!?」
そんな訳で、天空島の探索は終わったのだった。
後日、グレンに大空の恩恵のことを話すと、やはり買取を希望した。
お金は大丈夫なのかとクロトが思っていたら、袋を大量に持ってきた。
「あの、このお金はどうしたんですか・・・?」
なぜ、こんなに大量の黒金貨があるのかを尋ねる。
グレンのことなので心配はしていないが、どうやって稼いだのか、気になった。
「故郷まで行って、家の倉庫から持ってきただけだ。」
「なるほど・・・。」
怪しいお金で無くて何よりである。
「何人か破産してるかもしれないが、どうでもいい。」
クロトは、そんなグレンの言葉を、聞かなかったことにしたのだった。
0
お気に入りに追加
6,338
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。