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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
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「なんというか、揶揄いたくなる人でしたわね・・・。」
「そうだね。マリアに続いての、第二位だよ。」
「わたくしっ、アレに負けてるんですのっ!?」
流石にそれは無いだろうと思うも、クロトの表情は本気だ。
「そんなのは嫌ですの・・・。」
「・・・・・・マリアは、今の関係性が嫌いかな?」
もしそうなら、考え直さなければならないと思いつつ、問いかけた。
「・・・不思議なことに、嫌ではありませんわ。」
クロトはこれからも、遠慮なく揶揄うことに決めたのだった。
マリアに今後の予定を大まかに伝えた後、クロトは模擬戦をしていた。
対戦相手は、ヴィオラ&アクア。
前衛と後衛なので、バランスは良い。
ヴィオラ一人なら問題ないのだが、アクアの的確な援護が入ると・・・。
(中々に攻めきれない。この二人の組み合わせが、こんなに厄介とは。)
元々、因果の誘導により回避などが得意なヴィオラ。
相手に少しの隙でもあれば、回避可能なのだ。
アクアの的確な援護が入れば、回避は容易い。
後衛のアクアから狙うというのも、限定的に未来を見るヴィオラに阻まれる。
また、アクアの援護は、感知能力のおかげで、確実。
ゆえに、クロトがとる手段は・・・
「・・・っ!?アクア!」
クロトが分身を生成し、片方がアクアに接近。
少し粘られてしまったが、アクアに剣を突き付けて戦闘終了となった。
「・・・ごめんなさい、アクア。」
「いえ、ヴィオラさんが悪いとは思いません。」
「・・・前衛として失格。」
「クロトさん二人分の相手が出来る人なんて、滅多にいませんよ。」
一方、何とか勝利を収めたクロトだが、意外と危なかった。
(分身を使わないと勝ちきれないくらいには、二人は強くなった。)
なんというか、ゲイザーを相手にしている気分になった。
殆どの策が意味を為さない、能力の組み合わせ。
能力値はクロトに分があるので、問題なく勝てる。
だが、そうでなければ、もっと苦労しただろう。
アクアとヴィオラは、ナツメとカレンも加えて全極の島へ行ってみるそうだ。
まずは、中間部の南側までだそうだが。
「そういえば、ナツメの出身国ってどこなの?」
「拙者でござるか?東国ジャンゼパールでござる。」
そんな国もあったことを思い出したクロト。
クロトの居る大陸には、4つの国があるが、そこには含まれていない。
ジャンゼパールは島国なのだ。
そこまで行く予定が無かったので、記憶が薄かったわけだ。
なお、他の国へ行く予定も、殆どない。
大体は、自然豊かなカラーヴォイス王国内で事足りるのだから。
「じゃあ、いってみようか。」
「・・・・・・ああ、例の場所を探すんですのね?」
「・・・良く分かったね?」
「分からないと思ったなら何故言ったんですの!」
クロトが探しているのは、俗にいう、天空島だ。
天空島については、何の情報もない。
王城の書庫にも、だ。
では、何故そんなものがあると推測したのか。
それは、ヴィオラの過去に関係がある。
ヴィオラはある日、唐突にすべてを失った。
訳も分からないままに。
ヴィオラ自身、何故ああなったのか、未だに分からないそうだ。
いきなり屋敷で爆発が起きたかと思えば、全てが消えて無くなっていた。
クロトはヴィオラに頼んで、現場に連れて行ってもらった。
辛いことを思い出させるのは嫌だが、反省と対策は必須だ。
「・・・私には、クロトが居るから、大丈夫。」
ヴィオラは、そう言って案内してくれた。
現場は、何も無かった。
屋敷があったかどうかも不明な、更地だった。
涙を流すヴィオラをなぐさめつつ、周囲を捜索した。
そして、クロトが見つけたのは。
「隕石、ですの?」
「いや、厳密には違うよ。」
宇宙からあのサイズの隕石が落ちてきたら、あの程度ではすまない。
つまり、宇宙より低い所から降って来た、岩のようなもの。
これが、天空島の存在を疑う理由だ。
少なくとも、現場の岩のようなものに魔力は無かったため、魔法ではない。
かなり不確かだが、いつまた降ってくるか分からないので、知っておきたい。
それが、クロトが天空島を探す理由だ。
「雲を掴むような話ですわね・・・。」
「まあね。どこにあるかの予想もつけられないし、移動しないとも限らない。」
「ますます絶望的になりましたわ・・・。」
「まあ、時間もあるし、良いんじゃないかな?」
そして二人は、空へ飛び出した。
「この手伝いを頼めるのって、無職のマリアしか居ないんだよね・・・。」
「無職と言わないでくださいまし!」
「そうだね。マリアに続いての、第二位だよ。」
「わたくしっ、アレに負けてるんですのっ!?」
流石にそれは無いだろうと思うも、クロトの表情は本気だ。
「そんなのは嫌ですの・・・。」
「・・・・・・マリアは、今の関係性が嫌いかな?」
もしそうなら、考え直さなければならないと思いつつ、問いかけた。
「・・・不思議なことに、嫌ではありませんわ。」
クロトはこれからも、遠慮なく揶揄うことに決めたのだった。
マリアに今後の予定を大まかに伝えた後、クロトは模擬戦をしていた。
対戦相手は、ヴィオラ&アクア。
前衛と後衛なので、バランスは良い。
ヴィオラ一人なら問題ないのだが、アクアの的確な援護が入ると・・・。
(中々に攻めきれない。この二人の組み合わせが、こんなに厄介とは。)
元々、因果の誘導により回避などが得意なヴィオラ。
相手に少しの隙でもあれば、回避可能なのだ。
アクアの的確な援護が入れば、回避は容易い。
後衛のアクアから狙うというのも、限定的に未来を見るヴィオラに阻まれる。
また、アクアの援護は、感知能力のおかげで、確実。
ゆえに、クロトがとる手段は・・・
「・・・っ!?アクア!」
クロトが分身を生成し、片方がアクアに接近。
少し粘られてしまったが、アクアに剣を突き付けて戦闘終了となった。
「・・・ごめんなさい、アクア。」
「いえ、ヴィオラさんが悪いとは思いません。」
「・・・前衛として失格。」
「クロトさん二人分の相手が出来る人なんて、滅多にいませんよ。」
一方、何とか勝利を収めたクロトだが、意外と危なかった。
(分身を使わないと勝ちきれないくらいには、二人は強くなった。)
なんというか、ゲイザーを相手にしている気分になった。
殆どの策が意味を為さない、能力の組み合わせ。
能力値はクロトに分があるので、問題なく勝てる。
だが、そうでなければ、もっと苦労しただろう。
アクアとヴィオラは、ナツメとカレンも加えて全極の島へ行ってみるそうだ。
まずは、中間部の南側までだそうだが。
「そういえば、ナツメの出身国ってどこなの?」
「拙者でござるか?東国ジャンゼパールでござる。」
そんな国もあったことを思い出したクロト。
クロトの居る大陸には、4つの国があるが、そこには含まれていない。
ジャンゼパールは島国なのだ。
そこまで行く予定が無かったので、記憶が薄かったわけだ。
なお、他の国へ行く予定も、殆どない。
大体は、自然豊かなカラーヴォイス王国内で事足りるのだから。
「じゃあ、いってみようか。」
「・・・・・・ああ、例の場所を探すんですのね?」
「・・・良く分かったね?」
「分からないと思ったなら何故言ったんですの!」
クロトが探しているのは、俗にいう、天空島だ。
天空島については、何の情報もない。
王城の書庫にも、だ。
では、何故そんなものがあると推測したのか。
それは、ヴィオラの過去に関係がある。
ヴィオラはある日、唐突にすべてを失った。
訳も分からないままに。
ヴィオラ自身、何故ああなったのか、未だに分からないそうだ。
いきなり屋敷で爆発が起きたかと思えば、全てが消えて無くなっていた。
クロトはヴィオラに頼んで、現場に連れて行ってもらった。
辛いことを思い出させるのは嫌だが、反省と対策は必須だ。
「・・・私には、クロトが居るから、大丈夫。」
ヴィオラは、そう言って案内してくれた。
現場は、何も無かった。
屋敷があったかどうかも不明な、更地だった。
涙を流すヴィオラをなぐさめつつ、周囲を捜索した。
そして、クロトが見つけたのは。
「隕石、ですの?」
「いや、厳密には違うよ。」
宇宙からあのサイズの隕石が落ちてきたら、あの程度ではすまない。
つまり、宇宙より低い所から降って来た、岩のようなもの。
これが、天空島の存在を疑う理由だ。
少なくとも、現場の岩のようなものに魔力は無かったため、魔法ではない。
かなり不確かだが、いつまた降ってくるか分からないので、知っておきたい。
それが、クロトが天空島を探す理由だ。
「雲を掴むような話ですわね・・・。」
「まあね。どこにあるかの予想もつけられないし、移動しないとも限らない。」
「ますます絶望的になりましたわ・・・。」
「まあ、時間もあるし、良いんじゃないかな?」
そして二人は、空へ飛び出した。
「この手伝いを頼めるのって、無職のマリアしか居ないんだよね・・・。」
「無職と言わないでくださいまし!」
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