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まさかの落とし穴
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『……』
グレースとコーネリアが絶句していた。
「…まさか」
「これ程とは…」
あの後、アナベル&セシルは
『私達が先に戻ってメイドに準備させますわ』
と叫ぶなり走り出し、グレースに耳打ちされたアランはえ?という顔になった。そしてクラリアに首根っこ掴まれたアリスはそのまま女子寮のクラリア達の自室に引きずっていかれた。
一室がテーブルや椅子を隅に寄せて広くスペースが空けられており、そこに放り込まれたアリス。
「取り敢えず、ワルツのステップを踏んでみて」
そうクラリアに命じられたアリスは言われるままに、
「123、123」
とワルツの基本ステップを踏んでみせた。
『……』
そしてアリスはその場にいた全員を凍りつかせていた。
アナベルが叫ぶ。
「何ですの?その足踏み?!」
「猫のふみふみの方がまだワルツに見えますわっ」
セシルが信じられないという声を上げる。
二人の放った言葉の矢がブスブスと心に突き刺さったアリスは、
「…」
棒立ちでガックリと肩を落とした。
ゲームアリスと違い今のアリスは地元で既に舞踏会経験者。子供の頃から母にダンスレッスンも受けている。しかしアリスには破壊的に社交ダンスセンスが無かった。
一人で自由に踊る分には何の問題もない。だがパートナーと組んで決まったステップを踏む社交ダンスだけはどうしても踊れなかった。
ステップを間違える。相手の足を踏みまくり、相手を巻き添えにしてコケる、相手を何故か投げ飛ばす。
地元では、
「アリスは羽の様に軽いからどんなに踏んでも大丈夫。投げ飛ばせるものなら投げ飛ばしてご覧♪」
な父としか踊れないアリスだった。
「父しか踊ってくれませんって、こういう事?!」
「はい…」
「舞踏会でパートナーとはファーストダンスとラストダンスは必ず踊らなければならないのよ?」
「知ってます…」
「前学期も少ないとはいえダンスの授業があった筈よ。どうやって誤魔化していたの?」
「スススステップマット…」
「は?何それ?!」
「ずびばぜん」
「謝ればどうにかなる物では無いわ」
「スミマセン…、あの、今からでも何とか舞踏会のパートナーを断わる事は出来ないでしょうか?」
「無理に決まっているでしょう!一度は承諾しているのよっ。そもそも凄く失礼。ましてや相手は王族なの。今更断るなんて無理だわ」
キッパリ言い切るクラリアにアリスは救いを求めてグレースを見た。
「…」
グレースは無言で首を横に振る。
「?!」
グラッと傾くアリス。クラリアは予想外の落し穴に頭を抱えた。
「王族との決まり事は重いわ。まさか国外や天国に逃亡する訳にもいかないし、やるしかない、けど」
アリスは棒立ちで少し傾いている。
スッとその時アナベルが前に進み出た。アナベルはチョップでアリスを真っ直ぐに直すとアリスの手を取った。
「パートナーのリードがあれば少しはマシになるかもしれませんわ。私がリードしますからもう一度基本のステップを踏みなさい。アリス」
「や、あ、ででも女同士でどうやってリードを?」
首を傾げるアリスにアナベルはフンと鼻を鳴らした。
「私達はお兄様にエスコートして戴くのよ。でもお兄様の腕は二本しかありませんし」
「お兄様の首にしがみつこうかとも思ったのですが歩き辛くて断念しましたの」
セシルの残念そうな口調に、
そりゃそーだろっていうか試したんだ…。
と思ったが突っ込むのは止めたアリス。
『なので私達、交互に男装してカップルとなってパーティーに参加する事にしましたの。そうすればお兄様ともお姉様とも踊る事が出来て一石二鳥。素晴らしいアイデアでしょう』
ドヤ顔のアナベル&セシルにアリスは、
成る程、これがさっきのなぞなぞの答えか。
おおっと感心するアリス。その腰に優雅に手を回したアナベルは、
「さぁ、右足を前に、右に、後ろっ痛ーっ!」
踊り始めて三歩目でアリスはアナベルの足を思い切り踏み付けていた。
「ごめーんっ!」
足を押さえてうずくまるアナベルにアリスは後ろに飛び退りながら土下座。
「アナベル?!」
血相を変えたクラリアがアナベルに駆け寄った。邪魔な土下座アリスは押し退けられ床を転がるアリス。
クラリアはアナベルの傍らに膝を付き、アリスに踏まれたあたりの足をさする。
「ああ、痛かったでしょう。可哀想に」
そこにセシルがメイドと共に濡らしたタオルを持ってくる。そのタオルでアナベルの足を冷やして、次にクラリアはアリスをキッと見据えた。
「アリス、ボーッとしていないで貴方は光の魔法でアナベルの怪我に癒し魔法を掛けなさいっ」
「はっ、ハイッ」
転がったまま停止していたアリスはその声にビクッと大きく痙攣すると必死でアナベルの所へ這って行き、
「…」
取り敢えず自分の手をアナベルの足の踏んでしまった辺りにかざしてみた。
「…」
暫くの間、無音の状態の後、アナベルがボソッ言う。
「…何も感じませんわ。痛みも引きませんわ」
ドン。
今度はセシルがアリスを突き飛ばした。再び床を転がるアリス。
「椅子で休みましょう、アナベル」
アナベルはメイドの手を借りると椅子へと移動しクラリアとセシルはそれに付き添う。
「……」
床に転がったまま微動だにせずアリスは白い壁を見つめた。
どうしよう、凄くヤバい事になってない?喪女ルートの筈が何故かカイルルートに入った?上に私は社交ダンスが出来ない。
可怪しくない?!
クリラブ1のクリスマス舞踏会でヒロインがダンスを猛特訓なんてシーンはひとつも無かったよね?!社交ダンス初心者ゲームアリスは授業のダンスレッスンだけで何の苦労もなく安々と優雅に攻略対象キャラクター達とダンスを踊ってた。
なのに私は子供の頃から母の特訓を受けてきたにも関わらず壊滅的に踊れない…。
男爵家や子爵家の舞踏会でも男気あるメンズ達を皆、舞踏会場の床に沈めてきたアリス。父だけがアリスが足を踏もうが蹴ろうが投げ技を掛けようが持ち堪えていた。
乙女ゲームイベントなのにどうしてなの?前世の記憶が原因?でも私は前世では普通に踊れてた、フォークダンスだけど。
喪女ルート快走の筈がいつの間にか高難易度キャラクター、カイル王太子の高難易度ルートの入り口で立ち尽くしているヒロインアリス。
「ぐはっ」
頭を抱えたアリスは床の上をゴロゴロと転がった。
リアル乙女ゲーム、難しすぎる!ゲームで舞踏会イベントのキャンセルコマンドは無かったか?。いっその事リセットボタンでも良いんだけど。イチからやり直してクリラブ2のアレク様の元へ。
アリスの頭の中でクラリアの言葉がこだまする。
そんな仕様はないわ。
そんな仕様はないわ。
そんな仕様はないわ。
おおおお踊れなかったらどうなるの?このクリラブ1でのゲーム一年目の一大イベント、攻略対象が決定する大事なイベント、クリスマス舞踏会でカイル王太子の足を踏んでしまったら、足を蹴っ飛ばしてしまったら、足払いを掛けてしまったら、寝技で一本取ってしまったら、
イベントの手前にこんなトンデモナイ落とし穴が仕掛けられていて、落ちた先で待っているのは、
ヒロイン断罪のざまぁ直行ルートにだぁっ。
ゴロゴロと床を転がるヒロインアリス。
「兎に角落ち着いて、アリス」
何とか落ち着かせようとアリスに優しく声を掛けるグレース。アリスは転がるのを止め、丸まったままグレースを見上げた。
にっこり微笑むグレースにアリスは恐る恐る尋ねる。
「…もしもカイル様の御御足を踏み、舞踏会場の床に無様に這いつくばらせてしまったら死罪でしょうか?」
グレースとコーネリアが絶句していた。
「…まさか」
「これ程とは…」
あの後、アナベル&セシルは
『私達が先に戻ってメイドに準備させますわ』
と叫ぶなり走り出し、グレースに耳打ちされたアランはえ?という顔になった。そしてクラリアに首根っこ掴まれたアリスはそのまま女子寮のクラリア達の自室に引きずっていかれた。
一室がテーブルや椅子を隅に寄せて広くスペースが空けられており、そこに放り込まれたアリス。
「取り敢えず、ワルツのステップを踏んでみて」
そうクラリアに命じられたアリスは言われるままに、
「123、123」
とワルツの基本ステップを踏んでみせた。
『……』
そしてアリスはその場にいた全員を凍りつかせていた。
アナベルが叫ぶ。
「何ですの?その足踏み?!」
「猫のふみふみの方がまだワルツに見えますわっ」
セシルが信じられないという声を上げる。
二人の放った言葉の矢がブスブスと心に突き刺さったアリスは、
「…」
棒立ちでガックリと肩を落とした。
ゲームアリスと違い今のアリスは地元で既に舞踏会経験者。子供の頃から母にダンスレッスンも受けている。しかしアリスには破壊的に社交ダンスセンスが無かった。
一人で自由に踊る分には何の問題もない。だがパートナーと組んで決まったステップを踏む社交ダンスだけはどうしても踊れなかった。
ステップを間違える。相手の足を踏みまくり、相手を巻き添えにしてコケる、相手を何故か投げ飛ばす。
地元では、
「アリスは羽の様に軽いからどんなに踏んでも大丈夫。投げ飛ばせるものなら投げ飛ばしてご覧♪」
な父としか踊れないアリスだった。
「父しか踊ってくれませんって、こういう事?!」
「はい…」
「舞踏会でパートナーとはファーストダンスとラストダンスは必ず踊らなければならないのよ?」
「知ってます…」
「前学期も少ないとはいえダンスの授業があった筈よ。どうやって誤魔化していたの?」
「スススステップマット…」
「は?何それ?!」
「ずびばぜん」
「謝ればどうにかなる物では無いわ」
「スミマセン…、あの、今からでも何とか舞踏会のパートナーを断わる事は出来ないでしょうか?」
「無理に決まっているでしょう!一度は承諾しているのよっ。そもそも凄く失礼。ましてや相手は王族なの。今更断るなんて無理だわ」
キッパリ言い切るクラリアにアリスは救いを求めてグレースを見た。
「…」
グレースは無言で首を横に振る。
「?!」
グラッと傾くアリス。クラリアは予想外の落し穴に頭を抱えた。
「王族との決まり事は重いわ。まさか国外や天国に逃亡する訳にもいかないし、やるしかない、けど」
アリスは棒立ちで少し傾いている。
スッとその時アナベルが前に進み出た。アナベルはチョップでアリスを真っ直ぐに直すとアリスの手を取った。
「パートナーのリードがあれば少しはマシになるかもしれませんわ。私がリードしますからもう一度基本のステップを踏みなさい。アリス」
「や、あ、ででも女同士でどうやってリードを?」
首を傾げるアリスにアナベルはフンと鼻を鳴らした。
「私達はお兄様にエスコートして戴くのよ。でもお兄様の腕は二本しかありませんし」
「お兄様の首にしがみつこうかとも思ったのですが歩き辛くて断念しましたの」
セシルの残念そうな口調に、
そりゃそーだろっていうか試したんだ…。
と思ったが突っ込むのは止めたアリス。
『なので私達、交互に男装してカップルとなってパーティーに参加する事にしましたの。そうすればお兄様ともお姉様とも踊る事が出来て一石二鳥。素晴らしいアイデアでしょう』
ドヤ顔のアナベル&セシルにアリスは、
成る程、これがさっきのなぞなぞの答えか。
おおっと感心するアリス。その腰に優雅に手を回したアナベルは、
「さぁ、右足を前に、右に、後ろっ痛ーっ!」
踊り始めて三歩目でアリスはアナベルの足を思い切り踏み付けていた。
「ごめーんっ!」
足を押さえてうずくまるアナベルにアリスは後ろに飛び退りながら土下座。
「アナベル?!」
血相を変えたクラリアがアナベルに駆け寄った。邪魔な土下座アリスは押し退けられ床を転がるアリス。
クラリアはアナベルの傍らに膝を付き、アリスに踏まれたあたりの足をさする。
「ああ、痛かったでしょう。可哀想に」
そこにセシルがメイドと共に濡らしたタオルを持ってくる。そのタオルでアナベルの足を冷やして、次にクラリアはアリスをキッと見据えた。
「アリス、ボーッとしていないで貴方は光の魔法でアナベルの怪我に癒し魔法を掛けなさいっ」
「はっ、ハイッ」
転がったまま停止していたアリスはその声にビクッと大きく痙攣すると必死でアナベルの所へ這って行き、
「…」
取り敢えず自分の手をアナベルの足の踏んでしまった辺りにかざしてみた。
「…」
暫くの間、無音の状態の後、アナベルがボソッ言う。
「…何も感じませんわ。痛みも引きませんわ」
ドン。
今度はセシルがアリスを突き飛ばした。再び床を転がるアリス。
「椅子で休みましょう、アナベル」
アナベルはメイドの手を借りると椅子へと移動しクラリアとセシルはそれに付き添う。
「……」
床に転がったまま微動だにせずアリスは白い壁を見つめた。
どうしよう、凄くヤバい事になってない?喪女ルートの筈が何故かカイルルートに入った?上に私は社交ダンスが出来ない。
可怪しくない?!
クリラブ1のクリスマス舞踏会でヒロインがダンスを猛特訓なんてシーンはひとつも無かったよね?!社交ダンス初心者ゲームアリスは授業のダンスレッスンだけで何の苦労もなく安々と優雅に攻略対象キャラクター達とダンスを踊ってた。
なのに私は子供の頃から母の特訓を受けてきたにも関わらず壊滅的に踊れない…。
男爵家や子爵家の舞踏会でも男気あるメンズ達を皆、舞踏会場の床に沈めてきたアリス。父だけがアリスが足を踏もうが蹴ろうが投げ技を掛けようが持ち堪えていた。
乙女ゲームイベントなのにどうしてなの?前世の記憶が原因?でも私は前世では普通に踊れてた、フォークダンスだけど。
喪女ルート快走の筈がいつの間にか高難易度キャラクター、カイル王太子の高難易度ルートの入り口で立ち尽くしているヒロインアリス。
「ぐはっ」
頭を抱えたアリスは床の上をゴロゴロと転がった。
リアル乙女ゲーム、難しすぎる!ゲームで舞踏会イベントのキャンセルコマンドは無かったか?。いっその事リセットボタンでも良いんだけど。イチからやり直してクリラブ2のアレク様の元へ。
アリスの頭の中でクラリアの言葉がこだまする。
そんな仕様はないわ。
そんな仕様はないわ。
そんな仕様はないわ。
おおおお踊れなかったらどうなるの?このクリラブ1でのゲーム一年目の一大イベント、攻略対象が決定する大事なイベント、クリスマス舞踏会でカイル王太子の足を踏んでしまったら、足を蹴っ飛ばしてしまったら、足払いを掛けてしまったら、寝技で一本取ってしまったら、
イベントの手前にこんなトンデモナイ落とし穴が仕掛けられていて、落ちた先で待っているのは、
ヒロイン断罪のざまぁ直行ルートにだぁっ。
ゴロゴロと床を転がるヒロインアリス。
「兎に角落ち着いて、アリス」
何とか落ち着かせようとアリスに優しく声を掛けるグレース。アリスは転がるのを止め、丸まったままグレースを見上げた。
にっこり微笑むグレースにアリスは恐る恐る尋ねる。
「…もしもカイル様の御御足を踏み、舞踏会場の床に無様に這いつくばらせてしまったら死罪でしょうか?」
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