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アリスの休日 とある一日
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ヴァニタス家から沢山のお土産を戴いてアリスとルミアは帰郷した。家族や工房の人達と友達にご近所さん、領主のハーネット男爵家まで揃って盛大に出迎えられたアリスはそのままお帰りパーティに参加する、事は出来なかった。久しぶりの我が家に戻ったアリスは30分後に高熱を出してぶっ倒れていた。
リアル乙女ゲームの高難度さに心身共にギリギリだったアリスは家に帰った事で緊張の糸が切れた。所謂、知恵熱を出したアリスは3日間熱が下がらずに寝込んでいた。
「キラキラが来るよう、怖いよう。オムツがぁ、オムツが無い~っ」
等と意味不明なうわ言を繰り返すアリスに家族は震え上がったが4日目にアリスの熱はあっさりと下がった。
何か寝たらスッキリした。
のアリスだった。5日目にはご飯をモリモリ食べているアリスだった。6日目には土産のブラックビーストなりきりスーツ(非売品)を着てご機嫌の弟のリュオンとブラックビーストごっこをして遊ぶアリスだった。ので7日目からアリスは自分の部屋で母ミティアに猛勉強させられていた。
先程ルミアとリュカが軟禁状態のアリスを、
「一緒に教会の書蔵庫で勉強しよう」
と誘い出そうとしてくれたのだがミティアに断らさせられてしまい、
見たい画集があったのに~。
アリスは未練タラタラで教科書を完全に上の空で眺めていた。そのアリスの背中にミティアは深い溜め息をついた。
進学した位で性格が変わる訳が無いのは分かっていたけど、本当にそのままありのまま。この子の為にも出来る事は全てしてあげないといけないわ。
決意を新たにする母の心、子知らずなアリス。
コンコン、コンコン。
そこに部屋のドアがノックされて父テオドールが顔を出した。
「勉強ははかどっているか?アリス」
「父さん」
テオドールの姿にアリスの表情がパアッと明るくなる。
「うん、頑張ってるよ。今日は剣の稽古がしたいなぁ」
「今日は剣の稽古はしません」
ミティアにきっぱりと言われ、ガックリと肩を落とすアリス。
チッ。今日は丸一日座学か。つまんないなぁ。
口を尖らせるアリスに気付かれない様にテオドールとミティアは目配せを交わす。テオドールはアリスの髪をクシャクシャッと撫でると笑い掛けた。
「アリス、今日は魔法の練習をしよう」
テオドールの言葉にアリスは首を傾げる。
「魔法?」
「昨夜、俺が実は火の魔法を使える事は話しただろう」
「うん、その事を知っているのはハーネット男爵様とベルク子爵様。それと師匠のトマスじーちゃんだけなんでしょう?」
「ああ、……平民で魔法が使えると目立つから隠しているんだ」
「うん、そうだね」
アリスは頷いた。両親はアリスに母ミティアを守る為に身分を隠している事をまだ秘密にしておくつもりのようだ。それならそれに乗っておこうと思うアリスだった。
それよりも、父さんがマジカル学園の卒業生っぽいんですけど。しかも結構優秀だった感じ。
アリスはミティアとボソボソと話しているテオドールをじーっと見て気付いた。
あれ?父さんの服装がいつもと違う。重装備というか、まるで山にでも入る様な。
アリスの視線に振り返ったテオドールはポンポンとアリスの頭を叩くと、
「下で待っているからな」
と言い残し部屋を出ていった。首を傾げるアリスにミティアがスッと着替えを差し出す。上下重装備なまるで山に分け入るかのような用意の上下の服。
…魔法の練習だよね。何故に山行きの支度?
アリスは着替えと机の教科書を見比べた。アリスには机の上の教科書よりも母の手の上の着替え(お外)の方が光り輝いて見えた。後にこの判断をアリスは心の底から後悔する。
「父さ~ん、マジでやるの~っ!!」
アリスの叫び声に振り返ったテオドールは笑顔で親指を立てるグッドサインを返した。
「大丈夫だっ。お前も早く来いっ」
「えええええ~」
白装束のアリスは半べそで、ズンズンと白い半パンツ1枚で轟々と音を立てて流れ落ちる滝壺の中へ入っていく父の背中を見つめていた。
母と弟に見送られ父と一緒に家を後にしたアリスはそのまま山へ連れてかれた。ガチ登山で向かった先は山奥の結構見応えのある滝だった。綺麗な滝を眺めて充足感と達成感と母のお弁当(空腹)を感じていたアリスにテオドールは白い浴衣の様な物を手渡した。そして現在に至っていた。
滝壺の前でアリスは滝行を始める父の後に続く勇気が持てず立ち尽くしていた。
いや、マジで滝行って有り?コレって魔法の練習になるの?マイナスイオンを浴びるだけで良くない?
「アリスッ、早く来なさいっ。俺の右隣が初心者向けの水量だっ」
いや、絶対違うだろ。
父の姿にそう確信するアリス。しかし…。
アリスはおっかなびっくりで足を伸ばして滝壺の中に爪先を入れてみた。
「冷たっ」
水の冷たさにアリスは慌てて爪先を引っ込める。滝に打たれる父を見ながらアリスはこの展開に全然納得出来なかった。
乙女ゲームで滝行とか聞いてないっ。話が違い過ぎっ。パッケージに偽り有り過ぎだっ。JAROに訴えてやるーっ。
「ねえ、父さんっ。本当にこれが魔法の練習になるの~っ?!」
「勿論だっ。魔法を使う為に重要なのは集中力だっ。滝に打たれて心を空っぽにする。まずは無になるんだ、アリスッ」
「無って言われても~」
「滝に打たれて雑念を全て消し去るんだ、アリスッ。無になる、そうすれば邪な想いもあわわわわっ、とにかくスッキリだっ!いいから早く来いっ!!」
「はいっ!!」
父の迫力に呑まれたアリスは反射的に滝壺に飛び込んだ。
「冷たーっ!!」
「滝に打たれている内に暖かくなるっ」
「絶対、嘘だーっ!」
父の隣りは全く初心者向けではなかった。マジカル学園に戻る迄にアリスは3回滝行を行った。3回目には母ミティアと弟リュオンがピクニック気分で付いてきた。滝壺で楽しく水遊びするリュオンとミティア。それを滝に打たれてアリスは父の隣りでただ見ていた。
「リアル乙女ゲー、激ムズ~!」
リアル乙女ゲームの高難度さに心身共にギリギリだったアリスは家に帰った事で緊張の糸が切れた。所謂、知恵熱を出したアリスは3日間熱が下がらずに寝込んでいた。
「キラキラが来るよう、怖いよう。オムツがぁ、オムツが無い~っ」
等と意味不明なうわ言を繰り返すアリスに家族は震え上がったが4日目にアリスの熱はあっさりと下がった。
何か寝たらスッキリした。
のアリスだった。5日目にはご飯をモリモリ食べているアリスだった。6日目には土産のブラックビーストなりきりスーツ(非売品)を着てご機嫌の弟のリュオンとブラックビーストごっこをして遊ぶアリスだった。ので7日目からアリスは自分の部屋で母ミティアに猛勉強させられていた。
先程ルミアとリュカが軟禁状態のアリスを、
「一緒に教会の書蔵庫で勉強しよう」
と誘い出そうとしてくれたのだがミティアに断らさせられてしまい、
見たい画集があったのに~。
アリスは未練タラタラで教科書を完全に上の空で眺めていた。そのアリスの背中にミティアは深い溜め息をついた。
進学した位で性格が変わる訳が無いのは分かっていたけど、本当にそのままありのまま。この子の為にも出来る事は全てしてあげないといけないわ。
決意を新たにする母の心、子知らずなアリス。
コンコン、コンコン。
そこに部屋のドアがノックされて父テオドールが顔を出した。
「勉強ははかどっているか?アリス」
「父さん」
テオドールの姿にアリスの表情がパアッと明るくなる。
「うん、頑張ってるよ。今日は剣の稽古がしたいなぁ」
「今日は剣の稽古はしません」
ミティアにきっぱりと言われ、ガックリと肩を落とすアリス。
チッ。今日は丸一日座学か。つまんないなぁ。
口を尖らせるアリスに気付かれない様にテオドールとミティアは目配せを交わす。テオドールはアリスの髪をクシャクシャッと撫でると笑い掛けた。
「アリス、今日は魔法の練習をしよう」
テオドールの言葉にアリスは首を傾げる。
「魔法?」
「昨夜、俺が実は火の魔法を使える事は話しただろう」
「うん、その事を知っているのはハーネット男爵様とベルク子爵様。それと師匠のトマスじーちゃんだけなんでしょう?」
「ああ、……平民で魔法が使えると目立つから隠しているんだ」
「うん、そうだね」
アリスは頷いた。両親はアリスに母ミティアを守る為に身分を隠している事をまだ秘密にしておくつもりのようだ。それならそれに乗っておこうと思うアリスだった。
それよりも、父さんがマジカル学園の卒業生っぽいんですけど。しかも結構優秀だった感じ。
アリスはミティアとボソボソと話しているテオドールをじーっと見て気付いた。
あれ?父さんの服装がいつもと違う。重装備というか、まるで山にでも入る様な。
アリスの視線に振り返ったテオドールはポンポンとアリスの頭を叩くと、
「下で待っているからな」
と言い残し部屋を出ていった。首を傾げるアリスにミティアがスッと着替えを差し出す。上下重装備なまるで山に分け入るかのような用意の上下の服。
…魔法の練習だよね。何故に山行きの支度?
アリスは着替えと机の教科書を見比べた。アリスには机の上の教科書よりも母の手の上の着替え(お外)の方が光り輝いて見えた。後にこの判断をアリスは心の底から後悔する。
「父さ~ん、マジでやるの~っ!!」
アリスの叫び声に振り返ったテオドールは笑顔で親指を立てるグッドサインを返した。
「大丈夫だっ。お前も早く来いっ」
「えええええ~」
白装束のアリスは半べそで、ズンズンと白い半パンツ1枚で轟々と音を立てて流れ落ちる滝壺の中へ入っていく父の背中を見つめていた。
母と弟に見送られ父と一緒に家を後にしたアリスはそのまま山へ連れてかれた。ガチ登山で向かった先は山奥の結構見応えのある滝だった。綺麗な滝を眺めて充足感と達成感と母のお弁当(空腹)を感じていたアリスにテオドールは白い浴衣の様な物を手渡した。そして現在に至っていた。
滝壺の前でアリスは滝行を始める父の後に続く勇気が持てず立ち尽くしていた。
いや、マジで滝行って有り?コレって魔法の練習になるの?マイナスイオンを浴びるだけで良くない?
「アリスッ、早く来なさいっ。俺の右隣が初心者向けの水量だっ」
いや、絶対違うだろ。
父の姿にそう確信するアリス。しかし…。
アリスはおっかなびっくりで足を伸ばして滝壺の中に爪先を入れてみた。
「冷たっ」
水の冷たさにアリスは慌てて爪先を引っ込める。滝に打たれる父を見ながらアリスはこの展開に全然納得出来なかった。
乙女ゲームで滝行とか聞いてないっ。話が違い過ぎっ。パッケージに偽り有り過ぎだっ。JAROに訴えてやるーっ。
「ねえ、父さんっ。本当にこれが魔法の練習になるの~っ?!」
「勿論だっ。魔法を使う為に重要なのは集中力だっ。滝に打たれて心を空っぽにする。まずは無になるんだ、アリスッ」
「無って言われても~」
「滝に打たれて雑念を全て消し去るんだ、アリスッ。無になる、そうすれば邪な想いもあわわわわっ、とにかくスッキリだっ!いいから早く来いっ!!」
「はいっ!!」
父の迫力に呑まれたアリスは反射的に滝壺に飛び込んだ。
「冷たーっ!!」
「滝に打たれている内に暖かくなるっ」
「絶対、嘘だーっ!」
父の隣りは全く初心者向けではなかった。マジカル学園に戻る迄にアリスは3回滝行を行った。3回目には母ミティアと弟リュオンがピクニック気分で付いてきた。滝壺で楽しく水遊びするリュオンとミティア。それを滝に打たれてアリスは父の隣りでただ見ていた。
「リアル乙女ゲー、激ムズ~!」
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